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本朝徒然噺

着物・古典芸能・京都・東京下町・タイガース好きの雑話 ※当ブログに掲載の記事や写真の無断転載はご遠慮ください。

落語協会新真打昇進披露

2005年10月16日 | 落語
落語協会ではこの秋、5人の新真打が誕生し、真打昇進披露興行が都内の各寄席で行われた。
それぞれ10日間の興行で、5人が交替で2日間ずつトリを務めた。
新真打は、三遊亭小田原丈改め三遊亭丈二師匠、三遊亭金太改め三遊亭金也師匠、橘家亀蔵改め橘家圓十郎師匠、五街道喜助改め桃月庵白酒師匠、林家すい平師匠。
東京の落語界では、二ツ目時代までは「さん」づけで呼ばれるが、真打になったら「師匠」という敬称がつく。

全員のぶんを見に行きたいのはやまやまだったが、さすがにスケジュールの都合がつかないので、小田原丈さん改め丈二師匠の興行を見に行った。
丈二師匠とは、毎年足を運んでいる「圓朝まつり」や今年9月に行った大阪の「彦八まつり」で会話をしたことがあり、親近感がわいていたからだ。

浅草演芸ホールでの披露目に行ったのだが、襲名披露でしかも日曜だったこともあり、場内は満員で立ち見も出ていた。
浅草の高座は鈴本に比べるとやや狭いのだが、それでも口上には丈二師匠を真ん中に左右二人ずつ幹部が並び、充実していた。
口上の最後には観客も一緒になって三本締めをするのが、落語の真打昇進披露や襲名披露のならい。全員で三本締めをしていると、不思議と一体感が出て「みんなで応援しよう」という気分になる。「手締め」は、日本の良い風習だなあ、とつくづく思う。これが「乾杯」だと、なかなかここまでにはならない。

丈二師匠は三遊亭円丈師匠のお弟子さんだが、師匠同様、新作落語の創作に意欲をそそいでいる。この日も得意の新作落語を披露していた。
古典落語を演じるのももちろん大変な努力が必要なのだと思うが、自分で噺を作っていくというのはさらに苦労が多いと思う。しかし、何十年、何百年経った時に自分の作った噺が語り継がれていたら、とても素晴らしいと思う。現代において「古典落語」とされている噺の多くも、最初は「新作」だったのだ。後世に残るような噺が、現代の新作落語のなかから出てくるといいなと思う。丈二師匠には、新作落語の担い手として、円丈師匠とともにぜひがんばってほしい。

丈二師匠をはじめ、落語協会新真打のみなさん、これからもがんばってください。



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