極楽とんぼは風まかせ

東は東、西は西。交わることなき二つとはいえ、
広い太平洋、東の風が吹き、西の風が吹き・・・

肥満は人間に逆襲する食い物の恨み?

2011年09月06日 | 今日の風の吹きまわし
火曜日。レイバーデイの三連休が明けると、いつも何となく改まった感じがする。(日本で言えば
4月1日のような感じかな。)孫世代最年少の姪孫アナベルも今日から一年生。といっても、こっ
ちにはランドセルというものがないから、何を持って行くのかな。ママのセーラはカレシひとつ違
いの弟ジムの娘で、ワタシがカナダに来た翌月に生まれた。父親の会社を継いで社長になり、
営業部長の婿さんと共に2児を育てながら、母と異父兄も勤める文字通りの家族会社で、36歳
の背に一家の生活を担って経営の舵取りをしているしっかり者。今はアメリカの不況とカナダド
ル高で大変だろうと思うけど。

今日からカレシも英語教室再開。別の教室に行っている台湾系のグループに新聞の読み方を
教えて欲しいと頼まれて、「ノー」というのが苦手なカレシ、「火曜日午後、生徒数最低6人、教室
の確保」を条件として出したら、期限ぎりぎりで条件を満たして来た。というわけで、毎週火曜日
は午後1時から3時まで「新聞」クラスのレッスン、家に帰って夕食をしてとんぼ返りで6時半から
8時半まで「初級」クラスのレッスン。ご隠居さんになってからボランティア先生を始めて丸10年
になるけど、がんばってるなあ、カレシ。えらいと思う。ワタシもまじめに仕事、やらなきゃ・・・。

午後2時で25度の「真夏」。カレシの教室が終わる時間に合わせて、モールへ。今日は短パン
にサンダルに野球帽。いくつになってもこんなかっこうでサングラスをかけて街を闊歩できるの
がこの国のいいところ。銀行へ行き、郵便局へ行き、スーパーへ行き、最後に青果屋に行って、
遅ればせで旬のとうもろこしを品定め。今日は2ドルで4本(今の為替で1本40円)。山の下の
方から太そうなのを引っ張り出して、先の方をちょっとだけ剝いて実のつき具合を見る。今日の
は丸々とした大きな粒がびっしり。あれやこれやとじっくり比べてぷっちりとしたのを6本。これで
今日の特急ディナーの手当が完了。ミニトマトやブルーベリーを買って、モールの外で帰り道の
カレシに拾ってもらって帰宅。さっそく22リットルの大なべにお湯を沸かし始める。

今週の『TIME』誌に「食べ物に関する迷信を解く」という大特集記事があって、日ごろから「あれ
はダメ」、「これは良くない」、「あれを減らせ」、「これを増やせ」という医学や医療関係の役所の
いわゆる研究発表に少なからず疑問を持っていた2人は、心臓外科医のドクター・オズがいろい
ろな食べ物について広く喧伝されたり、正しいと信じられて来た栄養や健康維持の効果が必ず
しも正解でないことを解き明かすのを頭をくっつけて読みながら、うんうん、そうそう。最終的に
は「バランスの取れた適量の食事とビタミン摂取と運動」が一番もっともなことなんだと思えてく
る。いくらダークチョコレートや赤ワインにポリフェノールが豊富に含まれているからといっても、
食べ過ぎればメタボになるし、飲み過ぎれば(オズ先生曰く)飲酒運転で裁判所に出頭する危険
が高まる。過ぎたるは及ばざるがごとし・・・。

同じものを食べてもメタボ症候群になる人とならない人がいることから、栄養と遺伝子の関連を
研究する新分野が開けて来たということは、人間は「食」に関しても人それぞれの個性があって、
極論的には、流行ダイエットなどは99.9%の人にとって百害あって一利なしということかもしれ
ないな。特集記事は、人類は食べ物の供給を完全にコントロールできるようになった唯一の生
物であり、今直面している最大の挑戦はその食べ物にコントロールされないようにすることだと
結ばれていた。

でも、自分が健康に生きて行くためにどういうものをどれだけ食べるかをコントロールするには
「自律」という名の努力がいることで、これがなかなか難しい。人間にとっては「自分」が一番思
い通りに動かないやっかいな存在だから、舌や味覚に限らず感覚的に自分にとって心地のよい
ものがあればついその支配に屈してしまうわけで、先進国で肥満が蔓延しているのはそれだけ
多くの人がすでに食べ物の支配に屈したということだと思う。食い物の恨みは何とかというけど、
ひょっとしたら食べ物の逆襲が始まっているとか・・・?