信州山里だより

大阪弁しか話せないの信州人10年目。限界集落から発信している「山里からのたより」です。

シカ肉を燻製に

2013年10月12日 23時35分42秒 | Weblog
2013年10月12日(土)記

10月9日の水曜日、マサカズさんから「またシカが獲れたので、肉、いらないか」と電話がありました。一瞬「イノシシなら」と思いつつ指定された場所に行くと、すでに解体されてバットやバケツの中に。
好きなだけ、と言われたので「まず肝臓!この前、レバニラにすると美味かった」というと、これは予約済み。つまり本人の持ち帰り。その代りという訳ではないけれど心臓(ハツ)を。その他にモモ2本とアバラ部分を少し。
ハツは、ジビエ料理人が料理方法によれば実はおいしい部所と高評価するところ。モモとアバラは以前からおいしく食べられる方法を工夫しているところです(アバラはイノシシならスペアリブというのもありですが、シカは水煮にしてニワトリさんたちへ)。

家に帰ってブロック分けし、食べる食べないは後日に考えるとして、まずは塩コショウをかけて冷蔵庫へ。
以上が10月9日。
で、11日にやっとハツはソテーにして、それ以外は試みに燻製にしてみようと決めました。

この日の夕食にしたハツにはシカ肉特有のクセもなく、たまにコリコリしたところもあって(下処理であえて取り除かなかった部分です)なかなかいい味でした。
なにしろシカ肉が好かれない理由はあの特有のクセ、臭いが嫌われるのでしょうね。ま、普段から食べなれていないことが大きな原因でしょうが。


そして今日の午前、いよいよ燻製作業に取り掛かることとしました。
道具は壊れかけの、天も底もない筒になったドラム缶、七輪、取っ手のない使わなくなったフライパン、蓋にする鉄板。そしてブロック肉。あわてて作った針金のフック。

肉の釣り方がヘンと言うなかれ。肉には繊維があってひっかける個所によっては肉が裂け落ちることもあるのですぞ。

チップは作り置きしていたのがあったのですが、かび臭くなっていたので急きょ玄関前の大木の枝を拝借しました(保存にはビニール袋に入れて保管すべし!)。
ヤマザクラの枝は、鰹節を削るように鉋(かんな)を裏返しにしてシャカシャカと。


当初の「燻製器」がこれ。ドラム缶に網をかぶせ、そこにフックで肉を吊り、鉄板で蓋をしていたのですが煙が無駄に出てくるので、段ボール紙を挟み込んだり対策したもののやっぱり煙が無駄に出てくる。


そこで燻製途中ですが作り替えました。
ドラム缶にドリルで穴をあけ、その穴に鉄棒を差し入れて肉を吊るし、一回り大きいドラム缶の切り抜いた天板を蓋にすると、よしOK。


で完成したのがこれ。なかなかの上出来です。


「塩を塗り置くのは3時間程度。塩抜きして乾燥させるのは1時間前後。煙は最初は少なくそれから多く。でないと肉が苦くなる。燻製時間は3時間位。道具類、肉類は清潔にして、その都度手はきれいに洗って、できるだけ細菌は着かないように。どんなばい菌、細菌が付着しているかもしれないので食べるのは自己責任!」などなど、連れ合いがネットで調べた結果を逐一言いに来てくれますが、全部無視。というか、その通りなんぞできっこないじゃないですか。

このお便りを読んで、自分もやってみようという人のために、私が行った方法を書いておきます。
まず塩とコショーを振りかけ、手ですりこんで冷蔵室へ。これが処理日の9日夕方でした。
で、10日の夕方から(紅葉狩りに行ってたものですから)縁側の竿にぶら下げて乾燥開始。塩抜きはしませんでした。ま、そのことを見込んで9日の塩コショーは多くはなかったかもしれない(量は、連れ合いが私に命令するまんま)。
そして11日の今日の午前、と言っても10時過ぎ頃から始めたので15~16時間は、肉が竿にぶら下がっていた勘定です。この時の肉の表面はもちろん乾燥していて薄く膜が張ったような感じで、手でさわっても肉汁などは着きません。
そして10時半頃からいぶし始め、終えたのが16時頃、かな。
最初は煙が随分逃げ、途中に作り替えなどしたので「何グラムのチップを何時間いぶす」なんぞ全く関係なく、ともかく肉が「美味しそうな赤に、そしてテリが出ている」、そして途中の味見の結果を完成とみなしました。
ま、正直なところ、たまたまこの時間帯は連れ合いが居なかったので、チップというよりヤマザクラの枝が無くなるまで燻し続けた、というだけのことです。神経質にならなくてもうまくいきましたよ。

さて、出来上がったところをつまみ食いしたところ、「美味!」早速マサカズさん宅に3ブロックをお届けしました。なにしろシカ肉の処理に困って、食べ方を2人でいろいろ試しあっているのです。
で、せっかくの出来なので、イノシシ肉を待っている親類に送ってあげようと考えたのですが「どんなばい菌、細菌が付着しているかもしれないので食べるのは自己責任!」という言葉が重くって、今回はパスしました。

さていよいよ夕食時です。
このまま食べると、脂身が少ないサラミのようだしローストビーフのよう。シカ肉特有のクセも極々僅かになってこれはこれでうまい。しかしこのクセが僅かであっても気にする人は気になって食べにくいかも知れない。
という訳で、何かを付けて食べたらどうなるだろうと、まず最初に辛子醤油を付けるとなんとsogooooood!  それからいろいろ試してポン酢ではmaa,maa、ネギ醤油はsogood! ニンニク+タマネギのすりおろし醤油はsogooood! 甘だれは試してないがこれもいけそう。
そしてラーメンに入れたり、刻めば焼き飯の具に、あっそうそう、たこ焼きのタコの代わりに等々いろいろ使えそうです。
そして、冷凍室で保存している以前のシカ肉は、燻製にするかと話し合っているうちに、どういう訳かロクに回すことになりました。




10月7日の便り(『昨日の、秋の例大祭』)の最後の方で、「TPPに加盟すると生産減少額が東京都で1兆7,000億円、北海道で1兆6,500億円、愛知県6,300億円…」、「なおこの数字については後日、詳しく紹介します。」とお知らせしました。
私の文章より、月刊雑誌の現代農業(11月号)に同じ内容が掲載されていましたので、こちらを紹介しておきます。ぜひご覧になってください。

『TPPによる農業生産額の減少は 都市部にも甚大な影響を与える─「大学教員の会」の都道府県別影響試算より』 http://www.ruralnet.or.jp/gn/201311/tpp.htm



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