本朝徒然噺

着物・古典芸能・京都・東京下町・タイガース好きの雑話 ※当ブログに掲載の記事や写真の無断転載はご遠慮ください。

高層ビルとキモノ

2005年06月10日 | 着物
今朝、会社の最寄り駅の改札を出たら、いきなり、袴をつけた男性が立っていた。
手には、「○○会会場→」と書かれた案内板。
品のよい単(ひとえ)の色無地を着た女性も近くに立っている。
ふだん、着物を着て歩く人にめったに出くわさない駅なので、ちょっと驚いた。

そのまま進んでいくと、ビルに向かうエスカレーターの下、エスカレーターを上がりきったところ、さらには、ビルの入り口付近にも数名。
女性はほとんどみな単の色無地、男性は紬の着物と紬の袴だったので「もしやお茶会?」と思っていたら、案の定、帯に袱紗(ふくさ)をはさんでいる方が。

それにしても、案内の人の数も多くて、ずいぶん盛大な会だなあ……、しかも、みんな正統派のお茶席の装いだし……と思っていたら、それもそのはず、その会は、某流儀の宗家直轄の団体によるものだった。
きっと、その流儀の師範クラス以上の人が一堂に会する、盛大な会なのであろう。

やはり、お茶を長年やっている人の着こなしや身のこなしは、どこか違う。
それは踊りをやっている人にも言えることだとは思うが、お茶の世界はまた独特な感じだ。
踊りの人は「はんなり」(上品な華やかさがあること)、お茶の人は「しっとり」といったところ。

そういった人たちの着こなしを見ていると、とても勉強になるので、失礼を承知で「チラ見」。
歩きながら横目で見るだけだったが、それでも、ほんの一瞬目をやっただけで、洗練されていることがわかる着こなし。

高層ビルの下に、しっとりとしたキモノ姿の人々。
一見、似つかわしくないようだが、不思議と溶け込んでいた。

品のよい着物姿を見た後は、高速エレベーターの重力も普段より軽く感じられた。


 関東地方は今日梅雨入り

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2 コメント

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和の心 (チョッキ)
2005-06-14 02:12:20
女性・男性を問わず着物姿の人を街や電車などで見かけるとつい見てしまいますよね。

着物を着始めた頃、あの周りの視線が嫌だったからジロジロ見るのは止めようと思うけど、やはりつい目がいってしまいます。

素敵に着こなしている人がいたら「素敵ですね~!」と声を掛けたい衝動に駆られます。←アブナイナ



着物姿を見かけると日ごろの慌しさをつかの間忘れさせてくれますね。
お気持ち、わかります~! (maikoplasma)
2005-06-17 01:20:02
チョッキさま、コメントありがとうございます!



そうですよねー、自分が着物を着ているときは人から見られるし、逆に自分も、着物を着ている人を見るとついつい目が行ってしまいますよね。



不思議と、素敵な着こなしをしている方には、ちょっとすれちがっただけでも自然に目が行く気がします。



>素敵に着こなしている人がいたら「素敵ですね~!」と声を掛けたい衝動に駆られます。



そのお気持ち、わかります~!

でも、自分自身、そうやって声をかけていただくととてもうれしいので、声をかけられて喜ぶ方はきっと多いのではないかと思います。

ぜひ、どんどん声をかけてあげてください!(笑)



私もその昔、着物を着始めたばかりの頃は、人の視線がちょっと恥ずかしいなあと思ったのですが、最近ではすっかり厚かましくなって(?)、「さあ、見て!」とでもいわんばかりです(笑)。