シネブログ

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『黒猫・白猫』

2007年06月17日 23時54分12秒 | 映画レビュー
原題:CHAT NOIR, CHAT BLANC/CRNA MACKA, BELI MACOR
製作年度:1998年
上映時間:130分
監督:エミール・クストリッツァ
出演:バイラム・セヴェルジャン 、スルジャン・トドロヴィッチ 、ブランカ・カティッチ 、フロリアン・アイディーニ 、ザビット・メフメドフスキー 、サリア・イブライモヴァ
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
ジプシーのマトゥコは、自称ダマしの天才。ある日、彼はロシアの密輸船から石油を買うが、見事に騙されて大金を失う。金に困ったマトゥコは、息子のザーレとともに、“ゴッドファーザー”グルガに石油列車強奪の計画を持ちかけ資金援助を乞うが……。



コメント:
実は僕は現在、猫を十匹飼っている。離れに猫専用の部屋があるほどの数だ。その中に黒猫が二匹、白猫が一匹混ざっており、みんないつも仲良く暮らしている。僕はそんな猫好きな人間であるため、このタイトルには妙に惹かれるものがあった。いったい黒猫と白猫がどんな騒ぎを起こしてくれるのか?いろんな期待を胸に鑑賞してみたのである。

ところがどうしたことか、随所に猫の出現はあるもののストーリーとは全くの無縁状態なのである。増してや猫の騒ぎどころか登場人物のハチャメチャどんちゃん騒ぎな展開が優先しすぎて、すでに猫の出演という次元を通り越えたハイテンション・ムービーなままラストへ繋がっていく。まさに大爆笑傑作ヒューマン・コメディーの代名詞的存在といっていいほどの映画に完成しているのだ。

ドナウ川のほとりに暮らすジプシー一族に起こる数々のエピソード―
若者の恋愛や石油列車強盗計画など、国の文化を強く感じさせるブラック・ユーモアなネタが満載で、日本人の僕からしたらいろんな意味で大きな衝撃を与えてくれる内容であった。登場人物、恋愛感、風習、音楽、映像など様々な観点から本作の魅力を掘り出すことができるだろう。最初から最後まで話の展開が読めず、ラストは思わぬ方向に進んでいくのでとてもおもしろい。ジャンルがただのコメディとなっているが、そんなジャンルで片付けてしまうのはもったいない作品だといえよう。

で、やっぱり猫好きな僕からすればタイトルにもなっている黒猫・白猫の意味が気になるのだが…いったいどういう意味なんだろうか?これについてはいくら考えてもわからなかった(笑)まあそんなことは気にしなくても十分楽しめる作品なのでオススメの一本だ。