良い子、悪い子、こまりん子

幼児教育20余年。多くの子ども達を育て、ママ達の悩みに耳を傾けてきました。辛口アドバイスも含め、子育ママ達にエールを!

仕事と子育ては違います

2012-12-05 09:36:36 | こまりん子、こまりんパパママ
 仕事と子育ては違う・・・そんな当たり前のこと、簡単なことに気づいていないママが急増しています ここ5、6年ですねえ、そういうお母様達が増えて、常に子育てに不安を感じていたり、子育てに自信を失って右往左往する・・・私は、苦笑をしているわけでも、嘲笑をしているわけでもないのです
 私はひたすら、そういうママ達をお気の毒だと思っているのです 今すぐにでもお目にかかって・・・
 「大丈夫 あなたは、ステキなママですよ あなたはこんなに頑張っているじゃないですか。今の子育てで大丈夫
 と、握手をし、ハグをし、励ましてあげたい 心からそう思っています

 ここ10年でどんどん増えてきている働くママ達、ワーキングマザー。そういうママ達が、子育てに不安を感じることが多いように思っています。そして、そういうママ達が、どうして子育てに不安を感じるか?という理由は、手に取るように理解できます

 ここで、仕事に関して考えてみましょう。
仕事の場合は、概ね、努力は報われます。仕事の大小に関わらず、計画的に仕事をし、そのパフォーマンスが自分の満足のいくものであれば、成果に結びつきますね
 多少、職場の人間関係等、仕事の成果に影響を及ぼすことはあっても、基本的には、自分の努力、自分の力量によって仕事は完成されていきます。
 ワーキングマザー達は、そういうご自分の確固たる経験が「自分のスタンダードの思考、感覚」になっているのですね。それは当然のことですね。
 ですから、知らず知らずのうちに、家事であっても、育児であっても、その感覚を引きずってしまうのでしょう

 でもね、子どもは「生き物」です。
血を分けた愛する我が子であっても、生まれたその瞬間から、子どもは「その子の道」を歩んでいます。そうである限り、たとえ幼くても、親の「思い通りにはいかない存在」なんですよー、残念ながら

 もっと言えば、「親の子育ての努力は、即効性を持って報われるものではない」という認識が必要です
子育てでの努力は、必要不可欠なものです。なぜなら、この世に産み落とした限り、親は我が子を立派な社会人になる卵として、一生懸命に育てる責任があります。じつは、この認識のない親はたくさんいます。「この子は私の子」という認識しかない親、です。(まっ、このことに関しては、また別の機会にお話をしましょう。)

 話を元に戻しましょうね。
仕事をするように、子育てはできません 仕事のときのように、子育てはすぐに効果は出ないもの、なのです なぜなら、相手は自分とは違い生き物であり、経験のない、超未熟な存在なのですから。

 でもね、仕事でそれなりの成功、成果を治めてきた(きている)ママ達の場合、たくさんのアンテナも持っていて、常に「我が子に良いこと、子育てに効果的なもの」をリサーチしています。たとえば・・・
  取引先のMさんが教えてくれた○○幼児教室は、東大脳を育てるってことよ。3歳では遅いんだって。
  職場の上司のSさんは、お嬢さんに1歳から○○っている英語教材を使っていたから、すでにネイティブみたいな発音なんだって。
  ネットで見た!毎日の読み聞かせは必須だって。どんなに大変でも、必ず毎晩、読み聞かせをしなくちゃ。
  ○○先生のリトミックは、知育の最高峰なんだって。すでに定員だから、ウェイティングリストにお願いした。
  おもちゃは、○○のおもちゃがいいのよ。世界中の高名な博士が頭を良くするために考案したものばかりを集めているの。 Etc. etc.

きっと、すべてウソではなく、本当のことでしょうね でもね、それらはあくまでも「情報のひとつ」であって、子育ての「切り札」ではないはず、です。
 ところが、知らず知らずのうちに「育児も私のパフォーマンスのひとつ。ヘマをしちゃいけない。最高の情報を集め、最高のものを施せば、我が子は最高になる」という自己暗示をかけてしまい、それに雁字搦めになって、思い通りにならないと腹を立てる・・・
 ここから先は2つのタイプに分かれます。ひとつは、思うような成果がでないと、子どもにあたってしまうタイプ。要するに、DV的要素のある対応を子どもにしてしまう母親、言葉の暴力に発展する母親です。
 そして、もう一方が最も多い「子育てに不安を感じる。自分の子育てが正しいのかどうか、常に悩む」という母親、です。

 もしあなたが我が子に、子育てにおける「最高のものと言われる100のもの」を与えたとしましょう
でも、たった「10」しか実らないこともありますよ。じゃあ、残りの「90」は無駄だったか?と問われれば、1年後に「10」、数年後に「10」の芽が出てくるかもしれません
 じゃあ、その残りの「70」は意味がなかったか?いいえ、そうではありません
あなたがもし、成果ばかりを求めるのではなく、深い深い愛情を持って、「100」のものを与えたとしたら、その「100」を与えている時のあなたは愛情に満ち、きっとお子様はその愛を感じ、幸せな時間を過ごしたはずです
 「愛情」母親の愛情ほど、尊いものはありません 子どもは知育教材でもなく、すごいおもちゃでもなく、何十冊の本でもなく、ママの愛情を受け、それを栄養にして、毎日、一瞬一瞬、心も身体も成長していっているのです

 正しい子育て?そんなものは、箇条書きにできるものではありません。
それに、そもそも「正しい子育て」とは、何でしょうか?
 たとえば・・・体罰はいけない、と言われて久しいですが、けれど、時には教育的見地からピシッとお尻をぶって教えないといけないこともあるはずですし、大声で叱ることは下品かもしれませんが、それが電車の中で道徳的に躾けなければならない時には、我が子に怒鳴る必要もあるでしょう。となれば、「正しい」と定義できる子育てなど、そもそも存在はしないはず、です

 もし、どうしても1つだけ「正しいこと」を伝えるとすれば、愛情を注いで育てること、これだけでしょう

 我が子に様々な「成果(ときには、成長、という言葉に置き換えられるかもしれません)」を求めて、無意識のうちに「give & takeの子育て」をしてしまっている自分に気づき、まずは、自分自身を救ってあげましょう そして、ゆったりとした気分で、子どもに相対してみませんか?

 人より早くオムツがとれなくても、
 教えたことをなかなか覚えなくても、
 買い与えた高級なおもちゃで遊んでくれなくても、
 読み聞かせに思うような反応をしなくても・・・ 

 いいでしょう?そうであって欲しい!それを求めているのは、あなたの「エゴ」かもしれません、そうではありませんか?
どうせオムツは取れるし 教えたことも覚えるでしょうし 本に興味を示すときも来るでしょう まあ、高級なこだわりおもちゃに関しては、子どもの好みではなかったかもしれませんが、ふふふ。

 見返りを求めず、子どもとの時間を、心底楽しみ・・・我が子の「小さな発見」に喜び、「小さな変化」に拍手する・・・そんな本当の意味での「豊かな子育て」をしてみませんか?




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