うたた寝映画日記

米子ではたらく税理士の個人的映画論

「女王蜂」(市川昆監督作品)

2007年02月18日 11時59分41秒 | 映画論
岩井俊二監督が、市川昆監督へのオマージュ満載で撮り上げた「市川昆物語」。映画なのに半分字ばかり読んでいたような感覚しかないのは私だけだろうか?とそんなことはどうでもよく、「市川昆物語」の中で挿入される市川監督の作品群。数年前「黒い十人の女」がリバイバル上映され、市川監督の’50~60年代の作品が次々とビデオ化された折り、ここぞとばかり過去作品は観たつもりであったが、カラーになっての作品をあまり観ていないことに気づく。なぜかカラーの色が他の日本映画と違うのだ。確かに「おとうと」で採用された手法で「銀だし」は有名であるが、それ以上に赤いモノを赤く、青いモノを青く撮っている。この当たり前のことが際だって美しい。おまけに出演する女優がことごとく美しい。
たとえば石坂浩二が金田一耕助なのは知っているも、観ているはずなのに金田一シリーズの各ストーリーが?だった。そこで・・・豪華女優陣出演の「女王蜂」を観る。田舎の旧家で巻き起こる殺人事件を金田一耕助が謎解くという、結局は方程式通りの展開なので、シリーズ各作品どれがどの話か分からなくなるのだろうと勝手に納得。小津映画がどれがどの話か分からなくなるのと似ている。それにしても、岸恵子、司葉子、高峰美枝子ほかやはり美しかった。ゾクッとする眼差し。成瀬監督も女優の使い方はうまかったが、それとは違う何かが昆作品にはある。
なぜそんなに美しいのか。
安倍総理もぜひ参考にしてみては。

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