『ホームレス中学生』 田村裕
今更ですが、図書館にて発見したので借りてみました。
一時のブームは去ったみたいです。
舞台が同じ市内ということもあって興味津々で読みました。例の公園も行ったことはないけど、場所は知っています。
出てくる学校も全部わかります。
そんな土地勘アリの私が読みましたが…
ごく普通の家庭がお母さんの病気・死によってどんどん壊れていく…
お父さんの病気・リストラ…そして『解散』
イメージでは、田村少年がいかにピンチを生き延びたかを
描いている本なのかと思ったけど…実際、マスコミでは
その部分が取り上げられていたけど…
大手製薬会社に勤めていたお父さんがクビになったことが気になった私。
作者の子供時代といえば20年ぐらい前なのかな…
20年ぐらい前というと、私もちょうど病院で働いていた時期で
製薬会社の人とも接する機会が多かったけど、
夜討ち朝駆けで診察室から出てくる医師を待ちかまえたり、
何かと差し入れを持ってきたり…とにかく競争が激しく
良く言えば『活気のあった時代』でした。
で、そこでバブルがはじけ、下り坂…
お父さんがどの部署にいたかは触れていなかったのでわからないけど、
そんな時代の製薬会社にいたら、奥さんの介護や自分の病気で
弱味を見せようものなら、あっという間に窓際に追いやられ、
あっという間にクビ!もわかるような気がしました。
他にも原因があったのかもしれないけど…
そんな背景に思いを巡らせながら、一気に読んでしまいました。
田村少年に手を差し伸べてくれた周りの大人たちは素敵で、
いやいや入学した高校で出会った先生方にも助けられ
お金では苦労しても、人に恵まれてよかったね…と思いました。すべては彼の人柄?
それとも単なる天然?
『10km女』のエピソードは笑いが止まらず…
お姉さんもなかなかの強者だと思いましたヨ。
『ホームレス大学生』にも興味が沸きましたが
これはまだ借りるのが難しそう
満足度:
↑
言葉の使い方が『?』なところも無きにしもあらずだけど
小さいことは気にしない!←どこかで聞いた?