極楽とんぼは風まかせ

東は東、西は西。交わることなき二つとはいえ、
広い太平洋、東の風が吹き、西の風が吹き・・・

スマート何とかはほんとに賢いの?

2011年09月30日 | 今日の風の吹きまわし
金曜日。午前11時40分起床。きのうとは一転して暗い。もうインディアンサマーも終わりかな。
今日で9月は終わり。夏至の頃と比べると、日の出は2時間遅いし、日の入りは2時間以上も早
くなって、これからどんどん目に見えて日が短くなる。バンクーバーの日の出から日の入りまで
の昼の長さは夏至前後でだいたい16時間半、冬至前後では8時間とちょっと。夏は日が長い上
に晴れ上がる日が多いから、バンクーバーの夏はすばらしい!ということになり、冬は日が短い
ところへ雨や曇りの日が多いから、よそから来てうつっぽくなってしまう人が多いんだろうな。

今日はワタシはダウンタウンのOpusへ行きたくて、カレシはネットブックを買いたくて、地下鉄
で出かけた。終着駅まで行って、まずはOpusまで。昔Woodward’sのデパートがあったあた
りと見当をつけて行ったけど、うっかり道路を反対側に渡ってしまったので行き過ごして逆戻り。
デパートの跡地が再開発されたおかげで、ずっとさびれていたこのあたりも少し活気がでて来た
ような感じがする。Woodward’sはバンクーバーの地場企業で、札幌なら(まだあるのかどうか
は知らないけど)「丸井今井」のような存在かな。北米のデパートとしては珍しく地下に食品売り
場があって、カナダに来たての頃はよくカレシとよく行った。古いレンガの建物で、木の床が歩く
とぼこぼこと音を立てたもんだった。ダウンタウンの中心が西へ移って周囲がさびれ始めたとき
に動かなかったために取り残され、経営者一族の内紛もあって創業100年目についに倒産して
しまった。もうずいぶん昔のような・・・。

ダウンタウンの中心までの間は英語学校やら留学生目当ての専門学校がやたらとたくさんある。
一時はダウンタウンだけでも百何十校もあった英語学校だけど、最近はどうなんだろうな。留学
生目当てのいわゆる専門学校的な「何とかカレッジ」というのがずいぶんあるのは、英語だけで
は生き残れなくなっているのかもしれない。でも、わざわざカナダまで来てESLでネイリストだと
か客室乗務員のお勉強をしても、帰ってからのキャリアに役に立つのかな。せいぜい3ヵ月か半
年の英語留学じゃ婚活にもならないだろうし、どこまで英語を伸ばせるのかも疑問。相当な費用
がかかっているんだろうけど、日本でまともな英語学校に行った方が成果が上がるんじゃない
かな。まあ、そういうグループとはまったく接点がないから、ワタシにはわからないけど、留学す
ることに意義があるということなのかもしれないな。それが「国際化」だったりして・・・。

ワタシの買い物はあっさりと済んで、今度はカレシのネットブック探し。Future Shopにはしばら
く前までいくつもあったのが今は2機種だけ。ネットブックが並んでいたところはタブレットがずら
り。でも、質問しようにもスタッフが見つからないので、それではとStaplesの方へ回ってみたら、
ここもタブレットが主流。なんかスマートフォンとネットブックの融合したのがタブレットという感じ
だな。それでも、ネットブックは4機種あって、ひとつに触っただけで「ご質問は?」とスタッフが近
づいてきた。ワタシが新しいキーボードを選んでいる間に、あれこれ質問していたカレシはHP
の一番安いのが気に入ったようで、「この値段なら練習用にちょうどいい」とお買い上げ。どうや
らボストンへ持って行くつもりのようだけど、順調に操作できるようになるまではワタシの後ろで
何が動かない、何がうまく行かないと、うるさいことだろうなあ・・・。

ワタシの方はワイレスのマウスはうまく行ったけど、ワイヤレスのキーボードがうんともすんとも
言わない。ふん、仕事が終わったらゆっくりいじってみるか。スマート何とかもいいけど、入れ替
わり立ち代りで目まぐるしく変わる技術に追いつくのがそろそろめんどうになって来た気もする。
初めてPCを買ったのはもう24年も前だけど、なんだか24年も「過渡期」が続いていたような観
もあって、ほんとに進歩しているのかどうかもわからない。人間同士の係わり合いも歩調を合わ
せて大きく変わりつつあるのはたしかだけど、果たして良い方に向いているのかどうか。いや、
人類がほんとに進歩しているのかどうかもあやしいような・・・。

そうだ、電力会社が「スマートメーター」を取り付けに来ると通知してきたな。電気の使用量がリ
アルタイムで電力会社に送信されるんだそうな。(検針員がいらなくなって経費節減か。)自分の
電気の使用パターンをネットでチェックして節電できるっていっても、そんなヒマないけどな。何で
もかんでもスマートって、ほんとにsmartに(賢く)なっているのかなあ・・・。

ストレス太りしたり、ストレスやせしたり

2011年09月29日 | 今日の風の吹きまわし
木曜日。ごみ収集車の音で一度何となく目が覚めて、また眠りに落ちて、目が覚めたら午後12
時40分。カレシを肘で軽く突いたら、パカッと目を開けて「ヘンな夢を見てた~」。ここんところ、
老朽化してもうろくしたコンピュータと格闘していたから、カレシの脳もデフラグが必要になったの
かな。「ボクたち2人とと、顔のわからない2人とでリゾートのようなところにいて、顔のわからな
いやつが特別サービスをさせるとか何とか言っていて・・・」って、なんかおもしろそうな夢。

起きてバスルームの秤に乗ったら、きゃっ、きのう増えていた分がまだ残っている。ふむ、おとと
いの飲茶の影響がまだ抜けていないのかなあ。体重は毎日欠かさず就寝直前と起床直後に同
じ条件(下着のみ)で計る。夜と朝の体重の違いが寝ている間の基礎代謝量の目安になってい
て、それを数年続けていると自分の新陳代謝のパターンがある程度わかって来る。だいたいの
ところ、日課的に運動をしているときは夜と朝の差が大きいし、運動をさぼっていると差が縮まり、
かなり長いことさぼるとまじめに運動をしていた頃の半分になって、同時に体重がじわ~っと右
肩上がりになる。ときどきは急に体重がパターンを外れて跳ね上がり、だいたい2日くらいで何と
なく元に戻ることがあるけど、浮かび上がった共通点がなぜか出汁(の中のいわゆる「旨味」成
分)や醤油のようなナトリウム分の多い調味料を多用する料理。ということは、ふだんがわりと低
塩の食生活なので、急にたくさん食べたら一時的に「むくみ」が起きる・・・のかな?

もちろん、ストレスがかかっているときはすぐに空腹状態になるから、食べる量や回数が増えて
体重が増えることもある。徹夜などしようものなら、2日くらいは冬眠から覚めた熊みたいな状態
になって、普通に食事をしていても30分も経たないうちに「おなか空いた~」ということになる。
この頃は精神的なストレスを感じることが少なくなって、やけ食いをすることもなくなったんだけど、
年とともに肉体的なストレスには敏感になって来たということかな。思えば、在宅自営業が多忙
な上に家事も100%やっていて、おまけにカレシからの精神的なストレスがどんどん高まってい
た1990年代にはBMIが25まで行った。あの頃の写真を見ると、ほんとに「太って」いた。マッ
チ棒のようなオンナノコと比べたら百年の恋(があったとして)が冷めるのも理解できると思って
しまうくらい「どっしり」していた。何であんなに太ったのかって、カレシが家にいないランチタイム
に、インスタントラーメンを2つも食べるというような大食いをしていたことに尽きるんだけど、あ
れはまさにストレス太り。

逆に、急激に強いストレスに襲われると食欲がなくなるから、当然やせる。カレシご狂乱の場に
なって、半年でBMIが20まで急降下したのはまさにそのストレスやせだった。何しろ口論が始
まったらいつ終わるのかわからない。終わりそうになってはまた始まるという繰り返しで、食事時
が近いと食べる気が失せる。夜だと空が白んでくるまで延々と続くから、翌日は寝不足で仕事。
最悪のときには2日がかりで大喧嘩をしたこともあった。表向きは普通に仕事をしていたから、
大量の仕事をこなしながらうつ病の治療とカウンセリングを受け、頻繁に派手なけんかをやり、
合間にオンナノコが「ひょっとしたら」の期待感に胸を膨らませて日本からノコノコとやって来るし、
夜のお仕事のオンナには「同じ」日本人として恥ずかしいと攻撃されるし、しまいにはカレシがス
トーカーまがいの行動に出るし・・・うん、ワタシにとっては破壊されそうになっている自分という
「人間」の生存をかけて戦っていたような気がするから、ストレス食いなどしていられなかったん
だろうな。

それが10年前で、今のBMIは22。おなかのあたりがちょっとぽっちゃりして来たように思うん
だけど、まあ、着るもののサイズを変えないで済んでいるうちはいいか。体重増加の大半はお
酒だということ(つまり、酒量を減らせばいい)はわかっているし、ストレス食いに気をつければ
「メタボ」は回避できるだろうし、人間、年を取ると服のサイズよりも何よりも中身の健康だから。

さびしいからと浮気をしたら本当にさびしくなるかも

2011年09月28日 | 今日の風の吹きまわし
水曜日。いかにも秋晴れという空模様。本当は雨の予報じゃなかったのかなあ。ま、乙女心と秋
の空というから、天気予報官も大変だな。ワタシは乙女から果てしなく遠い年代になったもので、
もう秋空のごとくころころと心変わりすることはなくなった(と思う)けど。はあ、眠い。就寝は午前
5時過ぎ、納期の順位が一番早いものを仕上げて送ってから。ぎりぎりまで頭をこき使っている
と、いつまでもニューロンがあちこちでパチパチと火花を散らしていて、なかなか寝つけなくなる。
かといって、水曜日はシーラとヴァルが掃除に来る日だから、いつまでも寝ているわけには行か
ないので、やむなく正午に起床・・・。

ヴァルがいつも気を利かせてワタシのオフィスをいの一番に掃除してくれるので、きれいになっ
たところで(と言っても、竜巻発生現場並みの有様なので、本棚の埃を払って掃除機をかけるだ
け)、午後5時期限のもうひとつの仕事をやっつけにかかる。約3時間を想定して、3時間で完了、
納品。ひとまずしゃんしゃんと手を打って、夕食は何にしようかと考える。期限が午後5時という
のはかなり気持の余裕を感じるけど、これがあと1ヵ月とちょっとで時計が標準時に戻ったら自
動的に午後4時になって、気持の余裕なんて吹っ飛んでしまう。ま、近年は標準時の期間の方
が短いからいいけれど。ひと息つけるかと思ったら、寝る前に終わったはずの仕事の続きがど
かっと入ってきて、棚上げ中の大きな仕事はそのまま棚上げ。このままだと納期まで残っている
時間枠の最後の方にぎゅぎゅっとアコーデオンプリーツになってしまいそうなんだけど。なんでこ
う急に忙しくなるんだろうなあ、もう・・・。

とりあえず、夕食が終わってから最初のセクション。眠気がして来るけど、これはわりと簡単だっ
たからささっと済んだ。そこで眠気払いに小町横町を散歩。いつものように、結婚しようかしまい
か、離婚しようかしまいか、行くも地獄、戻るも地獄なのが小町横町の世相。どんな泥沼劇が展
開されようがちっとも変化がないという点ではある種の安心感があるのかな。でもまあ、『妻の
不倫がどうして私のせいなのか』と聞いている人がいる。なんでも、妻の不倫が発覚して、離婚
前提で実家へ帰したら、向こうから話し合いに来いと言われ、離婚の条件のすりあわせかと思
って行ったら「出来心だから水に流せ」と言われ、はては仕事が忙しくて妻をかまってやらなかっ
た夫にも責任があると言われてしまった。その程度で浮気が許されるのなら世の中は不倫だら
けになるではないか、と。まさに・・・。

浮気や不倫の言い訳はいろいろとあるけど、「かまってくれないでさびしい思いをさせたそっちが
悪い」というのは、どうやら洋の東西を問わず普遍的なものらしい。オンナノコに夢中だったとき
のカレシも「キミがボクにさびしい思いをさせたからだ」と空涙を流して見せてくれた。(そうそう、
「妻(夫)とうまく行っていない」というのも、カレシも活用した世界共通の浮気コール。)でも、相
手が家計(または子育て)のために身を粉にしているときに、忙しくてかまってくれないから「外で
遊んで来る」と言うのは大人のすることじゃないし、それが許されるんだったら夫婦をやっている
意味がない。ちなみに「夫婦でいる意味がなくなったから」というのは、カレシが離婚したら家族
や友達にワタシが「自分の大事な趣味」を受け入れなかったせいだと説明するつもりだと脅し
て?おいて、「キミはどう説明するつもりだ?」と矛先を向けてきたときのワタシの返事。だって、
一方があさってのほうを向いたままだったら、もう夫婦でいる意味がなくなったということで、他
のどんな説明も不要だと、ワタシは思うから。

一生懸命に働いて疲れているかもしれないパートナーを尻目に「恋愛ごっこ」を楽しんだあげく
に、ばれたら「さびしい思いをさせたそっちが悪い」はないだろうと思うなあ。まあ、悪いことをし
て「悪いのは自分じゃない。自分にそうさせた方が悪い」と言う責任転嫁も人類に共通の心理で
あることは間違いない。だけど、原因が何であれ夫婦でいる意味がなくなったのなら、浮気だの
不倫だのとひと騒動を起こして人生をややこしくするよりは、天下晴れての独り身になって堂々
と理想のパートナーや新しい人生のポテンシャルを追求した方がいい結果に遭遇する可能性は
高いと思う。夫婦でいたくない相手にぶら下がったままでは二進も三進も行かなくなるし、ストレ
スも溜まる一方だろうし、不毛なけんかにエネルギーをとられてしまうし、浮気や不倫の相手も
優柔不断な「恋人」にイライラするかもしれないし、何にもいいことがない。もっとも、夫婦を解消
したら、かまってくれなかった人もかまってくれる人もいなくなって、ほんとに「さびしい人」になる
こともありえるけどな。Be careful what you wish for(軽率な願いごとは怪我のもと)・・・。

朝ごはんは点心、晩ごはんは玄米酢入りおでん風

2011年09月27日 | 今日の風の吹きまわし
火曜日。今日は明るい。台風一過というところか、青空はほんとに秋のブルー。気温も少し上が
りそう。コーヒーだけを飲んで、短い半袖のTシャツだけで正午過ぎにおでかけ。

今日は午後の英語教室の「野外実習」。いつも使う教室が今日だけ別のプログラムに使われる
ので、中華レストランで飲茶をしようということになって、生徒さんたちが選んだのが我が家から
そう遠くない「フラミンゴ」(中国語の看板は「紅鶴酒家」と書いてある)という中華レストラン。商
店街から離れたところに場違いな感じでぽつんとあるんだけど、もう何十年も前から点心がおい
しいという評判の老舗。ワタシたちもワタシが日系商社の小さな子会社(総勢10人)に勤めてい
た頃に会社のパーティで行ったことがある。もう30年以上も前の話だけど・・・。

起きて早々から飲茶というのはちょっとばかり「ん?」な感じで、カレシは「きついなあ~」とぶつ
ぶつ。でも、みんなにとってはランチタイムなんだし、みんな中国系なんだからランチは飲茶とい
うのは普通の発想でしょうに。来ていたのは女性ばかり7人ほど。カートが回ってくるたびに食べ
物がどんどんテーブルに貯まる。おしゃべりをしながらもせっせと食べる。太くて長くて重い中華
箸と格闘しながら食べている間に湯飲みはいつもお茶が満々。お皿の上にスペースができたら、
すかさず誰かが料理を取り分けてくれてしまうもので、起き抜けの胃袋はさぞかしびっくりしただ
ろうな。でも、話の中でワタシがコンジー(中国粥)が大好きだといったら、いつの間にか注文し
てくれたらしく、しばらくして出てきたほかほかのお粥のおいしいこと!今まで食べた中で一番お
いしいコンジーだった。(レシピ、どこかにないかなあ・・・。)

はちきれそうなおなかを抱えて帰って来たらもう3時近く。カレシを夜の部に送り出すための早め
の夕食のしたくにかかるまでの間、メールをチェックしたら、ありゃ、また仕事が増えている。明
日の午後5時の期限に2つも重なってしまった。日本も秋風と共に節電の夏から解放されて、ど
っこいしょと腰を上げで仕事に精を出し始めたのかな。それは喜ばしいことだけど、ひとつは(時
節柄)放射能に関係があって、もうひとつは貿易と法律に関係がある。はあ、右脳と左脳を使い
分けて同時進行できたらいいのになあ。実際に、昔はある種のてんかんの治療に右脳と左脳を
つなぐ脳梁を切り離す方法を使っていたことがあるそうで、分離すると左目で見て右脳に伝わっ
た物体の情報が言語中枢のある左脳に伝わらないために物体の名前を言葉で表せなくなると
いうことだった。てことは、脳の両側に英語と日本語の言語中枢を作っておかない限り、右目で
しか仕事ができないってことか。なあんだ・・・。

ま、カレシを送り出してから仕事に突進することにして、まずは夕食。おなかが減ってないんだけ
ど、カレシが帰ってくる9時近くまでは持ちそうにないから、「何か」作ることにする。フリーザーを
開けたら一番上におでんセットがあって、閃き。フリーザーの底の方にいつ作ったのか覚えてい
ないおでんの汁の残りがある。よし、Hマートで買った韓国風さつまあげがあるし、大根があるし、
白菜が残っているし、ごぼうがあるから、今日はなんちゃっておでん。ガチガチに凍ったおでん
の汁を鍋に放り込んで液化している間に、ごぼうを切って、水に漬けてあく抜き。そこで酢をたら
すつもりがうっかりしておでんの鍋の方に!でも、玄米酢をたぶん大さじ1杯くらい入れたと思う
んだけど、恐る恐る味見をしたら、おでんの汁に何だかコクのようなものが出てきたからびっくり。
おでんお汁に「コク」があるべきかどうかは知らないけど、まさに怪我の功名。ついでにしらたき
もひとつかみをざくざくと切って放り込んで煮込んでいる間に、ししとうを焼いて、冷凍しておいた
松茸ご飯の残りを電子レンジでチンして、これが極楽とんぼ流「吹き寄せ(集め)」料理。カレシ
はおでんのスープがおいしいと言って、浅いお皿に盛ったのをきれいに飲んでしまった。

では、カレシがおでかけして、静かになったところで、腕まくりをして仕事にかかる。いくつあるん
だっけなあ。とにかく、納期が一番近いものからちゃっちゃと処理しないことには・・・。

結婚しないうちに馬脚を現す花嫁さん

2011年09月26日 | 今日の風の吹きまわし
月曜日。目が覚めたら、ベッドルームは暗くて寒い。そろそろ毛布を取り替えなければ、なんて
つらつら考えながら起きてみたら、嵐だ。雨はじゃあじゃあ降っているし、風もすごい。これがや
がて来る「雨期」の前兆じゃないといいけどと思いつつ、テレビの天気予報を見たら、どうやらこ
の嵐、日本方面からやって来たらしい。東京の上を通り過ぎて北海道の沖まで行った台風ロケ
(15号)のお流れがここまで来てしまったということか。遠いところをわざわざ・・・。

いつものことでジンクスのようになっているんだけど、なぜか少し余暇ができたかと思って趣味
に乗り出すと仕事がどさどさと降って来る。ちんたらやっていて少々遅れ気味になりそうな大仕
事をまだ余裕はあるしぃ~とよけいにちんたらやっていたら、閉店間際の駆け込み仕事やら、割
増料金つきの特急仕事やら、来るのかどうかあてのない引き合いやら・・・。おまけにニューヨー
クの会社から法律関係の翻訳者募集のコールがあって、つい「OK」と返事を出したら4ページも
ある登録用紙を送ってきた。大学はどこだ、専攻は何だと何かこまごまと質問があるけど、1日
当たりの処理語数を聞いてもレートのことは何も書いていない。おまけにワタシの仕事内容を問
い合わせたいから取引先を最低2つだと・・・おいおい、トライアルをやればいいだろうに。ワタシ
はどの取引先にも他にどこと取引しているかは教えない方針。ふむ、こういうところはめんどうな
こと多いから、どうしたもんかなあ。やめとこうか・・・。

法律や会計の分野の日英訳は、やる人が足りないのかどうか知らないけど、不景気になっても
何の資格もないワタシのところにけっこう仕事が回ってくる。まあ、証券や金融と違って、法律も
会計も専門家は「士」がつくから、本業に精を出す方がずっと実入りがいい。弁護士も会計士も
1時間何百ドルと請求して年収何十万ドルだけど、翻訳業はその足許にも遠く及ばない。だから、
翻訳が好きで副業としてやっている人の方が多いのかもしれない。小町などでよく「翻訳の勉強
をしたいが、どの分野がいいか」なんて能天気な質問が出るけど、この稼業、教育歴や職業経
験の有無がけっこうものを言うから、「翻訳をやるなら○○の分野がいいよ」なんて答は出てこ
ないと思うんだけど、どの分野が「一番仕事が多くて実入りがいいか」という基準でアドバイスが
寄せられる。まあ、得意不得意、向き不向きを考えずに「○○は高収入だから」と大学の専攻分
野を決める人もいるわけで、生活の糧を稼ぐんだからそれはそれでいいとは思うけど。

だけど、世の中、やっぱりお金がものさしなんだなあと思う。小町にも最近は男性からの彼女や
妻に関わる「お金」の相談トピックが増えている。小町には「男性発」というタブがあって、女性の
上げるトピックがつまらなくなって来たので、男性の相談事を集中的に見たら、これが実におもし
ろい。色恋沙汰は相変わらずだけど、彼女・婚約者とお金のことでもめて相談しているトピックが
けっこう多い。親が資産家だとわかったとたんに慎ましかった彼女が豹変したり、、逆に親の遺
産を相続しないことにしたら彼女に婚約解消を言い出されたり。何というか、二十一世紀の金色
夜叉たちの婚活攻勢に戸惑っている男たちの悲鳴が聞こえて来そうな感じで、今どきの日本の
独身男性って、ほんとにかわいそう。

それにしても、いざ結婚することになってからお金でギクシャクするカップルが多いな。そういうと
ころを付き合っている間に話し合って、価値観が合うことを確認したからプロポーズしたんだろう
になあ。どうやら女性たちの猫かぶりの方が一枚上手だったということなんだろうか。たいてい
は「結婚前に彼女の本性がわかって良かった。別れなさい」のアドバイスがずらりと並ぶ。たし
かに悩める花婿のお相手にはお金に目が眩んでいるとしか思えない手合いが多いけど、そこで
不思議なのは、どうしてそういう動機を正式に結婚する前に露呈して元も子もなくしてしまうのか
というところ。セレブ奥様の自分を想像して気が緩むのか、あるいはひょんなことから裕福な暮
らしは望めないとわかってパニックになるのか、いずれにしても結婚式までもう少しというところ
で馬脚を現してしまうのは賢い女性とは言えないだろうなあ。だけどまあ、猫をかぶり通すという
のは明晰な頭脳ときめ細かな心配りが必要だと思うから、人のお金に目が眩むような賢くない
彼女たちには難しいのかな。ま、閑話休題ということで、仕事に戻ってちょっと稼ぐか・・・。

へただからこそ楽しめるへたの横好き

2011年09月25日 | 今日の風の吹きまわし
日曜日。正午に目覚ましが鳴って起床。だって、アクリル画のワークショップ第1日目だから寝
坊して遅刻したら嫌だもの。起きてみたらかなりの風が吹いていて、しかも雨。困るなあ、持って
いく荷物がどさっとあるのに・・・。

午後1時を過ぎて、ちょっと本格的な雨になって来たので、ゆうべ2つのバッグに詰めてあった
物を全部出して、ジッパーが着いている大きなトートバッグに移した。これならぬれなくて済みそ
うだけど、絵の具箱は重いし、ジェッソだのバーニッシュだのメディアムだのと半液体のものが多
くて、そこへカンバスやらパレットやら何やらと入れたら、いやっ、重~い。感謝祭のメタボ七面
鳥よりも重いから、10キロ近くはあるだろうな。これを担いで雨の中をよろよろと行くのか・・・と、
何となくため息をついていたら、カレシが車が外に置きっぱなしだから送ってあげるといってくれ
た。学校と言っても、我が家からカレッジA棟の南側にある教室まではせいぜい300メートルと
いう近さなんだけど、トートバッグをよっこらしょと肩にかけると、うう、重いなあ。

生徒はワタシを含めて6人。男性2人、女性4人。アジア人が3人で、白人が3人。教室の後ろに
あるイーゼルをそれぞれに持って来て、アトキンソン先生のテーブルを囲むように配置したテー
ブルに道具を並べて、筆洗に水を入れて、準備完了。各自の自己紹介から始まる。ワタシのと
なりはイギリス訛りのあるウェンディ。職業は映画撮影のマイクの操作監督。バンクーバーはハ
リウッドの映画やテレビ番組の撮影が多いから、そういう珍しい仕事もあるんだな。フリーランス
の自営ということで意気投合。ひと回りしたところで、半分が初めてということでまずは道具の簡
単な説明。その後で、とりあえず描き始めようということになって、先生が貝殻を3個ずつ配って
回る。深く考えずに見えるがままを描きなさい。(考えずにと言われても・・・。)所要時間は5分。
ええっ、5分?!

それ~っと5分で描き上げたのが、これ↓

     

題して「3つの貝殻」。縦にしても横にしても貝殻には見えっこないなあ。みんなのはスタイルこ
そ違ってもちゃんと貝殻に見えるのに、ワタシのはカラフルな渦巻き。でも、先生の評は「貝殻の
特徴を良く捉えている」。あはは、ワタシは渦巻きを描くのが好きなの。というよりは、実は具象
画が大の苦手。だから、デッサンもかなり苦手。たまにはやるけど、目に見える通りには描けな
いから、中学の美術の時間にやらされた胸像のデッサンなんか似ても似つかない人物の顔に
なっていた。(これでも小学校時代は子供絵画展みたいなのに何度か入選したんだけどなあ。)
色彩だって、寒色、暖色の見分けが何となくつく程度で、補色、反対色といったことはまだよく理
解できていないから、適当に絵の具を混ぜてみて、気に入った色を使っているようなところがあ
る。このあたりは極楽とんぼ亭のシェフの流儀に似ているな(あたりまえだけど)。だから、もう少
し基本的な知識やテクニックを学ぼうということなんだけど、さて・・・。

カレシが「モデルになってあげてもいいよ」と言うけど、やめておいた方が良さそうな。ピカソの絵
のようになってしまうかもしれないよ。ひょっとしたら、昔のロバート・レッドフォードの写真を見な
がら描いたら、あんがいカレシの肖像のように見えるかもしれないな(まさか)。ま、ワタシのスタ
イルはあくまでも門前の小僧が覚えたお経をラップで唱えてみるようなもので、絵の具だらけに
なるのが気分がスカッとしてすごく楽しい。そこそこに才能があればまともな作品ができるだろう
けど、他人にああだこうだと批評されることが多くなる。だけど、へた過ぎればみんな唖然として
何も言わない(言えない?)から、せっかくの自己満足に水を差されることがない。つまり、へた
はへたなりの流儀でやればいいのが、「へたの横好き派」に属する極楽とんぼ流画道の楽しさ
なんであって、だからやめられないんだなあ、もう。

道具の価値は使いようで決まる?

2011年09月24日 | 今日の風の吹きまわし
土曜日。明るいな、けっこう。先に起きていたカレシが「うへ、蒸し暑いぞ~」と。そうか、インディ
アンサマーというやつね。とっくに夏の乾燥期は過ぎているから、気温が上がるとそんなに暑く
なくても体感温度は5、6度高くなる。今日みたいに昼過ぎに20度まで行っていると、ほんとに
蒸し暑い。

朝食の後、おととい買って来たスロークッカーに鴨の足のコンフィをセットして、画材屋のOpus
にでかける。ここで買い揃えて学生番号を提示すると10%割引になる。昔いつも行っていたの
はグランヴィルアイランドの美術学校の向かいにある店だけど、今はダウンタウン外れの老舗
デパート跡地にも支店ができているらしい。どっちも地下鉄の駅から歩いて行ける範囲。乗って
からあれこれ考えて、グランヴィルアイランドの行き慣れた店に行くことに。オリンピックヴィレッ
ジ駅で降りて西へてくてく。初期の都市再開発でできたコンドミニアムやタウンハウスとフォルス
クリークの間にスタンレー公園から延々と続く遊歩道/サイクリングロードがあって、油の匂い
が混じった海風に吹かれながら歩くのは気持がいい。港町育ちにはなつかしい「香り」・・・。

うろ覚えにどこかの掲示板に地下鉄駅から徒歩30分で行けると言う投稿があったので、地下
鉄の駅まで15分、駅から駅まで10分弱、そこから徒歩30分はまあまあかと思っていたら、投
稿者の足が遅すぎるのか、ワタシの足が速すぎるのかわからないけど、地下鉄を降りて20分
でアイランドのコミュニティセンターの裏に着いてしまった。いや、便利になったもんだオリンピッ
クの前だったら、バスで(そんな距離でもないのに)途中で乗り継いで1時間半はかかったから、
これなら天気のいい日にはカレシを誘い出して、運動がてらの買い物に来られそうだな。自動車
は個々の目的には便利だけど、便利すぎてしまうと逆に不便なことが多くなる。特に車が増えす
ぎた都会ではどんどん不便になるという皮肉な現象も起きる。

目指すOpusはコミュニティセンターからすぐのところ。いつもながらごちゃごちゃと乱雑な感じ
の店で、手持ちがなかった絵の具やら、(必要ないのに)新しい絵筆やら、2Bから8B の鉛筆の
セットやら、画用紙やら、あれやこれやを買い込んで、学生割引10%でしめて130ドル。書く方
の講座なら罫線を引いたパッドだけで済むけど、美術系はちゃんとした材料を買うと高いなよあ。
カレッジから送られて来たリストには「20本セット20ドルの絵筆は買わないこと」、「学童用の絵
の具は買わないこと」なんてこまごまと注意書きがある。まあ経験から言って、「弘法、筆を選ば
ず」という通り、道具の良し悪しを問わなくてもいいのは、どんな劣悪な道具でも使いこなせる技
量を持ったプロであることはたしかで、初心者こそ初心者向けよりもちょっと上のレベルの道具
で始めた方が無難なような気がするな。もっとも、初心者が「道具」そのものに凝ってしまっては
本末転倒もいいところだと思うけど。

トートバッグがずっしり重くなった帰り道はストレートに大通りまで出て駅まで一直線。くねくねと
曲がる遊歩道と違ってまっすぐだから時間を短縮できるかと思ったら、反対の南側にしか歩道
がない。結局のところ、駅までの所要時間は20分。時間的にほぼ同じだったら、対岸のダウン
タウンの風景を眺めながら、(時たまおバカなサイクリストにヒヤリとさせられるけど)海風に吹か
れて遊歩道を歩く方がずっと楽しめる。それに、車で来ると駐車スペースを探すのがけっこう大
変なので、めんどうくさがりのカレシは初めからアイランドの外の何ブロックも離れたところに駐
車して10分くらい歩くことが多い。帰りの地下鉄の中であれやこれやと「分析」して、グランヴィ
ルアイランドへは地下鉄と徒歩が最も効率的である、と結論・・・。

帰ってきたら鴨の足がちょうどいい頃合になっていて、後はつけ合せの野菜を洗って、切って蒸
すだけ。お出かけして、帰ってきたら夕食のメインができているなんて、こんないいことはないな。
衝動買いした名もないブランドのたった13ドル(約千円)のいかにも安っぽそうなスロークッカー
だけど、ふむ、かなり役に立ちそうな感じがする。つまりは、選んでも選ばなくても、しょせん道具
の価値は使いようで決まるってことなのか・・・。

秋の初日、原始平成のハイテクが生きていた

2011年09月23日 | 今日の風の吹きまわし
金曜日。3日ぶりに目覚ましをかけなかったら、正午過ぎまで寝てしまった。それでもまだ眠い
から困るなあ。やっぱり季節の変わり目というのは何となく生理的にもスイッチの切り替えに迷う
ときなんだろうか。今日23日は秋分の日で、公式の「秋初日」。ゆうべテレビの天気予報で「明
日から秋の初日が始まります」と言っているのを聞いて、カレシが「で、いつ終わるの?」と突っ
込んで、「んったく、近頃の英語は乱れとる」とご隠居グチ。たしかに、「明日は秋の初日です」と
いう方が正しいんだけど・・・。

今年の初めからずっとカナダドル高が続いていたのが、きのうあたりから一転してカナダドル安。
アメリカドルで収入を得ているために実質的な賃金カットになっていたワタシとしては願ってもな
い状況で、さっそくアメリカドル建ての口座からまとまった資金を移動。もう少し下がったらさらに
残りの半分くらいはカナダドルに振り替えようともくろみ中。別にFX投資をやっているわけじゃ
ないから、アメリカドルでもらってそのままアメリカドルで使う分には為替相場なんかどうでもい
いんだけど、カナダで生活しているからカナダドルに変換しなければならない。そこで、カナダド
ル高になると、たとえば1000ドルの報酬が950ドルにしかならず、逆にカナダドル安になると、
同じ1000ドルが1050ドルになる。(その分申告する所得の額が増えて、税金も増えることに
なるけど・・・。)

あさってから始まる近くのカレッジの「アクリル画手法ワークショップ」で必要な画材のリストが先
週の初めにメールで来ていたのをすっかり忘れていて、あわてて印刷。こまごまと2ページもあ
る。まず最初は絵の具。指定の色は7つ。同じ「色」でも暖色系と寒色系があるし、同じ温度でも
顔料の成分によって色合いがが違う。さっそく絵の具箱を開けて点検したら、厳密に足りないの
は2色だけど、指定のLightの代わりにMiddleがあるから、とりあえずそれで間に合わせられ
るかも。後は絵筆もナイフも揃っているし、まっさらのカンバスもある。「コ」の字のオフィスの反
対側で何年も資料やカタログの山に占領されてきたワタシの小さな「スタジオ」、久しぶりに芸術
の秋の花が咲くかな。へたの横好き流の「お絵かき」にはスタイルも何もあったもんじゃないから、
さて、どんなインスピレーションがわいて、どんな絵ができあがるか・・・。

カレシが裏庭のコンクリートの塊や土を前庭に移動している間に、ワタシは仕事を始める。まと
めてフォルダに入れてどんと来たファイルのうちで一番大きいやつ。文字数を原稿用紙に換算
したらざっと45枚になるから、4日はかかりそうなんだけど、動植物の名前が続々と出てくる。
辞典はたくさんあるし、ググれば見つかるだろうけど、なんだかめんどう・・・と思案していて、90
年代の半ばに日本で買って来た電子辞書で『科学技術用語大辞典』というのを使っていたのを
思い出した。検索は漢字変換なしの原始的なものだけど、動植物や魚類、鉱物の名前がけっこ
う入っていた。問題は肝心のキカイが動くかどうか。何しろ15年も前のハイテクは今や博物館
の陳列物にしかならない。それでも、キカイに真新しい電池を入れて、探し出した辞典のディス
ク(MDというサイズ)を入れて、うんともすんとも言わないのをリセットしたりなんだりとあちこち
をいじっていたら、おおっ、動いた。ガタガタ、ジイジイといかにも古ぼけた音がするけど、まだ使
えるではないか。

それにしても、15年前はこのキカイを使って、「世の中、便利になったもんだなあ」とシアワセな
気分で仕事をしていたんだなあ。オンライン辞書もグーグルもない時代だったから、何でも屋翻
訳業のワタシは、日本へ行くたびに紙の辞書と一緒にCD-ROMの辞書を買い漁っていた。あ
の頃は円が高かったから、すごい「設備投資」になったけど、今になってこのキカイ(ソニーの
Data Discmanというやつ)を見ていると、これだって平成の産物だというのにほんっとに原始的
で、なんだか感動すらわいて来るような・・・。

出たり入ったりの忙しい日だったけど

2011年09月22日 | 今日の風の吹きまわし
木曜日。午前11時30分に目覚まし。早起きの予定が入るたびにいちいち時刻をセットするの
がめんどうで、ベッド脇においてある時計はカレシの英語教室がある毎週火曜日に合わせて
「午前11時30分」にジジジジ。旅行用の小さい時計はその日の予定に合わせてピーコ、ピーコ。
だけど、独身時代から数えて何十年もの勤め人生活では目覚まし時計で起きるのが普通だっ
たはずなのに、いったん目が覚めた時に起きる生活が身についてしまったら、目覚ましで起こさ
れるのがおっくうでしょうがない。ま、人は易きに流れるもんだから・・・。

今日は、カレシが午後1時にヘアカットの予約で、ワタシが午後5時20分に歯医者の予約。午
後は仕事になりそうにないから、カレシにくっついてモールへ。途中で別れて、ワタシはベイが新
しいクレジットカードと一緒に送ってきた割引クーポンで買いたいものが頭にないままの「浮遊」
ショッピング。めったにいかない二階売り場に上がったら、どうやら婦人靴のセール。ちょこっと
見てみるけど、元よりワタシの足に合うサイズはない。それにしてもまあ、最近のヒールの高い
こと!となりが「おちびサイズ」の売り場なので、何となく見ているうちに目を留めたのがポンチョ
風デザインのおしゃれな黒いTシャツ。Vの字にカットが入った首まわりと袖から裾までの縁取り
が真っ赤な刺繍で、胸の辺りには点々と光もの。79ドルは高いと思ったけど、ここで25%オフ
のクーポンを使用。となりの(ベイの)ディスカウントショップの家庭用品の棚を見ていたら、2人
分を料理するのにぴったりのサイズのスロークッカー。ま、13ドルに15%オフのクーポンを出し
てもあまり得していないような気もするけど、鴨のコンフィを作るのに便利そうだから・・・。

カレシと青果屋で落ち合って野菜を買い足し。カレシはヘアドレッサーのアントニオから前からの
約束だったイチジクの苗をもらってご機嫌。庭に植えてから3年くらいすると甘いイチジクの実が
なるんだとか。スーパーでも青果屋でもイチジクは季節限定で地元では栽培されていないし、日
持ちが悪いらしくていつも目玉が飛び出るほど高い。そのまま食べてよし、ジャムにしてよし、肉
や魚のソースにしてもよし。桃栗3年というけど、早く実をつけるようになるのが待ち遠しいなあ。

歯医者の予約がなぜか午後5時20分という変則的な時間。実は右下の臼歯のオーバーレイに
傷でもできたのか、この2、3週間ほど舌の横が荒れてひりひりしていたので、念のために見て
もらうことになっていた。見るだけだから時間はかからないだろうということで、カレシがタクシー
サービスをしてくれることになって、ラッシュの中をウー先生のところへひとっ走り。中国系の若
いウー先生、まずオーバーレイを調べて「歯は問題なし。舌を出して」。ワタシの舌はけっこう短
めだから、そんなにべろっと出てこない。ガーゼに包んで引っ張り出して、右にひねり、左にひね
り。「う~ん、赤くなっているところがあるし、ちょっと白っぽいかな」ということで、口腔病理学の
専門医に見てもらうことになった。「念のためにね」って、舌ガンの兆候がないか診てもらうってこ
とでしょと言ったら、「心配なさそうだけど、念のためにね」と。ところが、紹介状をもらって帰って
来たら、ひりひり感がほとんど気にならなくなって、このまま治ってしまいそうな感じ。ゲンキンだ
なあ、ワタシ。ま、診てもらって得はしても損はないから、予約は取っておこう。

ヘンな時間にヘンなお出かけをしたから、夕食はいつもより1時間以上の遅れ。そこでささっとで
きてしまう非常食ということで刺身。マグロはビンナガ、サケにハマチ。大根を桂剝きにして、残
った芯は真ん中を刳り出して、昆布出汁でさっと茹でて冷ましたのにイクラを載せてカイワレで
飾ってメインコースはできあがり。松茸であっさりした澄まし汁。ほんのちょっぴり柚子の汁を落
としたら、これがすごくおいしい。ご飯はほのかに青竹の香りがする緑色の竹香米。

     

帰り着くなり、カレシが「腹減ったあ。何でもいいから早く~」と騒いでいたのが、30分ちょっとで
非常食が一転してごちそう風になった。冷蔵庫に残っていたオレゴン州の濁り酒を出してきて、
ご満足のカレシは「Good(うまい)」の連発。(日本のテレビのうまいもの番組にタレントとして売
り込んであげようか・・・。)さて、今夜のランチは太短いとうもろこしにしようね。雨が降る季節に
なって、今年はもうこれで新鮮な地物はおしまいかな。


他人の秘密はばらしたくなるもので・・・

2011年09月21日 | 今日の風の吹きまわし
水曜日。目覚ましがピーコ、ピーコ。午前9時。目は覚めたけど、ぐずぐずしていたら、ピピピピ。
(こっちの目覚ましは小さいくせにうるさいなあ・・・。)あ、今日はマイクが池を壊しに来る日だっ
たんだ。建設業の1日はだいたい午前7時に始まる。家の改装工事だと、途中で材木屋などに
寄ってその日の作業に必要な資材を仕入れたりすると、現場到着は8時ごろということになる。
ワタシたちにとっては丑三つ時ということで、マイクとしては大いに譲歩して「午前9時以降」。そ
れで、今日は午前9時に起床ということになった。(実際にマイクが現れたのは11時に近かった
けど・・・。)

狭い庭に重機を持ち込むのに、2メートル以上ある生垣のシーダーを何本も掘り起こしたり、内
側の塀の一部を壊したりするのは大きな手間がかかるし、市の歩道を傷めるリスクもあるという
ことで、マイクは人力でやるのが一番効率的で安上がりと判断したとのこと。重機をトラックから
下ろして車道から歩道に上げるときにコンクリートの縁石が欠けたり、舗装にひびが入ったりす
ると、市の土木部から修理費の請求が来る。これはワタシたちも家の新築工事のときに歩道の
コンクリートが割れて、今の価値にしたら10万円を超えるくらいの修理代を取られたことがある。
(自然にひび割れた歩道はなかなか修理しないのに、こういうときは迅速すぎるくらい迅速なの
がお役所・・・。)

今日は人工の岩壁を一ヵ所だけカレシの希望で装飾的に残すことになっていて、その周りを崩
す作業。元々鉄筋で全体のフレームを作って、金網を被せた上にコンクリート流してから、左官
用のこててかなり自然な「岩場の滝」を成形してあるから、中は大部分が空洞。ちょっと肥満気
味のマイクが「いい運動だよ」と言いながら大ハンマーをふるって、ガンガンと壊して行く。元々
大工としてこの道に入って、(我が家の新築から付き合いの)ケンが会社を売って引退したのを
機に独立したので、自宅のオフィスに座っていると体がうずうずして来るんだそうな。小型でも重
機のレンタルは高いから、使わずに済めば客にはコストの節約になっていいし、裏庭へのアクセ
スはゲートハウスの裏庭側の板壁を剥がすだけで済むし、夜の間は合板を打ち付けて塞いで
おけば、早朝から作業に来ても剥がせばいいだけなので、ワタシたちも早起きをしないで済む。
もっとも来週は削岩機を持って来るそうだから、果たして寝ていられるかなあ・・・。

早く起きすぎたので、なんだか仕事のテンポがつかめないから、しばらくはさぼりモード。新聞サ
イトを見ていたら、九州のどこかの町の役場の管理職が自分のブログに職場の女性の容姿に
ついて実名で悪口を書いたり、役場の発令前の人事異動を公表したり、はては職務上のメール
まで公開したりして懲戒処分になったという記事があった。思わず先日エアフォース・ワンのフラ
イトプランなどを公表しいていた羽田の航空管制官のことが頭に浮かんだ。羽田の管制官も自
分のポジションでなければ手に入らない特殊な情報を航空マニア仲間に見せびらかしたかった
んだろうと思う。役場のオジさんの場合は「読む人が喜ぶ内容にした」そうなんだけど、人の容
姿の悪口は喜ばれるという認識だったのかな。あんがいどっちもアクセスやランキングがブログ
の目的になってしまっているのかもしれない。

役場のオジさんは46歳、航空管制官は50代だった。男の人生で大人の責任感を最も重く感じ
るはずの年代のオジさんたち、何だってこうもたがが緩いんだろう。おまけに自分の立場さえ目
に入らないらしい極度の視野狭窄症と来ている。そういう人が、ちょっと注目される(と思ってい
る)職業だったり、部外者には知りえない情報に触れる職場にいたりすると、つい「ど~や、すご
いだろ」と言ってみたくなることはあるだろうな。(勝手に管制室のツアーを企画した人たちも同じ
心理だったんだろうと思う。)そこんところはワタシも部外者立入禁止の職場で「TOP SECRET
(極秘)」、「CONFIDENTIAL(部外秘)」とスタンプを押してある警察情報を扱う仕事をしたこと
があるからわかるんだけど、上から守れと命じられる「ヒミツ」には、なんともくすぐったくて、体中
がかゆくなるところがあるから厄介。何となく「レアもの」を持っているという気分になって、意識し
ていなくても「コレクター心理」が働いて、人に見せて羨ましがられたい誘惑に駆られやすい。

もっとも、そういう悪気がないというか、あっけらかんと他人のプライバシー侵害をするブロガー
は年代や人種や国を問わずたくさんいると思う。ソーシャルメディアの隆盛で、深く考えずに情
報を垂れ流す風潮になって来たし、匿名掲示板などでは、自分と他人の境界がわかっていない
人が増えているな感じもする。まあ、ひと口にブログと言ってもテーマや目的は千差万別だけど、
日本語のブログに断然多いといわれる個人の「日記」ブログでは、自分のことを書いているつも
りでも、孤島で暮らしているのでもなければ、家族、友人、知己、知らない人といった人たちも記
事に登場することになる。距離感の違いに関わらず、軽い気持で悪口や愚痴を書こうものなら、
「中傷だ」、「プライバシー侵害だ」と非難されて、ブログは炎上、友情は断絶、悪くすれば名誉毀
損で訴えられかねない。特に狭小な海外の日本人村では、ちょっとした描写で「あの人だ」とわ
かる可能性は高いと思う。

他人に関する情報がネガティブであれば、なおさら大胆になる傾向があるのは、スキャンダルを
すっぱ抜く特ダネ記者の心理なのかな。まあ、匿名だから何を書いても「自分」だとはわかるま
いという安心感のようなものがあるのかもしれない。人をほめない文化というのもあるかもしれ
ない。書かれる方が(書き手にとって)非常識で不快なんだから、批判されるのは自業自得だと
いう意識もどこかにないとは言えないだろうな。そういうところには、「注目される」ことしか眼中
にない役場のオジさんよりも怖い悪意が潜んでいるように思う。でも、ブログは閲覧を制限して
いない限りは不特定多数の目に触れるわけで、悪口を書かれた人が「自分のことだ」と気づい
て、逆襲してくる危険もあると思うんだけどな。ま、人の口に戸は立てられないというから、自分
の口の戸締りを心がけよう・・・。


察しの文化ともの言う文化のすれ違い

2011年09月20日 | 今日の風の吹きまわし
火曜日。午前11時30分、目覚ましがジジジジ!今日はカレシが英語教室ダブルヘッダーの忙
しい火曜日。20度まで届きそうないい天気。だけど、眠いよ・・・。

朝食を済ませて、カレシは第1ラウンドへ。すでに英語がかなりのレベルに達している人たちな
ので、新聞や雑誌の記事をテーマに活発なディスカッションが進むらしい。英語が国語の国に移
住すれば、英語での会話能力を向上させないことには日常生活に困るし、就職にも差し支える。
だから英語教室に通うわけだけど、初級レベルの生徒は終始うつむいて自分から話そうとせず、
当てられても口を開かないことが多いとか。アジアの学校では先生が絶大な権威を持っていて、
生徒は授業を静聴するものという観念を刷り込まれているらしいけど、たぶんにアジア的な心理
も働いているんだろう。それが、一度勇気を出して英語を口にしてうまく行ったら最後、ほとんど
が積極的に「会話」に参加するようになり、「ネイティブ並み」の完ぺきな英語にはほど遠くても自
信を持って外へ出て行くという。素人先生のカレシの英語そのものを教えるよりもその「勇気」の
敷居をまたがせようという教え方はそれなりの成果を上げているということだろうな。なんたって
英語で生活できるようになるためには英語を「しゃべらにゃ損々」なんだから。

もっとも、英語は目的ではなくてコミュニケーションの手段だから、しゃべるためには相手が必要。
独り言でも、テニスなら壁にボールを打ちつけたり、ゴルフなら打ちっ放しで自分のフォームを研
究するようなもので、練習にはなるだろうけど、会話にはならない。小町でもよく「英語を話せる
ようになる方法」についての質問トピックが上がる。TOEICのスコアが高いのに会話ができない、
どうしたらいいかという質問のよく見かける。だけど、文法も、発音も、語彙もTOEICもゴルフや
テニスのフォームのようなものじゃないのかな。練習すればするほど「英語を話せる」ようになる
かもしれないけど、それは必ずしも「英語で話ができる」ということではないように思う。これは英
語に限らずとも、すべての外国語学習に共通することで、しゃべることはひとりでもできるけど、
おしゃべりは相手がいないとできない。で、おしゃべりがテニスのラリーのように続くにはよく弾
むボール(話題)が必要で、さらにボールから目を離さない(その話題に関心や知識を持つ)よう
にしないとネットを越えて打ち返せない。(これは母語が同じでも普通にあることだけど。)

だけど、「言わなくてもわかるはず」式の相手に察してもらうことを期待するコミュニケーションが
基本の人たちは、相手にボールを送る「言わなければわからない」式のコミュニケーションを学
ぶところから始めなければ、いくらTOEICが満点でも「英語で会話をしたい」という願いはなかな
か叶えられないかも。早い話、「しゃべらにゃ損々」の前にまずは「しゃべらにゃならぬ」ということ
になるわけで、それは自分の能動的エネルギーを消費しなければならないということに他ならな
い。だから、ある程度の年月を海外で生活していて、英語(あるいは現地語)が上達しないと愚
痴っている人はあんがいこの「言わなければわかってもらえない」コミュニケーションが苦手なの
かもしれないと思う。でも、そういう人は「(日本語と違って)英語では自分の気持をうまく伝えら
れない」と、いかにも英語が粗雑な言語のように言うことが多いけど、あんがい本音は相手が
「自分の気持を察してくれない」ということなんじゃないのかな。つまり、期待のすれ違い・・・。

ああ、言葉、されど言葉。同じ言語で育った同士が口も手も目も駆使してさえ、勘違いやら思い
違いやら行き違いやらで悲喜こもごもの毎日なわけで、人間同士が気持をわかり合うのはほん
とに難しい。それでも、やっぱりわかり合いたいのが人間の人間らしいところ。だから、ワタシも
人さまの「気持」のすれ違いに悶々としながらも翻訳稼業をやめられないのかなあ・・・。


バカがつく丁寧は丁寧じゃないし賢くもない

2011年09月19日 | 今日の風の吹きまわし
月曜日。まだちょっと眠いけど、きのうよりはややしゃっきり感が高まった感じ。正午前に起きた
ら、外が明るい。どんより空模様はひと休みというところか。もうすぐ秋分の日(公式に「今日か
ら秋」という日)で、その先はどんどん日暮れが早くなる。クリスマスが来る頃には「昼」の長さが
(実際には8時間くらいだけど)ワタシたちの「生活標準時」ではわずか4時間くらいになって、今
起きたと思ったらもう外は真っ暗なんてことになる。北極圏の常夜の冬もあんがい気にならない
かもしれないな。

テレビをつけたら、エアカナダの客室乗務員組合があさってからストに入りそうというニュース。
まあ、ワタシたちのフライトは1ヵ月先だし、連邦議会が召集されたばかりの政府は経済活動の
足かせになるとして「スト中止命令」を出す気満々らしいから、やるんだったらすぐにでも始めて
くれれば早く終わりそうでいいな。今年から来年にかけては労働協約が期限切れになるところ
が多いそうで、ストが多発しそう。2008年のサブプライム問題で始まった不況のときに妥結し
たところが多いから、組合(特に公務員系)はあのときに我慢させられた分も合わせて賃上げを
獲得するぞと鼻息が荒いけど、使用者側も賃上げができるような経済状態じゃないと強気。

州の公務員組合のうち、「基幹業務」に指定されていて職場放棄が禁じられている教員組合が
一種の順法ストをやっている。左派政権の時代には毎年大幅に増額された教育予算のほとん
どを自分たちの給料に分捕って高給取りになった先生たち、今回も要求の内容を見たら「過剰」、
「唖然」、「失笑」。一番すごいのは「友人の死亡時に忌引休暇2週間」というはちゃめちゃな要求。
1年を10ヵ月で暮らす教師たちの友人が死ぬたびに2週間も休暇をやっていたら、いったい学
校の授業はいつやるのかいな、もう。何でもいいから「へたな鉄砲」式にとにかく要求してみよう
という戦術もありだろうけど、学校教師という職業柄、もうちっとは分別ってものを働かせても良
さそうなもんだ。賢くない教師に教えられると子供たちまで賢くなくなってしまいそうで、国の将来
にとっては困ったことじゃないのかなあ。

まあ、ボストン行きはひと月先の話だからということで、朝食が済んだらまずは同時進行で午後
5時が期限の仕事2つの仕上げにかかる。ひとつは比較的簡単で楽なんだけど、もうひとつは
企業PRで、頭がくらくらするくらいもったいぶった「キーワード」が出てくる。もっとも、元の英語の
buzzwordをそっくりカタカナ化した言葉ばかりだし、PRだから言わんとすることはわかる。わか
るんだけど、何だか「最先端業界語」ってれっきとした日本語の一方言なのかもしれないという
気がして来る。これを書いた人たちは標準語を知らないのかもしれない。(自分の日本語を棚に
上げて)いったい国語教育はどうなってるんだと思うけど、まあ、教育が賢くないと育つ人材も賢
くないということか。不特定多数のビジネスへの宣伝にばかていねい語を使いたがるのはご愛
嬌と言えなくもないけど、ビジネスの一般的な呼称に「様」をつけるのは滑稽な感じがする。まっ、
訳してしまえば普通の英語の無味乾燥なPR文書・・・。

そういう文書を仕事の視点から離れて読んでみると、上目遣いでもみ手をしながら背中を丸め
てしきりにぺこぺこしているイメージが浮かんで来て、何となく背中がかゆくなってくる。どこの言
語でも、新しい言葉や用法はそのときどきの世相を反映していることが多いけど、そういう言葉
があたりまえに使われる日常の中にいるときは、あんがいそういう世相を肌で感じることはない
けど、その日常生活圏の外で字面だけを見ているときに「ん?」という違和感を覚えるのかもし
れないな。川柳を一句思いついた。「お売家様と今様に書く今どきの人」・・・字余り。

フェイスブックと運命の赤い糸

2011年09月18日 | 今日の風の吹きまわし
日曜日。寝つきが悪くて、外が明るくなってやっとぐっすり眠れたのに、正午前にカレシに起こさ
れた。ワタシは「まだ寝ていた~い」オーラをばんばん出して抗議?したけど、カレシは「腹減っ
た~」。まあ、今日は丸1日分の仕事があるからしょうがないか、とぐずぐずとベッドから抜け出
したら、「せっかくよく寝ていたのに起こしてごめんな」と、いかにも取ってつけたように殊勝?っ
ぽい顔のカレシ。あ~あ、眠いんだけど・・・。

今日の朝食には「ポメロ」のウェッジが出てきた。カレシが英語教室の生徒さんからプレゼントさ
れて来たもので、グレープフルーツのお化けのような大きさ。秋になるとアジア系のスーパーな
どで山積みされていることが多いのは、9月の中秋節と関連しているらしい。そういえば満月の
ようなイメージでもある。食べてみたら思ったよりあっさりと甘かったけど、皮が分厚くてほとんど
果汁がないのでポメロジュースは無理そう。このポメロ、中国では「文旦」、日本では「ザボン」と
言うんだそうな。子供の頃に読んだ本に「ザボン」という言葉が出て来て、どうやら柑橘類らしい
ことは薄々理解できたものの、その変わった語感からどんな不思議な果物なのかと想像をたく
ましくしたけど、そっかぁ、なるほど、これがその「ザボン」か・・・。

Facebookで友だちが増えた。Friendはこれで16人。ほとんどが(拡大)家族のメンバーで、た
まにチェックする程度だけど、友だちや家族の近況がさっとわかっていい。Friendの中で一番
活発なのは劇作のガチャリアン先生と映画脚本口座のクラスメートだったダニカ。先生はフィリ
ピン系の若手劇作家でゲイの活動家、ダニカはその後カレッジで教えながら作家デビューした
才媛だから、どっちも交友関係は広いなんてもんじゃない。今までの「Friends」の他に「Close
Friends」と「Family」にもカテゴリ分けができるようになったおかげで、友だちと家族の方にズー
ムインしやすくなったから、チャットの使い方も勉強したら、ときどきリアルタイムで交流ができて
いいだろうなそうだな。10人いる「家族」の中で書き込みが一番活発なのはサンドラかな。

サンドラは甥のビルの4つ年上の姉さん女房。生まれはロンドン。「コクニー」と呼ばれるこてこ
ての下町っ子で、16歳で学校を出てから美容師ひと筋。何度か会ったお父さんは船乗りだった
そうで、コクニー訛り丸出しの実に愉快な人だった。日本の港に寄港したときの冒険談を話して
くれたけど、テレビでイギリスの下町コメディをよく見ていたので、うまく聞き取れて話が弾んだ。
(ちなみに、サンドラのお兄さんはプロサッカーのチェルシーの元選手で、カナダで女子サッカー
の監督をしたこともある。)サンドラが行っていた友だちのパーティに、ビルがマリファナがあると
聞いて招かれていないのに押しかけたのが2人の出会いで、最初は互いにそっぽを向いたらし
いけど、いつの間にか相思相愛になってもう20年を超えた。ビルはしっかり者のサンドラに頭が
上がらない、完ぺきなるかかあ天下。そのサンドラがすてきな言葉を書き込んでいた。

人生の苦難の数々を生き延びてきたすべての強き女性たちに!私が強いのはかって弱かっ
たことがあるからこそ。私が人に同情できるのは苦しみを味わったからこそ。私が今生きている
のは(生きるために)戦う人だからこそ。私が分別を持っているのはかって愚かなことをしたから
こそ。私が笑えるのは悲しみを知っているからこそ。私が愛せるのは失うことがどういうことかを
知っているからこそ。嵐をくぐり抜けて来て、それでもまだ雨の中で踊るのが大好きなあなたは
逞しい!


そういえば、学習障害児で十代の頃はちょっとぐれたこともあったビルがまじめな良き夫、良き
父親になり、40代に入って渋いイイ男になる片鱗さえ見せるようになったのは、サンドラという
良き伴侶に出会えたからに他ならない。大西洋を越えて、カナダとイギリスで太い「運命の赤い
糸」が張り渡されていたということか。この決して切れるはずのない赤い糸、恋愛観、結婚観の
変化を反映しているのか、太そうに見えて意外に切れやすかったり(百均ショップの安い糸だっ
たりして)、今にも切れそうに細く見えて実は何があっても決して切れない強いものだったりする。
まさに、男と女の「縁」というのは摩訶不思議としか言いようがないな。

ブサカワとはみったくなしめんこと見つけたり

2011年09月17日 | 今日の風の吹きまわし
土曜日。雨模様なのか、曇り空なのか、どっちでも寝ぼけ眼にはどんより。ちゃんと寝ているの
に眠い。季節の変わり目は体調を崩しやすいというけど、なんか今ひとつすっきりしないのは急
に気候が変わったからなのかなあ。でも、別に体調が良くないというわけはなくて、寝足りなくて、
やたらとおなかが空くというだけの話。ストレス食いしているような感じもするけど、自分の一部
が自分のものではないような、心の中にざわざわと風が吹いてさざ波が立っているような気分。
何なんだろうなあ、いったい・・・。

ひょっとしたら9月だからかな。正確には9月11日が巡って来る月だからなのか。自分自身に直
接の被害があったわけではないのに、いつも1日中つかみどころがなくて、だからやり場もない
怒りと悲しみでめちゃくちゃに涙もろくなってしまう。ある意味で、「アメリカがなんたらかんたらだ
から」と言い切れる人が羨ましくなる。まあ、年齢的に涙もろくなるのは必然なのかもしれないけ
ど、悲しみの涙は静かに流れるからまだいいとして、怒りの涙は、ほんと、すごいストレスになる。
感情によって涙の化学成分が異なるそうだけど、だとすると怒りの涙には有毒成分が満ち溢れ
ているんだろうな。だったら、泣くことで毒を体の外へ流すのがいいということか。

あんがい、悲しみは時間の流れによって癒されることはあっても、やりどころのない正体不明の
怒りはいつまでも昇華せずに心の奥の奥に燃えさしのように居すわるということか。自分が「自
分」という人間を一番良く知っているつもりで、実は自分にとって一番わかりにくいものかもしれ
ないな。他人が考えていることや感じていることを察するより、自分が何を考え、何を感じている
かを把握する方が難しいと思うことが多い。だからこそ、何かにつけて「んっとにワタシって何を
考えてたんだか」という場面が出てくるんだろうな。やれやれ、人間てのはほんっとに厄介な動
物だなあ。ま、何がどうなんだかよくわからないけど、何となく調子っ外れなのはやっぱり季節の
変わり目のせいだということにしておこうっと。「もの思う秋」というし・・・。

きのう、「ダサい」はもうダサいのかなと考えていたら、小町に『ダサいに替わる表現は何です
か』という質問があって、「ダサい」はもう廃れ言葉だったんだとわかった。ワタシが日本にいた
頃にはなかった言葉だから、さっと流行ってさっと廃れたのかもしれない。じゃあ、何といったら
いいのか。『現代用語の基礎知識』も『Imidas』も買わなくなって久しいし、日常を日本語で暮ら
していないので最新の「日本語」を話す人との接触もないから、流行語の変遷にもすっかり疎く
なった感じ。最近は服装などで「イタイ」という表現をよく見るけど、「イケてない」ともいうのかな
と思っていたら、どうやら今どきの若者は「ない」と言うらしい。「ない」となったら、「イケてない」
から来たのか、「ありえない」から来たのかはわからないけど、ダサいとかイタイというのはそれ
でも「感想」を表現していたのに対して、「ない」は問答無用の全面否定。なんだか寒々とした感
じがするなあ。

それにしても、ワタシがかろうじて覚えている「大きいことはいいことだ」の高度経済成長時代の
流行語に比べると、バブルがはじけてこの方の流行語は人やものについて否定的なものが多く
て、ポジティブな語感のものが出て来なくなったような印象を受けるんだけど、実際にはどうなん
だろうな。(まあ、道産子のワタシの日本語はカナダに来てから覚えた「標準日本語」だから、元
から微妙なズレがあるのかもしれないけど。)同時に感情表現が過激化し、生理感覚が過敏化
しつつあるような印象も受けるけど、ま、そのあたりは外の遠く離れたところから部外者的な目
で見ているからそう見えるだけなのかもしれないな。日常語の英語でさえ流行り廃りについて行
くのがめんどうなのに、めったに翻訳原稿に出てこない今どき日本語の流行り廃りにまで気を配
るのは季節に関係なくすごく疲れそう。

そうそう、ずっと「ブサカワ」という言葉の意味がわからなかったんだけど、その形容詞の典型例
らしい犬の画像を見て、やっとわかった!「みったくなしめんこ」の平成標準語版だったのか。な
あんだ、そう言ってくれたらどんな感じかがすぐにわかったのに。まあ、ところ変われば言葉変
わる、時代変われば言葉変わるってところかな。変わるのは言葉だけではなくて、それを使う人
間も時代やところと共に変わる。じゃあ、ところも時代も変わったワタシは何語人・・・?

ダサいファッション世界ワースト10

2011年09月16日 | 今日の風の吹きまわし
金曜日。曇り空。眠い。涼しい。そろそろもう少し厚いブランケットに取り替えなくちゃ・・・と、つら
つら考えながら正午に起床。ポーチの温度計は13度。なんだか眠くてやる気が出ない・・・。

それでも、朝食を済ませてオフィスに下りてきて、奥の小部屋に行ったら、ああ、ウォータークー
ラーがまた水漏れ。水のボトルに欠陥があったのかなあ。クーラーの上に約19リットルのボトル
を逆さまにセットして下の方にある栓から水を出すと、その分だけ中の冷蔵タンクに水が補充さ
れて、ボトルには空気が送り込まれるしくみ。タンク内の水の量は気密状態での圧力の釣り合
いで溢れないようになっているんだけど、ボトルに小さなひびが入っていると、そこから空気が
入って気密性が破れ、ボトルの水がどんどんタンクの中に流れ出て、タンクから溢れた水がクー
ラーの下から床に流れ出して来る。ボトルは何度も再利用されるから、2、30本に1本は事故が
起きる。気がつけば使わずに取り替えてもらえば良いけど、知らずにクーラーにセットしてしまっ
たら洪水が起きてしまうからやっかい。

ま、何度かそういう事故があった経験から、クーラーの下にビニールシートを敷いてあったので、
床の被害はごく微少で済んだけど、それでも4センチくらいの深さに水がたまっていたから、いっ
たい何リットル溢れたのか。眠いな~なんていってる場合じゃない。電源プラグを抜いて、まだ
水が残っているボトルを外して、タンクの水をボウルに出し切って、軽くなったクーラーを床に敷
いたタオルの上に移して、まずは溢れ水の処理。そばにあったプラスチックのコップですくっては
バケツに空ける。すくえなくなったら、残った水をシートの四隅をまとめて持ち上げて園芸ルーム
の流しへバシャッ。シートが劣化していたので、去年のバスルームの改装で使った残りの内装
用の分厚い防湿シートのロールからはさみで適当な大きさを切り出して、四隅をステープラーで
止めて新しい水受けを作った。ついでに、酢を持って来てタンクの中を掃除して、部屋の隅にお
いてあったテーブルの天板を置き台にして、水受けを置いて、クーラーを設置。新しいボトルを
よっこらしょっと載せて、電源プラグを差し込んで、事故の後始末とメインテナンスの作業は完了。
あ~あ、くたびれた~。

おかげで眠気はすっかり吹っ飛んだけど、思わぬ「大仕事」でやる気の方がちょっとあやしい。
でも、日本は三連休だから、とりあえず日本時間の火曜日朝が期限のものは土曜日と日曜日で
やっつければ十分間に合うと(またまた)高を括って、洪水騒動で読み損ねたニュースを読んで
回る。どこかのメディアのファッショニスタがバンクーバーを「ダサいファッションのワースト10」
に上げたということで、ああだこうだ。バンクーバーっ子のファッションがダサいのは、スパンデッ
クスのヨガパンツをはいて街を闊歩しているからだとか、新聞サイトに載った写真はぴちぴちに
締まったヨガパンツのお尻の大写し。う~ん、小さくて全然ふくよかじゃないワタシのお尻と比べ
たら、ウェストから逆さハート型に形が整ったお尻はセクシーで女らしくて羨ましいんだけど、そ
れを見せるのはダサいの?ま、好き勝手にカジュアルで、他人のファッションにいちいちケチを
つけないのがバンクーバーっ子の気風で、それがウェストコースト文化のいいところ。

この「ワースト10」にはカナダの首都オタワが「保守的過ぎる」という理由で8位に入っているか
ら笑ってしまう。対照的なのがバンクーバーに次いで第4位だった「原宿」。世界のサイバーパン
ク・フュージョンのファッションのメッカである原宿が選ばれたのは、「みんなが人と違って見える
ようにがんばった結果みんな同じに見える」から。写真には水玉模様のピンクのふりふりドレス
を着て茶髪の頭にピンクのおリボンをつけた「カワイイ」ファッションの(20代後半っぽい)オンナ
ノコ。そういえば、日本国政府はアニメやカワイイ・ファッションを「クール・ジャパン」とか言って、
車やエレクトロニクスに次ぐ日本が誇る輸出品として世界に広める方針だとか。じゃあ、ランキン
グ大好きの日本でも「ダサいファッション」ランキング上位入賞は新聞に載らないだろうな。お披
露目をしたばかりのロゴマークはちょっとダサいと思うけど。

原宿の下、第5位に入ったボストンは「プリーツのカーキで、ソックスを履いてボートシューズ」と
いう悪趣味ぶりが認められたらしい。あはは、それってもろにLLビーンのカタログのイメージじゃ
ないの。第7位になったサンフランシスコ/シリコンバレーは、Facebook創始者のマーク・ザッ
カーバーグを引き合いに出してひと言、「スタイル(品格)の欠如」。そうか。彼はいつもTシャツ
にジーンズだもんな。改まった服装をさせたらまるで案山子みたいに見えてしまう。でも、そうい
うカジュアルなところが学生気分の抜けない若者が億の財を成せるシリコンバレーの文化なん
だと思うけど。ちなみに、ランキングのトップは「デニムの短パン、Tシャツにビーサン」のフロリダ
州オーランド、2位は「アロハシャツ」でハワイのマウイ島。まあ、どっちもバケーションで行く観光
地なんだから、気を許してダサいファッションでもいいんじゃないのかなあ。

まったくもって、ファッショニスタは「うるせ~な」。人さまの服装にいちいちチェックを入れてイケ
てないの何のと言っている方がよっぽどダサいと思うけど、あ、「ダサい」もそろそろダサい言葉
かな。ファッション(流行)の移り変わりは加速度的に速くなるから、目が回りそう・・・。