極楽とんぼは風まかせ

東は東、西は西。交わることなき二つとはいえ、
広い太平洋、東の風が吹き、西の風が吹き・・・

在庫整理で久しぶりの思いつきメニュー

2011年09月10日 | 今日の風の吹きまわし
仕事がないのをいいことに、久しぶりにフリーザーの在庫点検。上の2つのバスケット
は日常の食材。それぞれの下にごちそうやおもてなし用の食材が入っていて、これを
長くても1年以内で消費するために、ときどき点検して日付の新しいものを下の方に入
れたり、日付が古くなって来たものは日常の食材のバスケットに移動したりする。

前のめりになってマイナス18度のフリーザーをかき回していると、小皿料理に使うつも
りでとっておいた半端な量の食材がいくつも出て来る。そこで、今夜は久しぶりに極楽
とんぼ亭名物の「思いつきメニュー」。

今日のメニュー: 鯛とムール貝の潮汁
           サケとマグロのポケ風タルタル
           鶏ひき肉の蒸し団子とエビ入り油揚げ
           サケの玄米ロールとマヒマヒのトビコ和え、
             大根のかつら向き、発芽豆ミックス、海草ヌードル添え
          (サラダ)


      

正体不明の白身の魚。捨てようかと思ってよく見たら「鯛」の切れっ端。しゃれにもなら
ないけど、もったいないからムール貝と合わせて、潮汁風に仕立ててみた。ムール貝
は熱を通して殻の開いたものを閉めて冷凍したもの。それでもいい味の出汁がでる。
タジン鍋の形のお皿に盛って、蓋をしてテーブルに。

      

お刺身の残りのサケと、サクから必要なだけ切り出したキハダマグロ。サケはパクチー
を刻んでレモンをちょっと、マグロはハワイのポケ風に刻んだマカダミアナッツ、とうがら
し、刻みネギ。それぞれを醤油とごま油で和えて、涼しげなショットグラスに盛って、赤と
オレンジのミニトマトを半分ずつ。「サケの方はもうちょっとスパイスがあればマグロと味
の釣り合いが取れると思う」とはカレシの評。うん、大西洋のサケは甘みがあるから。

      

鶏のひき肉は胸肉ともも肉があって、どちらも少量ずつアルミホイルで仕切りをして袋
詰めしてある。(もも肉は豚肉の代わりに餃子の具にする。)そこで、卵1個を分けて、
鶏肉は卵白とチューブのしそ梅とゆかりのふりかけを混ぜてフードプロセッサで下ごし
らえ。四角い油揚げには卵黄と一緒にエビを詰めてみることにした。ナイフで切れ目を
入れて、エビを2尾、尻尾を突き出す形でぐっと詰め込んで、卵黄を流し込み、醤油を
ひと振り。鶏肉団子はラップで包んで形を整えて、スチーマーで15分。鶏肉団子はしそ
と梅干しの香りがほんのりとして、軽くあっさり。油揚げのエビ詰めも思いのほか上品
ぶった感じになった。

      

コースの仕上げは、もうひとつあったサケの刺身の残りと、どうにもならないくらい半端
に残っていたマヒマヒ。巻き寿司にしようと思い立ち、発芽玄米を炊いて寿司飯を作っ
てみた。白米よりは柔らかめだったけど、玄米特有の甘みが加わってなかなかおもしろ
い味で、醤油なしで食べられた。生ちらしには絶好だろうな。マヒマヒはさっとトースター
オーブンで焼いて、赤いトビコで和えて見た。付け合せは大根のかつら向きとさっとゆ
でた発芽豆のミックス(そのままでは青臭い)と残っていた海草ヌードルをポン酢と柚子
の汁と醤油少々で和えたもの。高知県産の柚子の搾り汁は1本が40ドルもして高かっ
たけど、使ってみるとそれだけの価値は十分以上にあるワタシの隠し味。

大根のかつら剝きは包丁の動かし方が難しくて、均等な厚さで長く剝くことは素人シェ
フには至難の技だけど、秘密兵器を使えば実に簡単。その秘密兵器というのが縦型の
皮むき。ハンドルと刃が同じ方向になっているから、大根を刃の長さに輪切りにして、大
根を回しながら皮むきを包丁のように動かして行くと、一定した厚さでかなり長いのが
剝ける。これをそっとたたんで、包丁で端から細く切れば、ちょっと見にはプロ級のかつ
ら剝きのできあがり。ものは使いよう・・・。

久しぶりに何ができるかわからない思いつき料理を、ワインと冷酒でゆっくり時間をか
けて堪能して、ああ、仕事がない日はいいもんだなあ・・・。

地震があったんだって

2011年09月10日 | 今日の風の吹きまわし
土曜日。正午をずっと過ぎて、午後1時に近くなってやっと起床。なんだかまだ寝たりない気分。
きのうもがんばって、目標の午前3時をちょっとだけ過ぎたところで仕事が完了。肩が凝るやら、
目がしょぼつくやら。でも、とにかく起きてから「休みだ~」と猫のようにいっぱいの伸びをして、
ああ、仕事がなくて自由なのっていいもんだなあ・・・。

きのうはバンクーバー島の北西沖でM6.4の地震があった。このあたりではちょっと珍しいくら
いの大きな地震だけど、ワタシたちは5時のニュースを見るまで知らないでいた。発生時間は午
後12時41分で、ダウンタウンの高層ビルでは照明やブラインドがかなり長い時間揺れたそうな。
日本のような「震度」という単位がないからどれだけのものだったかはよくわからないけど、テレ
ビの映像ではたしかにシャンデリアがゆ~らゆ~ら。カレシもまったく気がつかなかったようで、
2人して地震があった時刻に何をしていたか思い出そうとしても、何にも感じなかったんだから、
思い出せない。まあ、震源地はバンクーバーから300キロ近くも離れているし、ビルの中にいて
も気づかなかった人も多いそうなので、地盤や建物によって違ったのかもしれない。

これが「200年以内」に起きると言われている「The Big One(でかいやつ)」だったんならそれに
越したことはないけど、M 6.4じゃあどう見ても違うだろうな。バンクーバー島の西側は、島の
北端からずっとオレゴン州の南端まで、北米プレートと太平洋プレートに挟まれたかっこうで細
長いフアンデフーカ・プレートがあって、太平洋プレートに押されるように北米プレートの下に沈
み込んでいるもので地震が起きやすい。なんでこんなところにかけらみたいなプレートが挟まっ
ているのかというと、フアンデフーカ・プレートはほんとに太古の昔にあったプレートの「かけら」
だから。

何千万年か前にはここに大きな「ファラロン・プレート」が北アメリカから中央アメリカまで続いて
いたのが、太平洋プレートが楔のようにごりごりと押し込んで来たもので、ファラロン・プレートは
2つに分断されてしまった。そのひとつがフアンデフーカ、もうひとつはバハカリフォルニアから
中米にかけて残っているココス・プレート。太平洋プレートが北米プレートに向かってごり押しを
続けたもので、分断されたプレートはどんどん引き離されてしまい、小さい方のフアンデフーカ・
プレートは1千万年くらい先には北米プレートの下に完全に押し込まれて消滅してしまう運命に
あるんだそうな。壮大な地球の物語といったところだけど、きのうの地震は後ろからぐいぐい押し
て来る太平洋プレートに「押すなってば!」とばかりに肘鉄を食わせたせいかも。地球もこの大
きな宇宙の中ではひとつの生き物なんだなあと思う。

そういえば、月曜日は満月。9月の満月は「Harvest Moon(収穫の月)」と呼ばれる。明るい大
きな月が秋の収穫を急ぐ畑を照らしてくれるからだとか。