本朝徒然噺

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三遊亭円丈古典落語の会

2005年11月05日 | 落語
11月5日、横浜にぎわい座で三遊亭円丈師匠の「古典落語」の会が行われました。

円丈師匠は新作落語をメインにしておられるのですが、今回はめずらしく(?)古典落語を披露なさるというので、ぜひ聴いてみたいと思い行ってきました。
円丈師匠は、あの故・6代目三遊亭円生師匠のお弟子さんです。

会場に着くと、たくさんの人が来ていました。
幕が開くと、二ツ目の三遊亭ぬう生さんが出てきました。
二ツ目だけど今回は彼が前座をつとめるのかな、と思っていたら……あれれ?
座布団には座らず、前に立ってしゃべりはじめました。
そうです、この会の前座をつとめるのは彼ではないのです。では誰かというと……ズバリ円丈師匠その人です!

ぬう生さんの「前説」の後、前座の「円丈くん」の登場です。
ちゃんと前座さんっぽい着物を着て(前座さんは羽織を着ることが許されず、「やわらかもの」の着物も着られません)、「金明竹」を披露してくださいました。
「金明竹」は、江戸の人のところへ上方の商人がやって来て言付けをするのだけれど、上方言葉が通じないために勘違いが起きるという噺ですが、名古屋ご出身の円丈師匠はこれを名古屋弁にして演じます。
前座噺が終わったら、本物の前座さんのようにちゃんと自分で座布団と「めくり」を返していました(笑)。楽しいファンサービスでした。

その後、ぬう生さんの落語に続いて再び円丈師匠の登場、「茶の湯」という噺を披露してくださいました。
中入り(寄席では休憩時間のこと)の後、いよいよトリの円丈師匠の登場。トリでは、「小言幸兵衛」という噺を「キレやすい幸兵衛モード」(笑)で演じていました。

ふだんはあまり聴くことのない、円丈師匠の古典落語。
故・円生師匠のもとで修行をされていただけあって、さすがにきっちりとした落語でした。
そのなかに円丈師匠ならではのエッセンスがちりばめられ、より楽しめました。