シネブログ

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『イージー・ライダー』

2007年04月13日 00時11分03秒 | 映画レビュー
原題:EASY RIDER
製作年度:1969年
上映時間:95分
監督:デニス・ホッパー
出演:ピーター・フォンダ 、デニス・ホッパー 、アントニオ・メンドーサ 、ジャック・ニコルソン 、カレン・ブラック 、ルーク・アスキュー
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
コカインの密輸で大金を得たワイアット(キャプテン・アメリカ)とビリーは、金をフルカスタムされたハーレー・ダビッドソンのタンク内に隠し、カリフォルニアからマルディグラ(謝肉祭)の行われるニューオリンズ目指して旅に出る。



コメント:
  ”ぼ~んとぅびぃ~わ~~ぁいる”

序盤から誰でも知っている名曲が連ねている本作。元々ロードムービーが苦手な僕でもそんな音楽が流れてしまったらいちころだ。カリフォルニアからマルディグラ(謝肉祭)の行われるニューオリンズを目指して旅に出たキャプテン・アメリカとビリー。序盤はこの二人の自由奔放な旅を見せられ、まるで音楽のプロモーションビデオのようにダラダラとストーリーが進んでいく。

しかし本作はアメリカン・ニューシネマの代表作であるということを忘れてはいけない。正直僕は前半そんなことはすっかり忘れて作品に見入っていた。

だがこれぞアメリカン・ニューシネマの基本と言わんばかりに、徐々にストーリーに暗い影を落としていく。そしてラスト…全く予想もしなかった結末が…。バイクに乗って走行中の二人は、通りかかった車の同乗者にショットガンで射殺されてしまうのである。その最後はあまりにもあっけない。

”自由”をテーマに描かれた作品だが、一体”自由”とは何なんだと聞き返したくなる。生きるも”自由”なら、殺すも”自由”。本当の意味での”自由”など存在しなかった時代だということを痛感させてくれる。今の時代であればこの映画の主人公は「自由に生きててカッコいい!」というイメージを持つだろう。なのにただ長髪だからだとか周りの生活を乱すからという現代では当たり前のことをやっただけで周りから非難を浴び終いには殺されてしまうのである。自由を求めるのことは当時の人間にとってとても大きなチャレンジであり、人生の楽しみを切り開くチャンスでもあったのだろう。その夢も叶わなかった二人を見ると悲壮感でいっぱいになってしまった。が、やはり時代を駆ける二人の姿はカッコいいのだ!

終盤の墓場でのシーン。あれこそ当時の若者の本来の姿を描き出したものだ。何かに取りつかれて当てもない何かを求める姿。とても強いインパクトを感じるシーンであった。