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本朝徒然噺

着物・古典芸能・京都・東京下町・タイガース好きの雑話 ※当ブログに掲載の記事や写真の無断転載はご遠慮ください。

桂春團治一門会

2004年10月18日 | 落語
今日は、霞ヶ関のイイノホールで行われた「桂春團治一門会」へ行った。

今年で9回目になるというチャリティー落語会で、関西の大御所・桂春團治師匠とそのお弟子さんたちによる落語会である。

開演が午後6時だったため、会社を5時半で早退して会場へ向かった。

事前に上司に相談したら、早退するぶん早く出社して勤務時間を調整させてもらえた。ありがとうございます、部長!

演目は、落語が5本だったが、全体的に軽い噺ばかりで、時間も短かったので、気楽な感じで聴けた。
軽い噺でも、飽きずに聴いていられるところが、上方落語の良い点である。おそらく、関西弁の間合いが絶妙だからだろう。
これが、東京の落語だと、よほどうまい人でない限り、あっさりしすぎて退屈してしまう。

でも、欲を言うと、1本くらいは大きな噺があってもいいかな、という感じだった。ちょっと、さくっとしすぎていた感がある。

話は変わって、昨日、一昨日と日光へ行ってきた。
輪王寺で行われている「鎮将夜叉」の初開帳を見た後、中禅寺湖や奥日光の紅葉を見た。
中禅寺湖といろは坂は、紅葉のピークにはほんの少し早い感じだったが、たくさんの人が来ていて、道路も大渋滞だった。
渋滞のためバスが遅れたのでバス停も長蛇の列となり、2時間近く待ってやっとバスに乗れた。

そんなわけで、帰り着いたら疲れ果てていたので、ブログも更新せずに寝てしまったのである。
アップしようと思っていた写真もあったのだが、それはそのうちに、ということで……ご勘弁ください……。

日光の紅葉は、ここ10年くらいほぼ毎年のように見ているが、初めて見た時に比べると、年々美しくなくなってきている気がする。
その年の天候によって、良い年とそうでない年があるのはある程度しかたないのだが、どうも天候のせいだけではないような気がする。
中禅寺湖の遊覧船に乗ったのだが、道路と反対側の岸では、きれいに紅葉していたのだ。
自動車の排気ガスによる影響は否めないと思う。
尾瀬と同じように、日光でもマイカー規制などの対策を早めにとらないと、大切なものを失ってしまうことになりかねない。
もう、そんなに猶予はないはずだ。



今日も落語

2004年10月11日 | 落語
今日もまた、落語を聴きに行った。
落語は、歌舞伎に比べると値段がかなり安いので、アリガタイ。

今日行ったのは、「新宿末廣亭(しんじゅくすえひろてい)」。

新宿の表通りから通り1つ裏に入っただけの場所にあるのに、時代を感じさせる木造の建物で、趣がある。
寄席の前には、噺家さんの名前の書かれた大看板やのぼりが出ていて、道行く人はたいてい目を向けている。

今日から10日間、雷門助六師匠がトリをつとめ、寄席の踊りも披露される。
この師匠は、お父さんである先代雷門助六師匠から受け継いだ、「あやつり人形の踊り」を得意としている。
文字どおり、あやつり人形のような動きで、「かっぽれ」などを踊るのである。

客席は、ほぼ満席になっており、2階席にも人が大勢入っていたようだ。
この末廣亭の2階は、1階席がいっぱいになった時にしか開けられることのない、貴重な空間である(笑)。
年代物の建物なので、2階席に座るのはスリルがある(笑)。

私は、開演まもない時間に着いたので1階席に座ったのだが、その時点でもかなり人が入っており、しばらくすると1階席はほぼいっぱいになった。

この末廣亭は、都内に現存している寄席の中で唯一、桟敷席を残している寄席である。
1階席の両端に桟敷席があり、そこは畳敷きになっているのだ。

東京には、昨日紹介した鈴本演芸場や、今日の新宿末廣亭のほか、浅草、池袋に1件ずつ、合計4か所の寄席がある。そのほか、国立劇場にも演芸場が作られている。
昔は、もっとたくさんの寄席があったそうだが、今はこれだけである。
しかし、数は少なくなっても、寄席は残っており、毎日、落語や漫才、端唄・俗曲、奇術などが行われている。

私は、東京へ観光に来る人には、ぜひ、寄席を訪れてもらいたいと思う。
寄席には、江戸の情緒がまだまだたくさん残っているからだ。
最近、六本木ヒルズが東京の観光名所になっているが、ああいう「高層ビル」だけが東京のイメージだと思ってほしくない。
古き良き時代の東京は、六本木ヒルズなどに代表される無機質なイメージとはまったく正反対だったのだから。

たとえば、京都に行った時、みなさんは何を観るだろうか?
やっぱり、まずはお寺を観て回るという人が圧倒的に多いと思う。
それはなぜだろう?
それが、いわゆる「京都の伝統的なもの」「京都らしさ」だと思うからではないだろうか。
それと同じで、東京に来たからにはやはり「東京の伝統的なもの」「江戸らしさ」にふれるべきだと思う。
もちろん、六本木ヒルズなどの高層ビルを観ることがいけないというわけではない。それはそれで観光スポットとしてはいいのだと思うが、それだけで東京を観たつもりになってほしくはない。
東京では、落語や歌舞伎など、地方ではなかなか観られないものが当たり前のように観られる。
下町など、江戸情緒が残っているところもある。
東京イコール「大都会」「人が多い」「高層ビルが多い」というイメージだけで終わってしまうのは、もったいない気がする。


それはさておき、今日も着物を着て行こうかと思っていたのだが、午前中雨が降っていたのと、起きるのが少し遅くなってしまったのとで、結局洋服にした。

しかし、せっかく寄席に行くので、それに合うような靴下を履いた。
京都・祇園にある手ぬぐい屋さん「細辻伊兵衛商店」で買ったハイソックスで、手ぬぐいの柄をプリントしたものだ。
どんなデザインかというと、踊っているような猫の絵が描かれていて、その横にくずし字で「ねこじゃねこじゃとおっしゃいますが」と書かれている。
これは、俗曲の「猫じゃ猫じゃ」という曲の一節である。
俗曲は、簡単に言うと昔の「はやり唄」のようなもので、三味線に合わせて歌う小曲である。寄席でも唄われることが多い。
歌詞も、機智に富んでいたり色気があったり、粋なものが多い。
「猫じゃ猫じゃ」の歌詞も然りである。
「猫じゃ猫じゃとおっしゃいますが、猫が、猫が足駄はいて絞りの浴衣で来るものか オッチョコチョイノチョイ」

この靴下、結構気に入っているのだが、悩みがいくつかある……。
一つは、せっかく履いても、この靴下に書かれているくずし字が読める人や、その文句が何であるかわかる人がほとんどいないであろうということ、もう一つは、足の太い私が履くと、猫が虎に見えるのではないかということである(笑)。