旅してマドモアゼル

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劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」

2012-06-18 | 観たものレビュー

2年ぶりかな、久しぶりの「いのうえ歌舞伎」。
去年の「髑髏城の七人」はあまりの人気にチケットが全然取れなかったんですよね・・・思い出すあの時の悔しさ。

演劇仲間のMさんと舞台を観るのも久しぶりで。
観劇前に青山のLe café Bertholleで軽めのサパー…のつもりが、オーダーしたクラブハウスサンドがかなりワイルドな量で、軽めでは終わらなかったです。
サンドの量があるので2人で1品でも大丈夫、なようなことをネットの書き込みで読んだような気がしていたのですが、大丈夫かなと1人1品で頼んじゃったんですよね。

デザートのブリュレ、食べたかったなあ。


さて本題。
ネタバレを含んでますので、これから見られる方はスルーしてね。


いのうえ歌舞伎にしては珍しく恋愛の要素が強いストーリー。

暗殺者の一族として生きてきたシレン。
かたくななシレンの心にくさびを打ち込みまっすぐに愛を注ぐラギ。
やがて女としての幸せを見出したシレンと、彼女との未来を夢見るラギの前に突きつけられる恐ろしい真実。

母と息子、という禁断の関係性は昔からよく芝居や小説にも使われるので目新しさはないが、描かれる世界観の異様さもあって、ストーリーに神話性を醸し出す。

2幕冒頭。
歯車が狂った後の藤原君演じるラギの姿に全身が総毛立った。
「アイはコロシアイ」
父親ゴダイを殺し、ロクダイとして南の統治者となったラギは、その恐ろしいスローガンを掲げ、信者たちに愛する者同士が殺し合うことを奨励し、死への恐れを知らぬ信者は隣国の北へと血を流しながら侵略を進める。
北と南、2国間を蹂躙するように1幕から複雑に絡み合っていた陰謀劇は、己の欲望を満たそうとする者たちの殺戮によって一人一人と表舞台から消えていく。
その中で再びめぐり合うシレンとラギ。
殺し合うことが愛し合うこと、愛し合おう、殺し合おうとシレンに呼びかけるラギに、シレンは大人の知性と母としての慕情と女としての愛でもって立ち向かう。
そしてそんな二人の前に、北からの毒粉の爆撃が降り注ぐ。
シレンやラギと違い、毒消しの耐性を持たない普通の人々が次々と死んでいく。
累々と重なる死体を目の前にして、二人が下した結論は悲壮でもあるが、先の見えない未来への一縷の希望の光でもある。
2人が人々を救うために流す血は、並んで進んでいく道を真っ赤に染めていく。

ラスト、ラギに問われて答えるシレンの言葉にすべてが凝縮されている。
「ラギ、一緒に行きましょう」
「母として?それとも女として?」
「人として」

人としてなすべきこと。それがすべての愛を超越する。
その短い言葉に震えがくるほどの感動を覚えた。



1幕2幕と、いのうえ歌舞伎の世界をたっぷり堪能。ものすごい充足感。
やっぱり新感線の舞台って特別です。
だからこそ、加藤シゲアキ先生に出てほしくて、ずーーーっと言ってるんだけど。
なかなか実現しないなあ。
でも最近は、横山さんでもいいなって思ってる(笑)
長刀とか持たせたら、めっちゃ似合いそうなんやもん。
アクションもシゲアキ先生より上手そうだし。
欲を言えば、二人共演とかなったら、そらもう過呼吸起こして死んじゃいますな。
うん。
もうどっちでもいいので、新感線のフライヤーに名前が出るのを首長くして待ってます。



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