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※症例は患者様の同医済み.

慢性上咽頭炎の鍼灸治療

2013-02-10 20:57:30 | 内科(風邪.呼吸器.胃腸.消化器)
 慢性上咽頭炎の"鼻うがい"による対処法を書きましたが、鍼灸治療ではさらなる相乗効果が期待されます。

 そこでこれに対応する経穴がどれになるかということを考えてみます。専門医や堀田修先生からの報告では、
・耳下部の胸鎖乳突筋の付着付近に圧痛があれば、慢性上咽頭炎がある証拠
・頚部を暖めることにより上咽頭炎の消炎鎮痛効果が期待される
・のどの痛みは上咽頭炎であることが多い」
ということをおっしゃってます。
“反応点=治療点"という法則を考えたとき、のどの痛みを主治とし、胸鎖乳突筋付着部付近で耳の下の経穴となると、"天容"と"天リョウ"になります。
やはりこのあたりははっきりした圧痛があります。
ここで疑問に思うのが、これらの経穴の主治に前回の内容に書いてあった"泌尿器"や"自律神経系"
に大しての主治がないということです。

 そこで解釈を経穴から経絡へと拡げてみます。これらの経穴は三焦経に属します。
三焦経病症に「むくみ、汗かき、小便不利」などがあります。
これらは腎疾患にみられる症状です。なので慢性賞ということで絡穴である外関か、元穴の陽池と局所の反応点を組み合わせた経絡的治療が簡便です。
 ただしこれらの経穴にどうアプローチするかが治療結果を左右しています。鍼を使うか灸を使うか、鍼では置鍼か、深さはどうするかとか、これは脈状と問診によって導き出されるのですが年齢によるところも多いと思います。

 次は、中医学的にのどの痛みを考えてみると、
"風寒"、"邪壅肺"は急性なので除外して、それ以外で尿や汗などの症状を伴うものに、
"熱邪壅肺"と"湿熱阻滞"
には"小便短赤"という症状があり、""肺腎陰虚"では盗汗がみられます。"気陰両虚"では盗汗に尿尿量減少があります。

 上咽頭炎の随伴症状や合併症と上記の弁証に共通するところがみられます。
 のどの痛みに"尺沢"よくつかいますがどちらかというと急性でよく反応がでる印象です。おもしろいのがほとんどの場合、咽頭部の炎症がある方と同側の"尺沢"に反応がでていて、そこに灸をすると軽いものだったらその場で痛みが減ってきます。このへんは経絡治療の強いところで中医学では左右を特定した本治法はないですよね(僕が知らないだけかもしれませんが)
※ちなみに尺沢の灸による取穴は通常の位置とは異なります。縄切法を用いるのですがだいたい標準部位よりやや上に取ります。


症例
15歳男子
主訴;年中ではないがよく咳や痰が出て、冬場はのどの痛みがある。

現症両側の翳風に圧痛があるが左が強い。;左陽池に反応がある。
体格はやせ気味。

治療;左陽池に施灸しながら左翳風に弱刺激で即刺即抜。自宅では"鼻うがい"を励行してもらう。

経過;咳や痰は徐々にに減少。のどの痛みはそのつど"鼻うがい"により解消。



頭痛・のどの痛み、間質性膀胱炎の症例も書こうおと思いましたが長くなるのでまたいつか書きます。





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