本朝徒然噺

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京の夏の味覚

2005年07月18日 | 京都
祇園祭は、別名「鱧(はも)祭り」と言われています。
ちょうどこのころ、鱧が旬を迎えるのです。

今は鮎もおいしい時期です。
鴨川では、鮎を釣る人の姿が見られます。

鴨川の床(ゆか)や貴船の川床(かわどこ)で鱧や鮎を食べるのももちろん楽しいのですが、もう少し手軽に夏の京の味覚を楽しみたいという人には、甘味がおすすめです。

この時期、京都ではあちこちの和菓子屋さんで、竹筒入りの水ようかんが売られています。
なかでも最もよく知られているのが、祇園・四条通沿いにある鍵善の「甘露竹」(冒頭写真)です。
付属のキリを竹筒の底に刺して小さな穴を開けると、竹筒から水ようかんがツルンと出てくるのです。

鍵善の「甘露竹」


青竹のみずみずしい色と、水ようかんのなめらかな舌ざわりが、涼しさを演出してくれます。よく冷やして食べるとおいしさが倍増します。
クール宅急便で地方発送もしてくれますが、生ものですので賞味期限は短いです。店頭ではバラ売りもしています。

また、竹筒入りではありませんが、祇園の「甘泉堂」という和菓子屋さんの水ようかんも絶品です。
甘泉堂さんでは4月から9月まで水ようかんを売っていますが、それ以外の時期は栗ようかんになります。
四条通からとても細い路地を入ったところにありますので、初めての方はちょっと見つけにくいかもしれません。
このお店の水ようかんは、地元の方や花街の方の間では有名で、夏の手土産としてよく使われているようです。
最近は、観光客の間でもだいぶ広まってきたようです。

そのほかにも、老松(おいまつ)の「夏柑糖」など、京の夏の和菓子は枚挙にいとまがありませんが、そんななか鍵善さんで、祇園祭ならではのお菓子を見つけました。
「祇園守(ぎおんまもり)」というお菓子です。

期間限定の和菓子「祇園守」


求肥(ぎゅうひ)を焼き皮で包んだだけのシンプルなお菓子で、表面に祇園守の紋の焼き印が押されています。
あっさりとした味わいなので、甘い物が苦手な方でも食べやすいと思います。
このお菓子は、祇園祭の神幸祭から還幸祭までの1週間だけ売られます。