極楽とんぼは風まかせ

東は東、西は西。交わることなき二つとはいえ、
広い太平洋、東の風が吹き、西の風が吹き・・・

おいしく楽しく食べるのが老夫婦円満のコツかな

2011年09月04日 | 今日の風の吹きまわし
日曜日。汗をかいて目が覚めた。午前11時半。今日は暑くなりそう。カレシがさっそくクーラーを
オンにする。予報だと週の後半にかけてかなり気温が上がるらしい。あさってから学校が始まる
子供たちはさぞかし「遅いんだよっ!」と青空を見上げて怒っていることだろうな。もっとも、また
ラニーニャに戻って、この冬はちょっと厳しくなると言う話だけど、前の冬もそういっていたのに結
局は寒波は来なかったし、雪も降らなかったからあてにならない。まっ、こういう予報は当たらな
いほうが良いに越したことはないけど。

朝食を食べながら、「今日のメニューは何?」とカレシ。起きたばかりなのにせっかちだなあ。ま
だ決めてないと言ったら、「ゆうべのランチはおいしかったね」とカレシ。いわしの燻製と玉ねぎと
オリーブ油だけの思いつきパスタだったけど、そういえばずいぶん「おいしい」を連発しながら食
べていた。(思った以上においしかったけど・・・。)医者にコレステロール値が高すぎるから魚を
多く食べるようにと言われて困った顔をして帰って来たのはもう3年前のことかな。あっさりその
日からほとんど毎日が魚中心のメニューにしたら、そのままいろんな魚を食べては「おいしい」と
言ってきた。特定の食材について「好きではない」と言うことはあっても嫌いだから食べないとい
うものはないし(それはワタシも同じだけど)、ワタシが作った食事に「まずい」と文句をつけたこ
ともなかったなあ。

うん、男女、人種を問わず世の人間すべてがそうであるようにカレシもいろいろと「ン?」なところ
があるけど、こと食べることに関してはたぶん「願ってもないすばらしいだんなさん」ということに
なるんだろうと思う。まあ、「おふくろの味」と言えるものがないようだし、(特に魚中心になってか
らは)いつもどんなものが出るかわからない思いつき料理を食べさせられているから、味を比べ
るものがなくて、それで何でも「おいしい」という評価になるのかもしれない。まっ、テーブルの向
かいの「食べる人」が喜んで食べてくれるのが「作る人」としては一番の花丸。命のあるものは死
ぬまで食べなきゃならないんだから、何でもおいしく楽しんで食べるのが健康な老後を送るコツ
かもしれない。

我が家では、「ホームバー」はサラダバーと並んでカレシの牙城。毎週レストランで外食して「食」
という名の夫婦のかすがいを作っていた頃、カクテルブームだということもあって、ちょっとしたレ
ストランに行くと必ずと言って良いほど食前のカクテルのメニューが出て来た。そこから今どき風
にいうと「おうちグルメ」が始まり、カレシがカクテルを作り始め、凝り性のおかげで今ではバー
「極楽とんぼ」のマティニに勝るものはないというくらいの腕前になったからすごい。最近よく作る
シンガポールスリングだって、伝説的なラッフルズホテルのものよりも(よけいな果物が入ってい
ないから)ずっとおいしい。おかげで1年に食費と同じくらいの酒代がかかってしまうけど。

考えてみたら、何をおいしいと感じるかは人によってずいぶん違うから、他人がおいしいと言う
から自分にもおいしいとは限らない。だからこそ、異なる食環境で育った2人が結婚してみたら
「味覚の不一致」という問題も起きて来るんだと思う。でも、自分にとって何がおいしいのかとい
うことも実際には一朝一夕でわかるものではなくて、毎日の食経験を通して自分なりの「味覚」
が発達するものだと思うから、夫婦の一方か両方が頑固な偏食家でもない限りは、長く食卓を
共にしている間に共通の味覚ができて来て、それが子供のない夫婦、あるいは子供が巣立って
2人に戻った夫婦の「かすがい」になることは可能だと思うんだけど。

うん、食欲の秋でもあるし、久しぶりににまた極楽とんぼ亭自慢の何ができるかわからない「お
味見スペシャル」をやりたくなって来たなあ・・・。