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『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』

2007年06月02日 02時38分29秒 | 映画レビュー
原題 PIRATES OF THE CARIBBEAN: AT WORLD'S END
製作年度:2007年
上映時間:170分
監督:ゴア・ヴァービンスキー
出演:ジョニー・デップ 、オーランド・ブルーム 、キーラ・ナイトレイ 、ジェフリー・ラッシュ 、ジョナサン・プライス 、ビル・ナイ
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
デイヴィ・ジョーンズの心臓を手中に収め強大な支配力を得た東インド会社のベケット卿は、世界制覇を目論み次々と海賊たちを撃破、ついに海賊の時代は終焉を迎えようとしていた。そこで海賊たちは、最後の望みである“伝説の海賊”9人を招集し、世界中の海賊たちによる全面対決に挑むことに。しかし、その9人のうちのひとりが生死不明のジャック・スパロウだと判明。やがて、ウィルやエリザベスたちは、溺死した船乗りが囚われているという“デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー”にジャックがいると確信し、救出に向かうのだが…。



コメント:
僕がこの映画を観たかった一番の理由は、チョウ・ユンファのキャスティングがあったからだ。昔から彼のファンだったのでこの大作への出演は兼ねてから喜んでいた。とりわけ前2作も好きな作品であったし、前作ではかなり中途半端な終わり方をしていたので観ずにはいられなかったというのが鑑賞へ至った動機である。

だが、それなりに期待していた割には全て裏切られてしまったと言わざるを得ない結果であった。

まず一番楽しみにしていたチョウ・ユンファの活躍…これがかなり中途半端。結構主要人物として名が挙がっていたのでもっと活躍の場が用意されていると思ったのに、あっけなく死んでしまう役にはがっかりだ。早い段階で出てきたのでもっと波乱を起こしてくれると期待しただけに…う~~ん残念!!

その他9人の伝説の海賊も出番が少なすぎる。無駄に登場だけさせておいて、戦いの場面が一切ないというのもどうなのか?もっとそれぞれのキャラを全面に押し出す演出が欲しかった。おもしろそうなキャラがたくさんいただけにもったいなすぎる。

そして本作で一番問題だと思ったのは、ストーリーが無駄に冗長すぎるということだろう。内容はとにかく裏切りの連続で話の展開がややこしすぎる。あっちとこっちが手を組んだと思えば、裏であっちと組んでたり、はたまたあっちに寝返って…と、とにかく全てのキャラの行動がぐちゃぐちゃ。頭の回転が悪い僕にとってはなんとも難解なストーリーであった。しかもその裏切りの合間に、ジャック・スパロウのコントが挿入されていて更に展開が複雑に。この人気キャラをいろんな形で登場させたかったのはわかるが、なんだか無意味なシーンが多かったような気がする…。ジャック・スパロウが何人かでコントのようなやり取りをするシーンは必要だったのだろうか?僕にとってこのシーンはちょっと理解できない部分であった。しかも中盤あたりからはやけにエリザベスの活躍が目立ち、他のキャラを呑み込んでしまったように見える。ラストはウィルとエリザベスの独壇場で、スパロウの活躍が徐々に乏しくなっていく…。こりゃジョニー・デップが今後もまだジャック・スパロウを演じたいと言い続ける訳だ(笑)

まあ全体的に観ると駄作のように感じる作品ではあったが、褒めるべき点もいくつかある。それはやはり画像のクオリティや音質、そして手に汗握るアクションシーンの構成だろう。できれば作品のほとんどをアクションシーンにしてしまえばよかったのに、と思ってしまうくらい映像は楽しめる内容だった。船上での戦闘は本シリーズならではのテンポの良さを随所に垣間見ることができ無駄が一切感じられない。ストーリーをもっとコンパクトにまとめることができていれば最高の映画と言えていただけに残念な結末だった。

とりあえずこの『パイレーツ~』シリーズは今作で完結したと言える。もし続編があるとすれば今まで以上におもしろい脚本ができるかどうかに掛かっているだろう。とはいえジョニー・デップという役者が出演する限り本シリーズはいつまでも人気を保ち続ける作品なのかもしれない。だが彼のファンでない人間にとってはやや海賊映画に飽きが来ていることは否めないだろう。そろそろ海賊映画の終焉がくるのだろうか?ジャック・スパロウというキャラに運命を託した本シリーズ、いったいいつまで続くのか今後が楽しみなシリーズである。


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