極楽とんぼは風まかせ

東は東、西は西。交わることなき二つとはいえ、
広い太平洋、東の風が吹き、西の風が吹き・・・

出かける前はどうしてこうも

2007年10月31日 | 今日の風の吹きまわし
あ~あ、どうしてこう出かける前の日までバタバタなんだろうなあ。明日10月末日は第3四半期に集めた
消費税の納付期限。フリーランスの個人事業主でも一定以上の年間売上げがあればGSTという消費税を
徴収する義務がある。これが実にしちめんどうくさい。まあ、まめに帳簿をつけないから納付期限が迫って
めんどうだなあということになるんだけど、期限に納付しないと利子がついてくる。だけど、経費にかかった
GSTを相殺できるので、輸出扱いで税率ゼロの海外からの仕事の方が多いと還付されることもある。ま、
いつものように慌てたもので、結局は3ヵ月分の帳簿を整理するのに一晩中かかってしまった。

保守党政権時代に最初7%で始まったGST、去年から6%に下がって、今日発表された予算案では来年
1月からさらに5%に下がるとか。所得税の減税も今年初めまで遡ってやってくれるらしい。保守党の少数
政権になってから、カナダはやたらと景気がいい。どの政党だからというよりも、たまたまグローバル経済
がカナダに追い風ということなんだろうけど、おかげでカナダドルは上がりっぱなし。とうとう40何年ぶりの
レートになって、まだ上がるという噂だ。おいおい、米ドルと日本円の収入は目減りする一方じゃないか。

それもこれも原油価格の高騰とつながっているらしい。なんたってカナダは隠れた石油大国。アルバータ
北部のオイルサンドはアメリカ中の車を100年間走らせることができるくらいの埋蔵量があるそうな。東の
ニューファウンドランドにも大きな海底油田があるし、BC州の沖合いにも今は自然保護派によるストップが
かかっているけれども相当な規模の油田があって、先住民が開発したがっている。中近東の石油は汲み
上げるだけで安上がりだったから、オイルサンドは今まで太刀打ちできなかっただけの話。テロも反乱軍も
いないカナダは石油の「安定供給国」として売り出せるかもしれないなあ。

とにかく、銀行に走ってGSTの納付を済ませ、戻ってきた編集済みファイルの見直しをしていたら、1日が
暮れてしまった。バイリンガルの編集者がいなくて、今回はモノリンガルの人が編集。原稿と付き合わせる
ことができないから、「読む人の立場」で編集される。意味がよくわからん、この表現でいいのか、と質問が
どさっと来るからけっこう大変ではあるけど、見直して、考え直して、手直しをするという過程はまたとない
勉強にもなる。この人は、「明瞭であること」にかけては一段と厳しいもので、おかげでくらいついて、つい
気合が入ってしまう。英語は半生以上第1言語として使っているといっても所詮は母語ではないし、学歴も
ない(とヘンな自慢をしている)私にしてみれば、クライアントに育てられてきたも同然だなあと思う。多謝!

直せるところは直し、なお質問があるところはコメントをつけて、送り出した後は、請求書を書いて10月の
営業が終わり。仕事場は散らかり放題なんだけど、ま、いいか。留守番をしてくれるシーラのためにパンを
焼いて、そろそろ旅の支度を始めなきゃ。サンフランシスコは寒いかなあ・・・


空中のお城

2007年10月29日 | 今日の風の吹きまわし
今朝は変てこな夢の途中で目が覚めた。(もっとも、夢を結末まで見たって話は聞いたことがないけど。)
キッチンにぞろぞろと人が入ってきて、元義妹の仲良しのブレンダ以外はポーカーフェースの知らない顔
ばかり。キッチンを見渡して、ここがどーの、あそこがどーの、これはなーに、あれはなーに。ほんと、キミ
たち、だーれ?そこへツレアイ君が朝ごはんを作って食べさせてやれというので、どうしよう、朝から肉は
重いし、卵があるから、アスパラガスと、あとは・・・なんて算段をしていたところで目が覚めた。

夕食のしたくに入る前にトレッドミルでとことこ走っていて、はたと思い出した。友だちの家が汚くて具合が
悪くなったという、あのトピック。久しぶりに訪ねて、潔癖症じゃないと断りながら、まるで写真にでも撮って
きたのかと思うほど細かく汚れぶり、散らかりぶりを描写した挙句に「ありえない」。すごいなあと、びっくり
するやら、呆れるやら。みんな人さまの家の中をあんなに細かく観察しているのかなあ。我が家に来たら、
やっぱり「この散らかりようはありえない」と書かれてしまうのかなあ。ありえないといわれても、ストの間は
リサイクル場も閉まっていたから、リサイクルごみが溢れて、現実に散らかり放題の家があるんだけどなあ。
私のオフィスと来た日には紙ふぶきの吹き溜まりだから、この人でもさすがに描写に窮するだろうけど。

中教審が実質的にいわゆる「ゆとり教育」が失敗だったと認めるようなことをいったそうな。「生きる力」とか
「自ら学び自ら考える力の育成」とか、掲げた理念は高邁でいいんだけど、旗印は所詮風にたなびく旗印。
その指導要領の下で育った若者たちには「生きる力」がありそうに見えないし、自分で学んで自分で考える
力があるのかどうかもあやしい。役所や学者が作った教育方針が失敗して割を食うのはいつも子供たちだ。
北米でも機能的非識字者が増えたという報告があったけど、これは実験的な国語教育が失敗した結果。
将来のある子供たちを実験台にして象牙の塔で考え出した教育理論を試すのは困ったものだと思うけど、
「教えられる教師は教え、教えられない教師は教師に教える」という揶揄には真実味がありすぎる。この後
「教師に教えられない教師は管理者になり、管理者になれない者は政治家になる」と続ける。

日本の平均所得を調べていて、なぜか世界から見た日本とか言う記事のあるサイトに入り込んだ。読んで
みたら、これがけっこうおもしろかった。日本人は小学校から日本は優秀な国家であり、日本人は優秀な
民族なのだと教えられて、理由のない優越感の中で育っているという。つまりは、日本人に生まれたという
だけで他の民族より優秀と思い込んでいるということらしい。著者がかなり左翼よりらしいのを勘案しても、
ダウンタウンにたむろしている若い日本人の言動にはなるほどそういうことだったのかと納得するところが
ある。日本人だからデフォルトで自分は優秀、だから努力しなくてもいいし、異国ではチヤホヤされて当然。
空中の楼閣みたいな優越感の中に浮いているからこそ、些細なことでカナダ人、中国人、韓国人ごときの
劣等民族に「見下された」と憤慨するわけか。これでは「自ら学んで自ら考える」という力どころか、生きる
力もつきそうにない。なるほど、彼らも間違った教育の被害者なのかもしれない。

読み進んでいくと、「日本は世界一貧困な国家か」という節があって、これも目からウロコだった。OECDの
「貧困」の定義によると、日本の貧困率は世界のトップを争う高さなんだそうだ。母子世帯の収入の低さや、
それよりも低いらしい事故犠牲者の遺家族の収入や、生活保護を拒否されて餓死する人まで出たという
話を聞けば、なるほどと思えてくる。それでもまだ日本は世界第2の経済大国なのだ。たぶんに、豊かさも
単なる統計のマジックのなせる業なのだろう。


うさぎ、うさぎ、何見てはねる

2007年10月28日 | 今日の風の吹きまわし
えっと、今日は土曜日。ディナーはどこに行く~?なんて聞きあっているうちに、サンフランシスコに行けば
毎日三食外食だしねぇ、ということで「内食」になった。ツレアイ君が「少し体重を減らしておかなきゃ」という
こともあるけど、私は旅行というと必死で仕事を片付けて前夜に慌てて荷造りということになってしまうから、
今回は少しでもスケジュールに先行して、ひと息つく時間を持ちたい。うん、うちで食べよう。フリーザーは
まだ「兵糧」がたっぷりあるしね。

そんなわけで、極楽トンボ亭の「内食」メニューは、ツレアイ君が庭に植えてあった巨大なホースラディシュ
(西洋ワサビ)をドレッシングにしたコールスローと、ベトナムなまず、蒸したインゲン豆、ポテトのミルク煮
(はシェフの即興)。ホースラディシュは刻んでいるときはすごく辛そうな匂いがしていたけど、レシピ通りに
氷水と酢で処理してからドレッシングに混ぜたら、香りとワサビ味はあるけれどもあんまり辛くはなかった
から不思議だ。ワサビとはいっても根っこの色は白。日本のとは味も違うことは違うんだけど、ワサビって
天然で緑色なのかなあ。

すっかり気乗り薄になってしまった仕事、PARTⅡは良く見たら半分以上がPARTⅠと同じか、ほんの少し
違うだけではないか。おお、これはシメシメ。大いに手間が省けるのだ。これならWORDの表の不細工に
よるイライラのカリカリを帳消しにしてあげてもいいかなあ。ふむ、うまく行けば出かける前にPARTⅢまで
終わらせられるかもしれない・・・と思うとガゼン張り切ってしまうから、しょーないトンボや。

NOVAのニュースにはツレアイ君も興味があるらしい。そうだよなあ。あの時日本に行っていたら、今頃は
異国で無一文のホームレスになっているかもしれない。あの頃は「日本で働こう」とかいうようなタイトルの
本をやたらに買い込んできて、ベッドの中でまで熱心に読んでいたけど、いくら専門職の資格があっても、
ろくに日本語を話せない60才に近いガイジンがぽっと出て行って普通に就職できるわけがないのは一目
瞭然。だけど、人間というのは、夢に浮かれてその気になってしまったら、マイナス面は見えなくなるもので、
ツレアイ君もしかり。運命ってほんとに不思議だけど、ツレアイ君も「あのとき行かなくてよかった」と、内心
胸をなでおろしているのかもしれない。

オーストラリアとイギリスの大使館は自国出身のNOVA教師の支援に乗り出したんだそうな。QANTAS
航空などは帰国する人に運賃を割引するとか。大学を出たらまず1、2年日本へ行って・・・という若い人も
けっこういるから、カナダ人もかなりの数になるかもしれない。とにかく遊んで来ようと目論んだ向きもいた
だろうけど、日本へ行ったらガンガン貯金できて、帰って来て学生ローンを返済できると胸算用した向きも
多いらしい。何だか西洋版「ジャパ行きさん」と言えなくもないけど・・・


脳みその充電中

2007年10月27日 | 今日の風の吹きまわし
すごく抽象的でややこしい仕事で脳みそがかなり熱くなったけど、午前5時半、期限ぎりぎりで完了。法律
概念のあまりにも抽象的な論議なもので焦点がつかめない。言わんとすることは分かるんだけど、自分が
訳したものを読んで何となく分かるんだけど、編集者にもわかるかなあ。それにしても、学者さんて、家に
帰ってももこんなしゃべり方するのかなあ・・・。

寝たのは午前6時。ツレアイ君はとっくに高いびき。暖房はとっくに「就寝モード」なので、私の側のベッドは
ひんやり。そろ、そろとツレアイ君の側に侵入して、まずはそおっと足をくっつけたら、うぅ、あったか。それ
から、しずしずと寄り添ってみたら、ほんわかとほかほか。これでいびきさえなかったらロマンチックな気分
になれるんだけど。それでも、ほどよく温まったところで自分の側に寝返っておやすみなさい。熱交換?で
ツレアイ君の方は冷えたかと思いきや、ご当人はひたすら高いびき。そうして眠りについて目が覚めたら
正午過ぎ。まあ、睡眠6時間は後で疲れの出ない範囲だから上々というところ。

起き出してバスルームの秤に乗ったツレアイ君が「うひょ~」と、まるで大異変発生に出くわしたような声。
自分なりに「適正体重」の幅があって、その上限に到達してしまったんだそうな。ダイエットタイムだ、酒を
減らさなきゃ、とひとしきりぶつぶつ。確かに、庭仕事で運動しているからと、トレッドミルはサボりっぱなし
だったし、ときどき冷蔵庫から摘み食いしているし、きのうは夜中のランチの後にまたソーセージを出して
来て、「食べない?」だったから、そりゃあ太るでしょう。ハグすればぽっちゃりしてるのがわかるんだから。
まあ、かくいう私も、仕事に追いまくられて(という口実で)トレッドミルをサボったり、仕事が終わらないと
(いう口実で)コンピュータの前に座りっぱなしで、そのくせ重(脳)労働なのよ~(という口実で)よく飲んで
食べて。おかげで極楽トンボもオニヤンマに変身しそうな予感。う~ん、二人一緒のダイエットなら案外
やりやすいかなあ。

さて、難解な法律論議の後は、あの頓珍漢なWORDの表PARTⅡが控えているけど、気乗りがしない。
何かおもしろい話はないかなあと新聞を読み漁っていたら、へぇ、あのNOVAうさぎちゃんもとうとう年貢の
納め時らしい。異国で路頭に迷うガイジン先生は気の毒だけど、NOVAでの経歴はあまり高く買われない
らしい。一時期はNOVAだけで6千人もいたというからすごい。世界中にEFL教師の仕事がある今どき、
まともに資格のある教師がそんなにたくさんいるわけがないと思うけどなあ。ま、英語が母語というだけで
十分に資格というならカナダには有資格者が何千万人いるってことになるけども。そのせいなのかどうか、
日本から帰ってきて英語教師の仕事を探すのに履歴書にNOVAの名を書いたら採用されないという噂も
あるという噂。さて、どれくらいが帰ってくるのか。

ここのところ、時事ドットコム(http://www.jiji.com/)の「きょうの日本語検定」がおもしろい。並んだ広告の
下にちょこんとある小さなボックスなんだけど、漢字の読み方だったり、敬語や謙譲語だったり、毎日一問。
答をクリックすると、別のページが開いて解説を読めるという仕組みで、へぇ~そうだったのかと感心する
こともしばしば。解答分布というグラフがあって正答率がわかるのもおもしろい。明日はどんな質問かなあ、
と楽しみにしている。



一瞬真っ青!

2007年10月26日 | 今日の風の吹きまわし
のんきにブログなんか書いていられないという状態で、一夜明けて眩しいほどの秋の空。やっぱり色あい
が違うんだ。「来週のご予定は?」なんて、ムンクの絵みたいになってしまいそうなメールには頬かむりを
決め込んで、野菜の買出しに出かけた。やっぱり人間たるもの、食べることを無視して仕事に没頭すると
いうわけにはいかない。先立つものは何よりも食べる物!

さすがにシーズンの到来。デパ地下のクリスマスツリーの飾り付けを抜けてたどり着いた郵便局私書箱は
カタログでびっしり。その中にクレジットカードや諸々の請求書が混じっている。青果屋で英語教室からの
帰りのツレアイ君と落ち合って野菜をどさっと仕入れる。私とあなたの冷蔵庫があるもんで、最後の勘定に
なって別々のバスケットに同じ野菜が入っていて、レジの人が「あれ、同じのがあったけどいいでんすか」と
指摘されて「うちは別勘定なんで~」なんて説明したら、行列の人たちから一斉に注目を浴びたりするから
おかしい。私はケラケラ笑い、その場で唯一の白人なことが多いツレアイ君はめっちゃくちゃ困惑した顔に
なるからよけいにおかしい。

家に帰って、車をバックでガレージに入れる途中でツレアイ君がなくなったと騒いでいた熊手を見つけた。
ガレージ脇の植木の中に実に巧妙にカムフラージュされた格好で立っていたから、これもおかしい。二人
でゲラゲラ笑っているうちに、ツレアイ君ガレージのドアの枠に車をゴツン。ペンキなのかこすれ傷なのか、
ちょっとわからないけど、バンパーが白くなってる。おいおい。ま、ガレージは無事だったけど・・・

それぞれの野菜を整理していて、私書箱から取ってきたカタログはあるけど4通の封筒がないことに気が
ついた。レジの途中でバスケットから取り出してツレアイ君に袋に入れてもらったはずなんだけど、あるの
は山ほどのカタログだけ。クレジットカードの請求書があったから、ま、いっか~というわけにはいかない。
バスケットの中にでも忘れたかと思って回れ右してラッシュの中をモールに駆け戻り、青果屋さんにきいた
けど、「さあ、届いてないですね~」。あ~あ、どうしよ~と思って店を出たら、ツレアイ君が封筒をひらひら
させながらやってくるではないか。あったんだ~!

何と、車を駐車してあったところで4通が点々と落ちていたんだそうな。たかが15分くらいとはいえ、誰にも
拾われなかったのは奇跡中の奇跡だ。どうやらツレアイ君がまとめて車に運ぶ途中で抜け落ちてしまった
らしい。ふぅ~。よく見たら4通ともみごとなタイヤの痕がついていて、かなりおもしろいデザイン。やれやれ。
でも、これで土曜日のロトで大当たりするチャンスはフイになっちゃったわねといったら、うっかりしただけで
アイデンティティを盗まれるこのご時世、2200万ドルよりも無事に見つかったクレジットカードの請求書の
方がよっぽど価値があるよ、とツレアイ君。うん、それに熊手も見つかったことだしねぇ。

それにしても、今日は二人揃って「一瞬真っ青」シリーズの午後だった。おかげで、新幹線並みの仕事の
スケジュールはまた遅れ気味。期限はこちら時間明日の午前7時。今夜はまた半徹夜モードだなあ・・・


全然フリーじゃないけど

2007年10月24日 | 今日の風の吹きまわし
読売小町で、フリーになりたいという夫に福利厚生のあるしっかりしたところで働いてもらいたいがどう説得
したものかという、フリー稼業の妻の相談が載っていた。フリーランスは不安定だから、子供を持つことや
老後を考えると不安なのだとか。だから、自分がやっているのはいいけれど、夫にはフリーになってもらい
たくない。でも、夫がフリーになるからといって自分が好きでやっているフリーの仕事を辞めて外へ働きに
出るのは不公平だし、かといって、自分がフリーでやっているわけだから、夫にフリーの仕事はダメという
のも説得力に欠ける・・・キャッチ22。悩むわけだなあ。

相談者には自分が「家事をしながらフリーで働き家計にも貢献する」という理想が前提になっているらしい
けど、家事の合間にする仕事って仕事じゃなくて趣味じゃないのかなあ。家計「にも」貢献するといっている
あたりで、よくしてもアルバイトか、悪くすれば小遣い稼ぎ程度の仕事なのだろうと想像される。もちろん、
自分の小遣いを自分で稼ぐのはすばらしい。それに、その程度だったら家事をしながらでも十分にやれて、
おまけに「フリーの翻訳業です」と言える。収入が不安定で不安だといっても、勤め人に生活費を保証して
もらっている分には心配することはないから、フリーのお仕事っていいもんだ~となる。

ま、確かにフリーの在宅稼業にはいいこともいろいろある。ラッシュアワーのすし詰め電車や交通渋滞とは
無縁だし、うるさいボスもいないし、目の上のたんこぶみたいな同僚もいない。その気になればパジャマの
ままで仕事をしてもいいし、疲れたらその場でコロンと昼寝をしてもいい。ほんとに気楽なことこの上ない。
自分の家というくつろげる環境で、好きなときに、あるいは家事の手が空いたときに仕事ができる・・・

というおいしい話がどこかで作られたイメージであることは、本気で仕事をしようとしたらすぐに現実になる。
フリーランス稼業は一人で何役もこなす自営業という「職業」なのだ。一人ぼっちのビジネスだから、注文を
とって、品質管理をして、期限までに納品して、代金を回収して・・・会社の機能を一手に引き受ける。客と
いう名の怖い「ボス」がいるし、仕事を分担すれば「同僚」もいれば、「納期」というストレスもあるし、校正や
編集という「品質検査」もある。それを職業としてやる以上は、会社で「洗濯物がたまったので早退します」
とか、「子供が遊びたがっているので今日は休みます」とか、「掃除に時間がかかったので遅刻します」と
言うわけにはいかないのと同じで、サラリーマン並みに稼ごうと思ったら、「家事の合間にお仕事」なんて
のんきなことをいっていられない。いきおい「仕事の合間に家事」ということになる。

要するに、フリーランスははぜんぜんフリー(自由)じゃないし、フリー(ただ)でやっているものでもないんだ
けど、カタカナ語の常套手段で、「フリー」という短縮語にしてしまったから、自由で気楽で魅力的な働き方
みたいなイメージが生まれてしまったのかもしれないなあ。世の中って「no free lunch」なんだけど・・・


秘密、発見した?

2007年10月23日 | 今日の風の吹きまわし
なんかやっぱり疲れているみたいで、目が覚めたら12時30分。雨模様外が暗いせいもあるけど、ナイト
キャップが効きすぎているのかもしれない。ツレアイ君は体重が増えると言いながら、そろそろ店じまいと
いう時間になると「何がいい?」と来る。それで、コニャックにしたり、スコッチにしたり、リキュールにしたり、
飲みながらしゃべっているうちにいつのまにか午前4時を回ってしまうから、まあ、昼過ぎまで寝てしまうの
もあたりまえ。ツレアイ君が思い出したように「午前2時就寝励行」を言い出すんだけど、肝心の提唱者が
コンピュータの前に座って動かないもので、三日坊主まで行かずに頓挫する。まあ、二人とも在宅なんだ
から、それでもさして支障はないけれど、午後1時を過ぎて起きるようになったら赤信号かなあ・・・?

ごみ収集が再開されて2回目の月曜日。たまっているゴミを処理するために、最初の2週間は1戸あたり
6袋まで余計にゴミを出せることになっていたんだけど、我が家の地区はいの一番だったからニュースが
届かず、容器だけしか出せなかった。そこで、ツレアイ君は今度こそはとばかり、リサイクルできないゴミを
集めまくってゴミ袋に詰め込んだけど、こっちのゴミ袋は大きいから6つどころかやっと3つ。ツレアイ君が
なんか損をしたみたいな顔をしたもので、私は思わず吹き出してしまった。二人しかいないのにそんなに
ゴミが出るわけないでしょうが。トラックの音で目が覚めなかったので、まだ来ないのかと思ったら、ぜんぶ
すっかり片付いていた。来週からは平常通りにリサイクル品の回収も始まる。

イライラ仕事の第1部を片付けて、息抜きというわけでもないけど、張り切って別の仕事にかかった。少し
大き目で、ちょっぴりきつめだけど、こっちは国際法の解説。仲間うちの隠語ばっかりみたいな内規なんか
よりずっとおもしろい。だけど、念のためWORDのフォーマットをチェックしたら、ああ、やっぱり、グリッドが
設定されている。ページ設定でも「行数」が指定されている。ふ~ん、どうも日本語版のWORDではこれが
デフォルトじゃないかという疑惑は当たっている感じがする。だって、みんながみんな同じところにチェック
マークというのは、今風に言えば「アリエナ~イ」。やっぱり根本は原稿用紙だったんだ。な~んかナットク
したような、秘密を見つけたような・・・。

この文書、ちゃんとタブでインデントを設定してあるのはいいけれど、パラグラフはみんなくっついているし、
章や節の見出しの前後を空けていないから、読みにくいことこの上ない。でも、よく考えるとそういう原稿の
方が多いから、これも日本語の文書作成様式なのかもしれない。だけど、こんなにびっちり詰った文書を
読むのに、日本の人は目がしょぼしょぼしないのかなあ。と、ああだこうだと文句はいいつつも、フツーの
文書にフォーマットされているから、ラクラクの行け行け気分。あとは、何とか条約第何条とか、何とか協定
とか、何とか議定書とか出て来たら、聖グーグルのお出ましを願えばいい。どんなに小難しいテーマでも、
ちゃんとした文書で内容がおもしろければストレスフリーで仕事は楽し!鉢巻締めなおしてがんばろっと。


根の下ろしどころ

2007年10月22日 | 今日の風の吹きまわし
目が覚めるとまた暗い感じの日曜日。天気予報どおりに荒れ模様だ。土曜日にお出かけしなかったので、
今日はグランヴィルアイランドのマーケットでカニを茹でてもらってくるつもりだったけど、何だかめんどうに
なって「在宅グルメ」ということになった。へたくそWORDの原稿でストレスになりまくりなもんで、ほんとは
どっかに行きたかったけど、雨の中をおめかししてでかけるのもやっぱりめんどう。うん、我ながらかなりの
お疲れと見えるなあ。

だったら、フリーザーからマグレ鴨を出してきて、これに何かソースを考えてみることにした。鴨はとにかく
すごい油が出るから、オーブンに入れる前にまず熱湯で油抜き、それからフライパンで皮の方だけ焼いて
さらに油を出す。さて、ソース。マデイラワインを使おうと思ったらあんまり残っていない。じゃあ、料理用の
シェリーを煮詰めて、蜂蜜とブランディを入れる。緑のこしょうと赤いこしょう(実はこしょうじゃないらしい)を
入れて、少し煮詰めたらかなりコクのあるソースになった。極楽トンボ亭のシェフのお得意は即興ソース。
今日のは我ながらうまくできていた・・・と自分の肩をポン。ツレアイ君はというと、ソースも鴨もほめまくりの
感激しまくり。その挙句に、「だけど、カロリー高そうだなあ」と。トレッドミルで走りなさいってば。

父が札幌に残した「我が家」の土地にとうとう買い手が現れた。家はとっくに解体されてしまっていたけど、
転勤族の両親にとっては「終の棲家」、娘の私たちにとっては初めてのマイホーム。目をつぶれば、角地の
家が見える。オンコ(イチイ)の木があって、桜の木があって、春には芝桜に縁取られた玄関があって・・・。
家の中も目をつぶれば今またそこで暮らしているかのように細かなところまで浮かび上がってくる。ごくごく
フツーの家庭を絵に描いたような風景。あの家を離れて32年。心のどこか奥深いところでまだ完全にあの
土地から抜け切っていない根が残っていたのだろう。それが「郷愁」というものなのかどうかはわからない
けど、極楽トンボがそのまま安穏に極楽トンボな子供でいられたところだったことは確かだ。

その土地が見も知らない他人の手に渡ったことで、最後の細い根がスポッと抜けた気がした。「いつまでも
親がいると思うな」と、ちょっと揺らいでいたらしい私を叱咤してくれたのは亡父だった。子供の人生は親の
それを超えて続いて行くのがあたりまえで、誰もがいつかは親の畑から自分の根っこを抜いて、どこかの
別の土に移植して、しっかりと張り巡らさなければならない。誰にも必ずそのときが来る。今、海の向こうの
「里帰り先」に目を向けて暮らしている若い人たちにも、この先30年も経てば自分の根っこの下ろし場所を
決めなければならないときが来る。そのとき、その根がひょろひょろしていたらどうなるんだろう。

私はデラシネじゃない。よ~し、これからこのカナダの地でもっともっと根を張り巡らしてやろう。たっぷりと
栄養を吸い上げて、大きくて華やかで香りのいい花を咲かせて、歴史という本のページの間に「押し花」と
して挟み込まれよう。


サラリーマンはツライね

2007年10月21日 | 今日の風の吹きまわし
目が覚めたら11時ちょっと過ぎ。かなり暗いところを見るとまた雨らしい。ツレアイ君があまりぐうぐうと良く
寝ているので、私ももうちょっと寝ようか・・・と思っていたら、なにやら突然むっくりと起き上がって、耳栓を
してまた横になった。「起きないの?」といったら、むにゃむにゃ。耳栓したってほんとは聞こえているのは
わかっているんだけど、しゃくだからがっちりと抱きついて、いい気分でひと眠りすることにした。

つい最近の新聞記事にバイアグラやシアリスを服用して突発性の難聴になることがあると書いてあった。
ほとんどは一過性で聴力は回復するそうだけど、しない人もけっこういるらしい。へぇ、それって問題なの
かしらん、笑ってしまった。男って動物は元々から人の話を聞かないんだから、今さらバイアグラで難聴に
なったって、大して変わりないじゃん・・・なんて。深夜のトークショー番組でジョーク六連発だろうなあ。

今日はまじめにイライラする仕事に取っ組もうと思ったけど、やっぱり「や~だ」症候群。あっちでダラダラ、
こっちでグズグズでちっとも進まない。日本の職場にパソコンが侵入し始めた頃の話。そのせいでソフトの
ローカリゼーションの仕事が多かったので日本のパソコン雑誌を講読していた。それまではサラリーマンの
仕事といえば客先と飲んで商売の話をしていれば良かった?のが、そうでなくても狭いオフィスにパソコン
が乗り込んできて、ワープロだ、表計算だとややこしいことになった。キーボードなんかに触れたこともない
おじさんたちはOL嬢たちにまでバカにされて、テクノ恐怖症とか、テクノストレスとかになって、エライ目に
あったらしい。

そういうのを読んでいたせいか、このどーしょーもないWORDの表、ついついあの灰色のデスクに座って、
猫背をよけい猫背にして、さすがに誰もいなくなった丑三つ時のオフィスで必死で仕事をしているおじさん
を想像してしまうから、な~んか切ない。考えたら自分もその団塊の世代のおじさんと同じ年頃なんだけど、
つい30年前の高度成長時代の猛烈サラリーマンの成れの果てみたいな姿を想像してしまう。浦島さんな
もんで、ごめんね、おじさんたち。

だけどねぇ、やっぱりこの表の使い方は落第なんだよねぇ。紙と鉛筆で線を引いて・・・そんな感じがする。
WORDの翻訳原稿が来ると、まず十中八九グリッドが設定されている。やっぱり原稿用紙思考なのかと
思ってしまう。欧米語の単語にはハイフンを使って分けられるシラブルというものがある。詩を書くときは
けっこう重要な働きをするんだけど、日本語は文字単位なもんで、行の終わりにきたらどこでもドア式に
単語を区切ることができる。ワープロソフトは昔のタイプライターの延長みたいなものだけど、ここでも昔の
和文タイプは英文タイプとは似ても似つかないモノで、たいていの文書は手書きだった。つまり、深夜の
オフィスで線引きの便箋に手書きしていた時代と同じようにワープロを打っているおじさんたちには、ワード
ラップとか、タブとか、インデントとか、みんなエイリアンなのかもしれないなあ。

30年前に東京のホテルの窓から見た夜中のオフィス風景を思い出す。煌々と明かりがついている中で、
数人ずつ固まっていたり、ゴルフのスイングをやっていたり・・・きっと、パソコンなんて怪物のいない平和な
時代だったんだろうなあ。今どきのサラリーマンはもっとツライのかもしれないな。


もう知らない

2007年10月20日 | 今日の風の吹きまわし
台風リンリン、心変わりして南の方へ行ってしまったらしい。雨はよく降ったけど、風はいたって静かだった。
やれやれ。だけど、日曜日には次の嵐が来るんだそうな。日本方面では台風19号だって。リンリンの次は
「カジキ」。これは日本が提唱した星座の名前だ。こっちまで来ないといいけどなあ。

庭は一面が落葉でびっしり。だけど、ツレアイ君は熊手がどこかに行って見つからないという。外で使った
後にしまい忘れて、誰かが持っていってしまったのかもしれない。くまでがなくては落ち葉掃除もできない。
落ち葉掃除ができないから、家でコンピュータの前に座りっぱなし。それでいて、どうも体重が増えてきた
から当分の間ナイトキャップは止めようだって。ふ~ん、ひとっ走り熊手を買いに行ってこようかなあ。

やっと大仕事の第1部に手をつけた。手をつけたはいいんだけど、え、これってWORDの表。何ページも
延々続く。フツーの表ならどうってことはないけど、見出しの次のしょっぱなのセル、どこまで行くのかなあ
とスクロールしていったら、最後のページまで行ってしまった。きゃあ、1行だけってこと?しかもていねいに
ENTERキーを使ってレイアウトしている。こんなのに上書きしたら左、中、右の内容がずれまくりだ。ったく、
何で項目ごとに行を分けないんだろうなあ。おまけに、タブの代わりにこれまたごていねいにチョンチョンと
スペースを入れてある。これじゃあ仕事にならないよ~、表機能の使い方くらい覚えてくれよ~と、大騒ぎ
しながら、表をフォーマットしなおして、それだけで半日かかってしまった。っもう、しらないったら!

EXCELもWORDも、まったく違う企業の人間が作成してこうなんだから、言語文化よりももっと前に何か
大きなギャップがあるんだと思うしかない。でも、いったい何なんだろうなあ・・・

そんなときに1ヶ月以上も東ヨーロッパを旅行して帰ってきたばかりの友だち夫婦から遊びに来いと電話。
仕事の手順がもう半日遅れてしまってるんだけど、そのままではどうしようもない原稿にストレスメーターは
上がりっぱなし。えいっと放り出してでかけてしまった。二人は医者の息子がいるモントリオールに寄って、
パリに1週間、トルコでパック旅行1週間、二人の生まれ故郷のポーランドで2週間。いとこたちがいるとは
いっても、長い旅はさすがに年を感じさせたそうな。飲んで、しゃべって、帰ってきたのは午前1時。楽しい
ガス抜きになったけど、あしたはぶっ飛ばして挽回しなくちゃ、次がつっかえてしまう。あ~あ・・・


台風リンリン

2007年10月19日 | 今日の風の吹きまわし
今日は朝からかなりの雨。台風が来るんだそうな。Typhoon Linglingというんだって。もっとも台風のまま
ではなくて温帯低気圧に格下げされているけど、フィリピン方面から太平洋を越えて来るんだからすごい。
「リンリン」とはいかにもかわいらしい名前だけど、日本に接近していたら「台風18号」かな。

カナダは、東部ではよくハリケーンが北上して来るけれども、西部の方でメキシコ太平洋岸のハリケーンや
アジアの台風がここまで来ることはめったにない。だけど、「めったにない」ということはたまにはあるという
ことで、今でもバンクーバーっ子に語り継がれているのが1962年10月13日の「フリーダ」。ハリケーン・
フリーダと呼んでいる人が多いけど、ウェーク島付近の生まれだから公式には「台風」。たいした台風では
なかったのが、東へ進むうちに勢力を盛り返して、サンフランシスコからバンクーバーまで大変な爪あとを
残していったそうだ。

バンクーバー空港では最大瞬間風速35メートル、もろに太平洋に露出したビクトリアでは40メートルまで
行ったという。ダウンタウンのデパートではショーウィンドウが粉みじんに割れて、クリスマスの飾り付けが
全部吹き飛ばされてしまったそうだ。(10月半ばの話なのに・・・。)当時19才だったツレアイ君は友だちと
連れ立って、大波を見ようとわざわざスタンリーパークまで出かけたというから、怖いものしらずのツッパリ
ティーンらしい。遊歩道の護岸に砕ける波が背丈よりも高くて、「壮観だったぞ~」と今でも目を輝かせる。
よっぽどの光景だったんだろうけど、目の前で大木が根こそぎ倒れたのにはさすがに肝をつぶしたとか。

台風というと、思い出されるのは、長崎でツレアイ君が大爆発した翌々日に台風に追われるように九州を
離れ、その夜泊まった岡山で、追いついた台風が私たちの真上を通過して行ったことだ。ちょっとググッて
みたら、あれは台風10号、何と1998年10月18日となっている。バンクーバーは今10月18日。そうか、
あれはちょうど9年前の今日だったんだ。この日に台風の話なんて不思議だけど、すると、来年の今日は
ちょうど10年になる。あの「ツレアイ君台風」ももう「十年一昔」の域に入るってわけだなあ・・・感慨。

さて、午後には強風警報が出ていたんだけど、外はなんかし~んとしている。嵐の前の静けさというけど、
台風リンリンはほんとうに来るのかなあ。


ナニしてナンボ

2007年10月18日 | 今日の風の吹きまわし
よっぽどぐっすり寝たのかなんか、目が覚めたら12時半。また雨らしく外は暗い。8時前にすごい轟音で
目を覚ましたというツレアイ君、「こんな時間にどこのどいつだ~」とわざわざ外へ出て行ったら、市の道路
清掃車が雨水枡を塞いでいる落ち葉を掃除して行ったとか。外勤の仕事は一般に朝が早い。だから市の
土木現業所みたいな施設からそう遠くない我が家のあたりは、ごみ収集車も清掃車もみんな朝早くに来て
しまう。午前7時半はフツーの生活時間でいえば2時か3時くらいみたいなもので、ま、そういう変則時間で
生活しているんだからしょうがない。だけど、睡眠に関して神経質なツレアイ君はむかっ腹を立てるもんで
逆に眠れなくなってしまう。そこへ私がびくともせずに眠っていたりすると、「よく寝てられるな」とむくれる。
だって、すっごく疲れてたんだもん。でも、よく眠れるっていいもんだなあ。鬱のときはドクターに薬をもらう
ほど眠れなくてつらかったから、眠れないツレアイ君の苛立ちもわかるんだけど。

日本のボクシング界で起きた大きなスキャンダル。記事を摘み食いして読んだ限りでは、七光りで実力も
蓄えないうちに天狗になったガキンコという印象で、なあんだ、ブリトニー・スピアースやパリス・ヒルトンと
変わらんじゃないの。プロスポーツは今やほとんどが本来の実力だけでは売れない浮かれた商売に成り
下がっている。気の遠くなるような大金が舞うショービジネスであれば、「勝ってナンボ」のものでしかない。
フットボールのコーチだったヴィンス・ロンバーディは「勝つことがすべてではない。勝つことあるのみだ」と
いったそうだけど、オリンピックのドーピングスキャンダルなんかも見ると、予言的でもあるような・・・

ファンにしても、ほんとうにそのスポーツが好きだというよりは、自分の「勝ち犬」願望をチームに投射して
いるようなところがあるから、チームの勝ちは自分の勝ちというわけで、「精一杯がんばったけど負けた」は
所詮は負け犬(=ある意味で「自分」)の遠吠えで聞く耳なし。スポーツの世界は勝ってナンボ、芸能界は
モテてナンボだから、勝つためには、セレブでいるためには、手段など選んでいられるか、ということになる。
だけど、実力を蓄えて、精一杯がんばってその実力を発揮させる以外に、「自分の価値」を高める手段って
あるのかなあ・・・

この「~してナンボ」という言葉、背筋がぞくっとする冷たさを感じる。人間の価値を「金」で計っているとしか
思えないからなんだけど、アスリートは勝ってナンボ、アイドルはカワイくてナンボ、男は女房子供を養って
ナンボ、女は子供を産んでナンボ、日本女性はやさしくて従順でナンボ。その反対は「~しなければゼロ」。
ひょっとしてこれも「ものさし文化」の産物なんだとしたら、なんかおそろしい思想だと思う。そんな世界では
「打算」しか生きる術がないかもしれない。人間の価値はどんなものさしにも計れるもんじゃないと思うんだ
けどなあ。なのに「ものさし」で計って人間の関係を結ぼうとするから、打算に足を取られてしまうんじゃない
のかなあ・・・ふむ、女の考えることとしては哲学的すぎるかな、これ。ま、いっか。仕事、しよう。


なくてもありすぎても困るもの

2007年10月17日 | 今日の風の吹きまわし
どうしたことか二人ともあまり良く眠れなくて、けさはそろってとろ~んの状態。それでもツレアイ君は英語
教室に出かけて行き、私はそろ~っと腕まくり。中くらいのをもうひとつ同じクライアントだからやっちゃえと
ねじ込んでしまったから、この先1週間はまったくのきちきち。我ながらしょうのないやっちゃと思う。仕事の
ログを見ると、今年は今月でもう去年の年間売上を突破している。来月納期の手持ちの分も勘定したら、
思いっきり仕事を減らすことにした2001年のレベル、このまま年末まで仕事が続いたら、ワーカホリック
時代に近づいてしまいそう。それじゃあ、ここらで店じまいしてのんびり、ともいかないしなあ・・・。

あくびをしいしいでピッチが上がらないので、気晴らしのつもりでローカル掲示板を覗いたらおもしろい話が
あった。同棲しているカナダ人のボーイフレンドに結婚するときはPrenupにサインしろと言われたとかで、
これってフツーですか、と質問。結婚前に主に財産について取り決める、いわゆる婚前契約なんだけど、
普通かと聞かれれば、庶民にはそんな契約を結ぶような財産なんかないし、中流の上くらいでもそんなに
普通ってわけではないけど、金持ちになるとかなり普通じゃないのかな。特に金持ちの熟年男が若い女と
再婚するってときは多いだろうなあ。ドナルド・トランプとだったらサインしなきゃ結婚してくれないだろうし、
ジャッキー・ケネディもオナシス夫人になったときにサインしたらしい。ポール・マッカートニーは再婚の時に
ヘザーの涙に動かされてそれをやらなかったから、ひと財産ぼったくられる羽目になったとか。

件の掲示板のカノジョ曰く、「離婚して彼の財産をふんだくりたいとか、得したいという思いはないですが、
異国の地でもし一人身になることを考えるとやはり離婚となれば、ある程度の資金は必要になると思いま
す・・・今後結婚生活をしていく上で離婚した際に今の自分の貯金だけが頼りというのは少し不安な気がし
ます」。あらら、まだ結婚もしていないのに今からもう離婚したときのお金の心配かい。まあ、「やめとけ」の
大合唱にカノジョもどうやらその気になったらしいけど、バブル後の日本の若い女性は「男は家族を養って
ナンボ」と信じているのか、自立しようという気概はまったくない。それどころか、国際結婚で親から離れて
異国の言葉や文化の中で暮らす「辛さ」を理解してくれないと嘆く。つまり、あんたのために辛いんだから、
蝶よ花よと甘やかせってのかなあ。なんか、努力せず、損をせずに生きたいといっているような・・・。日本
女性はおとなしくて尽くしてくれるとかいう、カビの生えたステレオタイプに浮かれているカナダ人男はいい
面の皮かなあ。たとえ、自業自得であっても。

だとすれば、このカノジョのお相手はなかなかの策謀家だ。カノジョの曰く、「私がこっちで将来それなりの
仕事に就けないようであれば(飲食店のウェイトレス、受付、秘書などではだめ)結婚する気はない」んだ
そうな。なるほど、かなりの野心家でもあるようだ。出世して金持ちになるつもりで、そのときに自分の妻は
その地位に釣り合っていなければ困るということかな。まあ、日本人同士だって、学歴が釣り合わないだの、
相手の収入が低くて不安だのと悩みは尽きないようだけど。だけどこの彼氏、あんがい、結婚を仄めかす
ようになったところで、Prenupを持ち出してはカノジョたちを撃退しているのかもしれないな。それにしても、
まだ結婚するかどうかも決まらないうちから離婚後の生活資金を心配する人もいるんだ・・・


タイムマシン

2007年10月16日 | 今日の風の吹きまわし
ほんとうにゴミが消えた!朝の9時頃、ゴミ収集トラックの轟音で目が覚めた。今は自動収集方式といって、
容器を機械で持ち上げてトラックに空けるから、人間がゴミの袋を拾ってトラックに放り込んでいた頃よりも
すごい音がする。でも、3ヵ月ぶりにうとうとしながら「あ、ゴミを持って行ていったな」と思いつつまた眠りに
落ちるのはいいもんだ。安心しすぎたのか正午まで眠ってしまったけど・・・

さてさて、今日から1ヵ月の予定の大仕事に手をつけることになっているんだけど、「はめこみ」がもう2つ。
きのうパスした洗濯をしながら、何だか3つのボールを空中で回しているjugglerみたいだなと思った。あ、
日本語が思い浮かばない。お手玉なんかでやったあれ・・・辞書を見たら「曲芸師」と書いてあった。私には
2つでもできなかったけど、4つくらい回せた子がいたっけ。あれは曲芸だったんだ~と、ヘンなナットク。

ツレアイ君のスピーカーから急に「上を向いて歩こう」が流れてきた。坂本九のオリジナル。今でも歌詞を
覚えているから、何とも不思議だ。「上を向いて歩こう、涙がこぼれないように・・・」。これでもけっこう多感
なティーンだった私。この、妙に突っ張って見せている若者らしいくだりが大好きだった。昔の青春はまだ
純真だったのだ。あれはNHKがやっていた「夢で逢いましょう」という番組の今月の歌として作られたもの
だったと思う。あの番組は特に深夜ではなかったと思うけど、子供が寝た後に大人がくつろいで見るものと
いう雰囲気があって、私には眩しいほど大人っぽく、洗練されて見えた。うん、あれは「とりあえずビール」
の文化とは違ったなあ。マティニの味か、それともコニャック。それとも夏の夜は冷えたロゼか。そのくらい
お洒落な番組だったと思う。聞くところによるとDVD版が出ているらしい。でも、日本のDVDだとカナダで
は再生できないだろうなあ。

ネットラジオを通じてジャズ演奏をいろいろ集めていたツレアイ君、1000曲以上も集まったとかで、最近は
めぼしいものがなくなったらしく、今度は50年代から60年代(つまりはツレアイ君の青春時代)に流行った
懐メロを収集している。ロックンロールが登場し、ジョニーとかボビーとかいった似たような名前の徹底的に
「浄化」された若い歌手がぞろぞろ、やがてビートルズが出て、反戦・反体制運動と共にフォークソングが
隆盛してフォークロックにつながって・・・ツレアイ君とは5才の年の差があるけど、今一緒に4、50年前の
ヒットソングを聴いていたら、太平洋に隔てられてはいても、二人ともかってティーンエイジャーだった時が
あると、何だか共通の青春時代があったように感じられるから不思議。ツレアイ君のティーン時代は映画
『アメリカングラフィティ』を地で行くような感じ。ジェームズ・ディーン気取り?か、革ジャンを着て、タバコを
くわえた写真がある。ま、学校はかなり荒れていたらしいけど、私生活まで校則でがんじがらめだった私の
高校時代に比べたら、ちょっぴりうらやましい気もするなあ。でも、今が一番だから、タイムマシンで戻って
体験したいとは思わないけども・・・


何もしないってのも・・・

2007年10月15日 | 今日の風の吹きまわし
仕事をしない一日って、ほ~んとに久しぶりだなあ。11時過ぎにツレアイ君に起こされたけど、目を開けて
むにゃむにゃといってまた寝てしまったんだそうな。覚えてないのと聞かれても、ぜ~んぜん覚えてない。
結局12時過ぎに起き出して、寝ぼけ眼でキッチンに下りて行ったら、ディッシュウォッシャーが運転中。
「スイッチが入ってなかったんだよ」とツレアイ君。え、またやっちゃった?我が家では、寝る前に1日分の
食器や調理具をまとめてディッシュウォッシャーに入れるのは私の仕事で、洗い終わって乾いたのを取り
出すのはツレアイ君の朝の仕事ということに(いつのまにか)なっているんだけど、食器を入れて、洗剤を
入れて、サイクルをセットするまで行ったところまではいいけど、そこは注意力散漫トンボのこと、グラスを
洗い始めたりするから、最後の「スイッチ、ポン」のステップを忘れて寝てしまうことがあるわけ・・・

でも、今日は仕事をしなくてもいい日。仕事がないわけじゃないけど、未だに気乗りがしない大仕事に手を
つけなくてならないのは明日ということになっているから、1日くらいは何もしないことにしようと決め込む。
洗濯くらいはするつもりでいたけど、「するつもり」を思い出したのは午後も遅くなってから。これは仕事が
あってもできるから明日やればいいか、とパス。デスクのカタログやジャンクメールの山を片付けるつもり
でいたけど、いたるところに散らばったままのペンや計算機や虫眼鏡が必要なときに見つけられるうちは
いいか、とこれもパス・・・

明日から本当にごみ収集が始まるそうだ。なんだかアンチクライマックスの気分だけど、予定表の通りに
月曜日の地区から再開するというから、うちのところ。今夜は忘れずにゴミ容器を外に出しておかなくちゃ。
人手を増やして一日で全部集めるとはいうけど、バイト先の民間業者にそのままいつく人もいるという話だ
から、ほんとに全部集めきれるのかなあ。まあ、88日もストップしていたんだから、あと1回くらい抜けても
どうってことないよって感じ。さて、どんなぐあいかは明日になってのお楽しみ・・・

な~んてブラブラしているうちに、日本は月曜日。またぞろニ方向から仕事が来て、忙しくなりそうな気配。
あんまり競争しないでよ、といいたいところだけど、どこもお互いに知らないわけで、競争しているってわけ
じゃないよなあ。だけど、明日の朝食が終わるまでは何が何でものんびりしなくちゃ。とは思うけど、何が
何でも何もしないってのも何となくストレスになりそうなモードだよなあ、と極楽トンボはワーカホリック的で
とんでもないことをつらつらと考える・・・