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『マリー・アントワネット』

2007年08月28日 00時26分24秒 | 映画レビュー
原題:MARIE ANTOINETTE
製作年度:2006年
上映時間:123分
監督:ソフィア・コッポラ
出演:キルステン・ダンスト 、ジェイソン・シュワルツマン 、リップ・トーン 、ジュディ・デイヴィス 、アーシア・アルジェント 、マリアンヌ・フェイスフル
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
14 歳のオーストリア皇女アントワーヌは、母マリア・テレジアの意向によりフランス王太子のもとへと嫁ぐことに。フランスへ渡り、王太子妃マリー・アントワネットとして、ヴェルサイユ宮殿での結婚生活に胸をふくらませるマリーだったが、その実態は朝から晩まで大勢のとりまきに監視され、悪意に満ちた陰口に傷つく日々だった。さらに、15歳の夫ルイはまるで彼女に興味を示さず、世継ぎを求める声がプレッシャーとなってマリーにのしかかる。そんな孤独や不安を紛らわそうと、おしゃれや遊びに夢中になり贅沢三昧を繰り返すマリーだったが…。



コメント:
正直、別にマリー・アントワネットを題材しなくてもよかったというのが率直な感想だ。

だが現代版にアレンジされ、ソフィア・コッポラ監督ならではのガーリーテイスト全開のおしゃれでポップなタッチで描かれる本作はとにかくタメ息ものである。特筆すべきは全ての登場人物が着こなす美しい衣装と、とにかく豪華なセットの数々だ。実際のヴェルサイユ宮殿で撮影されたというのだからそれも頷ける。

その中でも個人的に一番大好きなのが、眩いほどの衣装を見事に着こなし演じるキルステン・ダンストだ。なぜかレビューの中で彼女に対する批判が目立つが僕は全くの逆。あのハニカんだ笑顔、セクシーかつキュートな仕草、あくまでも女性らしさを失わずマリー・アントワネットの心の変化をまさに”ガーリー”な演技で見事に演じきったと言える。

本作については特にストーリーのことは考えなくていいだろう。というか考えるだけ無駄だ。今まで何度も聞いたことのある”マリー・アントワネット”のお話なのだから。とりあえず有名なエピソードは全て押さえられ、それに沿った形で進んでいく。だがそんなお決まりのお話に一味違ったテイストをくれたのが音楽である。ふんだんに使われたポップ・ミュージックの数々は違和感を与えることなく映画を盛り上げている。音楽が映画全体の雰囲気を決めていると言っても過言ではない。一見アンマッチのように思える音楽が意外にも合うことを気付かせてくれたソフィア・コッポラ監督の才能が垣間見れるところだろう。

総合的に見て何を楽しめばいいのか迷ってしまう内容だが、あの華やかな暮らしは女性にとってはうれしいものなのかもしれない。美しい衣装に身をまとい、色とりどりのお菓子を食べ、気楽に朝までパーティーに明け暮れる…と、良い部分だけ見れば幸せだが、悪い部分を見ればそれは生き地獄とも言えるのだろう。

そんなマリー・アントワネットの人生を鑑賞し直すということでも本作は楽しめそうだ。