旅してマドモアゼル

Heart of Yogaを人生のコンパスに
ときどき旅、いつでも変わらぬジャニーズ愛

今夜此処での一と殷盛り

2014-10-01 | 観たものレビュー


昨夜グローブ座で観て来ました。
『フレンド~今夜此処での一と殷盛り』

中原中也とその友人の話。

まだ公演が始まって間もないことと、また明日木曜に観に行くのと、昨日はコンタクトレンズを忘れて、主演のマッスーを始め、役者さんの表情が今ひとつ分かりにくかったので(笑)、感想とレポは木曜の公演を見てからにします。

出演者の表情は分かりにくかったですが、芝居のストーリーは秀逸でした。
世界中で紛争の絶えない今だからこそ、心に響いてくるものがあります。
モダニズム溢れるデカダンスな時代から、殺伐とした文化の欠片もない時代へと移り変わる日本の様が、登場人物の変貌に映し出され、そんな時代に揉まれながらも、自らの心に忠実であろうとする僅かな人々の健気な姿。
涙無しでは観られない場面も多くあります。
前半の明るさや陽気さ、不気味さと不吉な予感を醸し出す後半との落差。
そんな時代に生きた人々は、何も特別なわけではない。今を生きる私たちと何ら違いはないとこに、幕が下りた時にあらためて気づかされるのです。


感想とレポは後日といいながら、けっこう話しちゃいましたね(笑)

今日はこのあたりで。

木曜はもう少し前の方の席で、ちゃんとコンタクトつけて観てきます!

『中の人』千秋楽

2014-05-20 | 観たものレビュー

大阪まで千秋楽を観てきましたが、あらためて行ってよかった!と思いました。
東京では前半3公演しか観ていないので、それが比較になってしまうのですが、主演を務めたシゲアキさんが、自分が表現出来る全てを、舞台上で出し切ろうとしているのが強く伝わってきた千秋楽の芝居でした。
個性豊かで芝居巧者の共演者に恵まれたこともあると思います。彼らにもまれて、今までに見たことがないシゲアキさんの表情、動き、感情の吐露が、千秋楽公演には溢れていました。
舞台終わりのカーテンコールで、演出を手掛けた河原雅彦さんからも「今日の演技が一番だった」と言われていて、嬉しかったけど、それもどうかと思うの(笑)
でもまあ、今までも良かったけど、今日がその中で一番だったってことだよね。

日本にある架空の島が舞台ということや、主人公が自分の理想や憧れを擬人化したキャラ(普通の人には見えない)が存在したり、強烈な個性の登場人物ばかりだったりといった、どことなくファンタジー的な要素が特徴的な舞台でした。

でも、主人公のキャラクターやバックボーン、悩みや葛藤や挫折は、どこかシゲアキさん本人に似ているようで、でも似ていなくて、それでもどこかシゲアキさん自身の人生の一部を切り取ったかのような描き方がされているのが面白かったですね。
『青春こじらせ病』なんて、数年前のシゲアキさんが実際かかっていた病なんじゃないかしら?(笑)
当時かなりの重症だったと思うんだけど…

それにしても、ラストのソロダンスの場面も含めて、チャレンジングな舞台だったと思います。
マギーさんや河原さんの求めるレベルはかなり高かったはずですが、それを表現出来るだけの力をつけてきていたんだなと改めて思いました。

これからの、次のステージが楽しみです。

ああ、早く新感線に呼ばれないかしら。




ちなみに、泥団子の歌がなんでだか、いまだに脳内をリピってます(笑)


連休のスタート

2014-05-04 | 観たものレビュー

5月3日。
ゴールデンウィーク後半のスタートは、3回目の観劇になるコレから。

何度観ても面白い。でも回数を重ねたことで、芝居の中に流れているメッセージも拾いやすくなってきたし、シゲアキの動きや表情がこなれてきていて、余裕が感じられるようになってきた。
次に観るのは大阪の千秋楽。
期待を膨らませて待つことにします(^^♪

『中の人』観劇後は、国際フォーラムで開催のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンへ。

今回はシゲアキの舞台日程と被っていたので、行かないつもりでいたのですが、ある時LFJのFBでタタルスタン国立交響楽団の紹介記事を読んだら、たまらず行きたくなって、3日初日夕方のホールAのチケットがまだあったので、急いで取りました。

でも来て良かった!
今年はラ・フォル・ジュルネのフランス・ナント20周年、日本・東京10周年という記念の年だったんですよね。
それに、日本のベストシーズンとも言える新緑の季節に開催される音楽祭は、会場にいるだけでも気持ちが浮き立ちます♪

新緑がなんて美しい!!
初日も今日もお天気に恵まれたよね。

チケットを取った公演まで時間があったので、他に入れる公演あるかなあと探してみたけど、時間が合う公演はSOLD OUTで、じゃあマスタークラスでも入ってみようかなと思ったら、すでに満席。
仕方ないので地下の展示ホールへ。LFJマルシェと新星堂さんでお買い物(*^。^*)

今年は公式アルバムがまだ売ってて良かった!
去年は確か初日で完売してたんじゃなかったかな。
周年記念のアルバム(全50曲!3枚組。これで2500円!)も買えて、いつ聴こうかなあ。
あとはアルゲリッチの東日本復興支援のチャリティCDとビジャーク姉妹のストラヴィンスキーピアノ連弾作品集を購入。
ホントこの時期はピアノへの欲が湧くんだよね。このモチベーションをずっと夏でも維持出来るといいんだけど(笑)
あとアルバム以外には、ベートーヴェンソナタの作品解説本も購入。
いま楽譜を横に読んでるところ。そしたらソナタ本にない『選帝侯ソナタ』の楽譜も欲しくなったよね。

実は昨日、帰ってきてからツベでいろいろ聴いてるうちに、シューマンのアベッグ変奏曲がめっちゃ気になって、amazonさんでヘンレ版の楽譜買っちゃったもんね。今日届いたもんね。

お買い物してたら、あっという間に時間が経ってたので、ホールA『プーシキン』へ。演目はこれ。

タタルスタン国立交響楽団と、バイオリンはジュヌヴィエーヴ・ロランソー、アレクサンドル・スドラコフスキー指揮による、チャイコのイタリア奇想曲とヴァイオリンコンチェルトニ長調op35。
どちらも大好きな曲です。
イタリア奇想曲は、イタリアのキラキラした色彩が音楽の中に散りばめられていてクライマックスに向けて盛り上がる、聴いていて楽しい曲。
ヴァイオリンコンチェルトは、聴けば「ああこれ聴いたことある!」って言うくらいに有名な一曲。
壮大でロマン溢れるドラマチックなメロディーはワクワクするほど。
チャイコフスキーらしい曲です。

タタルスタン国立交響楽団、素晴らしかったです。金管の美しい響きに鳥肌が立ちました。弦楽と金管のバランスがとてもいい。それとコンマスがスマートでカッコいい←
指揮のスラドコフスキーも背が高くて素敵でした!←何見てるのww


そして今日は、朝9時半からHOTヨガ、その後、美容院へ。

帰ってきてからは、NHK FMでラ・フォル・ジュルネの中継を聴いて過ごしていました。
ああ楽しい!音楽三昧♪ ♬ ヾ(´︶`)ノ ♬ ♪





そろそろNEWSとエイトも聴かなきゃね(笑)


『中の人』初日

2014-04-25 | 観たものレビュー

今日は、加藤シゲアキ先生の3年ぶりの舞台『中の人』の初日を観劇してきました。

着ぐるみの『中の人』、騒動の『中の人』、当事者としての『中の人』、自分の『中の人』…いろんな形の『中の人』が、舞台上で面白おかしく展開しながら、想像もつかないクライマックスへと加速していきます。その着地点には、清々しいほどの爽快さがありました。
もちろん、笑いだけではなく、観ているこちら側もハッとさせられる問いかけもあって、観終えた後で、自分自身の『中の人』について考えさせられます。

脚本は当て書きをしたそうで、シゲアキ演じる坂崎には『加藤シゲアキ』を彷彿とさせるキャラがちょいちょい現れてて、それもファンとしては面白かったけれど、やっぱり一番の見どころは、普通の『つまらない男』をこれほど自然に演じられるようになったシゲアキさん本人ではないかと。

マギーさんや河原さんがシゲアキとの対話を通して感じて描いた、加藤シゲアキならではの役どころだと思うし、『中の人』の中の人を何度も演じることを通して、『加藤シゲアキ』の中の人をもっとさらけ出してもらえたらいいなと期待しています。
今日は初日らしい硬さもちょっと見られたけれど、思っていた以上にシゲアキの体が動いていて(笑)、そこはやっぱりジャニーズだなと。
でも3年ぶりとは思えない堂々とした舞台だったと思います。


次の観劇は30日!!
初日からの違い(成長?)を沢山いろいろ発見できたらいいな(*^。^*)

A Musical Affair

2014-02-28 | 観たものレビュー

IL DIVOのライブ『A Musical Affair』日本公演に行ってきました!!

なんと武道館の2階席最上段(笑)

でも武道館サイズなら、最上段の方が歌がよく聞こえるかもと前向きに。

それに私は彼らの歌が好きであって、ビジュアルだけ観に来たわけじゃないしー

 

 

でも

 

遠いな(笑)

 

 

久しぶりのIL DIVOの生ライブ。

しかも、今回はツアータイトルにもあるように、歌うのはミュージカルナンバー。

ということで、ミュージカル好きとしても、とても楽しみにしていました。

10周年ということで、世界ツアー中のライブの内容は本当に素晴らしかったです!

やっぱり今回のアルバムも買おうかな。

 

ところで。

ライブはとてもよかったのです、よかったのですが・・・

 

 

客層、変わった?

 

まず、彼らの歌い出しにかぶせるように突然拍手。

え?歌が始まったら、静かに聴くもんじゃないの?

これじゃまるで宝塚のスターの登場シーンみたい。それでも、歌にかぶせて拍手なんて、あまりしないよ。

歌が終わると、まだ歌声の余韻が会場に響く中で、拍手。

ねえ、もう少し我慢して、彼らのハーモニーを終わりまで聴こうよ。

余韻が消えたら、大きな拍手で称えようよ。

 

そして、途中、客席がスクリーンに映される曲があるんだけど、アリーナ席で信じられないような光景を見てしまいました。

キラキラモールを付けた手作りうちわを、頭より高く掲げて、はしゃぐおばさまたち・・・

なにそれ。

韓流アイドルのライブに来ているのと同じ感覚?

4人のお手ふりなどのファンサービスに、歌っていようがおかまいなしに、黄色い嬌声。

ごめんなさい。私、彼らの歌をしっとりと聴きたいの。

あなたたちはそうじゃないのかしら?

 

それからスタンディングオベーションというのは、ライブが全部終わった後で、そのパフォーマンス全体を讃える行為。

コンサートの途中で何度も席を立ちあがって拍手したりしてるのはどうして?

まだコンサートは続いているんだから、座ったままで拍手でいいじゃない。

そんなことをしたら、後ろの人が見えないってことに、気がついていないのかしら。

 

 

とにかく、客層があまりに下品で、気持ち悪くなりました。

いつからこんな風になったのかはわかりませんが、私が以前、国際フォーラムで見た時は、こんな下品な聴き方をしに来ている人は誰一人いませんでした。

韓流に飽きちゃったおばさま達が、まかり間違って流れてきたのかしら。

 

 

主催者の方にお願いしたいです。

このあとのジャパンツアーでは、公式グッズ以外の持ち込みはさせないように徹底してください。

昨日、日本のファンのとてもイヤな所を見てしまって、とにかく不愉快でした。

よろしくお願いします。


プレミアム試写会「大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉編」

2012-12-18 | 観たものレビュー

行ってきました!
プレミアム試写会「大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉編」


国際フォーラム ホールAにマスコミ記者も含め、なんと5000人!
登壇した出演者がここで「誰々のコンサートを見たのを思い出しました」とか司会の安東さんが「和田アキコさんがライブをやるここで」とか言っていたのを聞きながら、「横山さんのソロコン会場」ということがまっさきに浮かんだ私。

試写会の前にまずは出演者の登場!
うわあああ!みんな着物姿!ほえええカッチョエーー!!
そしてステージから1階会場の真ん中あたりまで設けられたレッド・カーペットのランウェイを歩いて行くんだけど、悲しいかな、ランウェイの先頭まで行かれてしまうと、2階席の私たちからはまったく見えん!
ので、前方スクリーンを見る。
てか、やっぱり座席券との交換開始時間の3時半に仕事抜けて行って来ればよかったかなあ。
早く交換に来たといって前方の席になるとは限りませんと書いてあったけど、4000人も来るんだから、やっぱり早く行った方がぜったいよかったよね。
あーもー失敗した!!1階席に入りたかったよ~

でもこうしてみると、やっぱり堺さんって小柄だよね。背が低いわけじゃないんだけど、なんとなく小柄。西田敏行さんは風格がある。クドカンさんはちょっと落ち着きがない(笑)要潤さん背が高い(それ見たまんま)
堺さんの挨拶は主演ゆえに無難なコメントだったけど、クドカンさんは、綱吉の正室役ということで「僕が大奥4000人のセンターなんですよね」と会場の笑いを誘ってました。
そして西田さんは約40年以上の役者人生の中で、ラブシーンは3回くらいしかやってなくて、今回、尾野真千子さんとラブシーンを演じることができて良かった的な話(笑)

今回はそうですね。
ニノや忠義の時の大奥と違うのは、男女のラブストーリーがメインということ。
しかも映画ということで、まあそれなりにエロスな場面も盛りだくさんで。でも、原作の範囲を超える描写はないのでご安心ください。

お決まりの観客席をバックにした写真撮影、ムービー撮影の後、ついに本編!
相変わらず私の中では「右衛門佐=横山裕」の幻影を残したままでしたが・・・

以下、ネタバレ的なネタバレは書いてないはずですが、金子監督からもぜひ宣伝してください!とのお達しなので・・・気になる方は読まないでくださいねー

原作ファンを裏切らない素晴らしい作品に仕上がってました。
ドラマでもそうでしたが、ほぼ原作通りの展開、そして、私の大好きな場面が全部、無駄に脚色されることもなく、そのままのセリフや動きで描かれていて本当に良かった!
そして、嬉しい驚きが菅野美穂さん演じる綱吉!
菅野さんは私のイメージする綱吉ではなかったんですが、私の想像をはるかに凌駕してました。あまりに素晴らしすぎて、足先から全身にさーっと鳥肌が何度も立つほど!
今も思い出すと、震えがきちゃう。やっぱり菅野美穂さんってすごい。
徳川の血を絶やさぬため世継ぎを生まねばならないという女としての宿命を背負いながら、為政者として苦悩し、そして女として、母として、子として、あらゆる立場から抱えることになる悲しみや絶望、愛情や慈しみ・・・綱吉の感情のすべてが痛いほど伝わってきて、彼女の人生にぐいぐい引き込まれました。

そして、堺雅人さんの右衛門佐。やっぱりね、堺さんはすごいんです。
もう佇まいからして、公家らしい風情を漂わせながら、その瞳に権力への憧れを宿して、したたかにのしあがっていく感じが出ていて、でも、その裏には・・・みたいな。
ドラマ版の有功と違って、右衛門佐は基本何を考えているのかわからない、というのが前提にあるんだけど、だからといって鉄仮面で演じていては、終盤の場面があまりにも唐突すぎて見る方はたぶん戸惑ってしまう。
右衛門佐の綱吉への想いは、とある場面が一番伝わりやすくて、実はそれが原作の中でも私が一番好きなシーンなんだな。
綱吉への想いをぐっと耐えて引き下がるときの、右衛門佐の表情、動き、言葉、それがもうたまらなくて。
堺さんの右衛門佐と菅野さんの綱吉、心も体も震えるほど、美しいシーンに仕上がっていて、最高でした。
それと、2番目に好きな、二人が初めて大奥で対面するシーン。孟子の説をめぐる二人の丁々発止にドキドキ。綱吉の聡明さと、右衛門佐の知性がぶつかりあって、二人のこれからの運命を予感させる場面。伏線としての重要なシーンでもあって。
終盤のクライマックスも含めて、私が好きなストーリーが全部、原作のまま入ってたのが、本当に良かった!
尺の関係もあるのか、省かれてしまったエピソードもあったけれど、逆にそれをなくしたことで、右衛門佐と綱吉のストーリーが際立ったと思うから、それはそれでいいと思うんだよね。

元禄時代の華やかさは、映画的にも見ごたえがあるし、役者たちの力量が、荒唐無稽な男女逆転という世界を、リアリティを持った時代劇として成り立たせているし、人間賛歌として素晴らしいストーリーになっています。
MISIAの主題歌もドラマチックでとても素敵。特にサビ!!ヤバイ!!
昨日から頭の中でグルグル~CD買っちゃおうかな。

とにかく、オ・ス・ス・メ です!!
ぜひ、劇場に足を運んで見ていただけたらと!!





でも、やっぱり・・・

私は、右衛門佐を横山さんで観たかったの。
堺さんの右衛門佐は本当に素晴らしかったけれど、だからこそ、それなら横山さんだったら、どんな右衛門佐を見せてくれるかなあと、今も夢見てしまうの。

もう絶対に見られない夢になってしまったけれど。


劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」

2012-06-18 | 観たものレビュー

2年ぶりかな、久しぶりの「いのうえ歌舞伎」。
去年の「髑髏城の七人」はあまりの人気にチケットが全然取れなかったんですよね・・・思い出すあの時の悔しさ。

演劇仲間のMさんと舞台を観るのも久しぶりで。
観劇前に青山のLe café Bertholleで軽めのサパー…のつもりが、オーダーしたクラブハウスサンドがかなりワイルドな量で、軽めでは終わらなかったです。
サンドの量があるので2人で1品でも大丈夫、なようなことをネットの書き込みで読んだような気がしていたのですが、大丈夫かなと1人1品で頼んじゃったんですよね。

デザートのブリュレ、食べたかったなあ。


さて本題。
ネタバレを含んでますので、これから見られる方はスルーしてね。


いのうえ歌舞伎にしては珍しく恋愛の要素が強いストーリー。

暗殺者の一族として生きてきたシレン。
かたくななシレンの心にくさびを打ち込みまっすぐに愛を注ぐラギ。
やがて女としての幸せを見出したシレンと、彼女との未来を夢見るラギの前に突きつけられる恐ろしい真実。

母と息子、という禁断の関係性は昔からよく芝居や小説にも使われるので目新しさはないが、描かれる世界観の異様さもあって、ストーリーに神話性を醸し出す。

2幕冒頭。
歯車が狂った後の藤原君演じるラギの姿に全身が総毛立った。
「アイはコロシアイ」
父親ゴダイを殺し、ロクダイとして南の統治者となったラギは、その恐ろしいスローガンを掲げ、信者たちに愛する者同士が殺し合うことを奨励し、死への恐れを知らぬ信者は隣国の北へと血を流しながら侵略を進める。
北と南、2国間を蹂躙するように1幕から複雑に絡み合っていた陰謀劇は、己の欲望を満たそうとする者たちの殺戮によって一人一人と表舞台から消えていく。
その中で再びめぐり合うシレンとラギ。
殺し合うことが愛し合うこと、愛し合おう、殺し合おうとシレンに呼びかけるラギに、シレンは大人の知性と母としての慕情と女としての愛でもって立ち向かう。
そしてそんな二人の前に、北からの毒粉の爆撃が降り注ぐ。
シレンやラギと違い、毒消しの耐性を持たない普通の人々が次々と死んでいく。
累々と重なる死体を目の前にして、二人が下した結論は悲壮でもあるが、先の見えない未来への一縷の希望の光でもある。
2人が人々を救うために流す血は、並んで進んでいく道を真っ赤に染めていく。

ラスト、ラギに問われて答えるシレンの言葉にすべてが凝縮されている。
「ラギ、一緒に行きましょう」
「母として?それとも女として?」
「人として」

人としてなすべきこと。それがすべての愛を超越する。
その短い言葉に震えがくるほどの感動を覚えた。



1幕2幕と、いのうえ歌舞伎の世界をたっぷり堪能。ものすごい充足感。
やっぱり新感線の舞台って特別です。
だからこそ、加藤シゲアキ先生に出てほしくて、ずーーーっと言ってるんだけど。
なかなか実現しないなあ。
でも最近は、横山さんでもいいなって思ってる(笑)
長刀とか持たせたら、めっちゃ似合いそうなんやもん。
アクションもシゲアキ先生より上手そうだし。
欲を言えば、二人共演とかなったら、そらもう過呼吸起こして死んじゃいますな。
うん。
もうどっちでもいいので、新感線のフライヤーに名前が出るのを首長くして待ってます。


13歳のハローワーク

2012-03-10 | 観たものレビュー

最終回・・・

がオンエアされて、とうとう終わっちゃいました・・・

金曜夜11時15分が1週間の中心だった私の生活、どうなっちゃうんだろ?




というのは大げさですけども(笑)
とりあえず全話録画してあるし、1話からまた見ようっと。
DVD発売は7月25日!
映画「エイトレンジャー」公開日の3日前ですね
もう忙しいやーん

ちなみに、BRとどっちを買おうか迷ってる。
BRやと居間のデッキで見なきゃなんだけど、自分の部屋でゆっくり見たいってこともあるじゃん。
BRのディスクって普通のデッキでも見られるんかな?


さて。ハロワ最終回。
最終回だからと、尺が長くなることもなく、通常と同じ時間でのオンエア。
その時間内にすべてが明らかになって終わるのかなあ、消化不良みたいな終わり方になったりしないかなあと思ってたんだけど、最後までひたすら楽しかった!!

どの登場人物についても中途半端な描き方をすることなく、今までのストーリーに置かれていた伏線が一つの線になってつながって。
鉄平と高野、二人のラストシーンもとっても気持ちのいいものだった!
古田さんの「アニキ~」が聞けるとは!(笑)
2012年の高野と、1990年の高野の面影がだぶるシーンで、振り返った横山さんの笑顔が、ドキッとするほどめちゃめちゃ爽やかで、素敵すぎで。
翔子ちゃんとの2度目のキスシーンもドキドキするほど素敵だったけど、私にはあの笑顔のラストがたまらなかったです。
あんな笑顔で振り返られたら、ダッシュで走り寄ってぎゅって抱きついちゃうなー

正直、私、横山さんに関してはヒールな役が一番似合うって思ってたんですよ。
いい人の役は、なんかリアルに「普通」すぎちゃって、横山さんの魅力が半減しちゃうから、あんまり好きじゃなかったの。
だから、今回の役を聞いた時も、「文武両道で鉄平を慕う青年かあ・・・」と、また普通の役なのかなと思って、いまひとつピンとこなかったんだけど、この「高野清文」という役は私の予想を気持ちいいほどに裏切ってくれました!
とにかく、愛くるしい。ひたすら愛くるしくて、くるくる変わる表情が、見ていてとても楽しかった。
そんな愛くるしい横山さんの表情を何度も見たくって、何度も録画したのを見たんだけど、でもいつからか、横山さんだけじゃなく、このドラマそのものが面白くて、何度も見返すようになってました。

子役の子供たちが見せる表情も魅力的だったなあ。
テッペイ役のたけと君や、三上役の大志君や、各話のメインを張った子役たちだけじゃなくて、塾にいるみんながキラキラ輝いてた。
塾なのに、学校のクラスみたいな一体感もあって、見ているだけでホッコリできた。

働くということ、仕事を選ぶということ、仕事に生きがいを感じること、社会に出て生活していくということ、夢を追うということ

笑いやミステリーの要素を織り交ぜながらも、いろんなことを考えさせてくれるドラマでもありました。
私は、もう転職できるような年じゃないし、夢見る年でもないけれど、今の仕事の中で、こうありたい自分を模索することも出来るんじゃないかな・・・そんなこともドラマを見ながら思ったし。
でも、子供の時にこういうドラマに出会いたかったなあ(笑)そしたら、今とはぜんぜん違う道を歩いていたかも。

鉄平も現代に戻れて、高野との関係も元に(?)戻って、高野君と翔子ちゃんは結婚して、テッペイは最後には刑事になることを決意して、三上君もちゃんと戻ってきて(良かった!テッペイとの仲良しシーンも見られたし)、大団円で終わった・・・ように思わせておいて、まさかの丸ちゃんハローワークなう、という(笑)

やっぱり続編、あるいはスペシャル。ぜったい作ってほしい!
そして映画化も!
もちろん、同じキャスティングで。あと丸ちゃんも。

丸ちゃん、30歳の役でしょ。
13歳に戻るとしたら、17年前。
バブルがはじけて、平成の大不況の真っ最中って時ですよね。
そして、高野と翔子ちゃんが結婚して3年くらい経ってんのかな。
娘のありさちゃんが1、2歳とか?
うっわー高野夫妻の日常を見てみたい(笑)


というわけで、DVDの特典映像が待ち遠しい管理人なのでした。


村上信五ひとり舞台『イフオア』

2012-02-28 | 観たものレビュー

日曜日、村上信五の『If...or...』観てきました。

シリーズ4回目となる今回は珍しく、全編通したストーリー仕立て。
とある島で育った若者の成功と挫折と再生を描いた話。

と書くと、なんだか真面目なストレートプレイみたいだけど、そこはやっぱりヒナちゃんの舞台ですから、きっちりと笑いはとってくるわけですよ。それもたたみかけるように(笑)
なので、一人コントのようなスタンスは変わってないです。

終盤、ちょっとホロリと、迂闊にも泣いてしまいそうになる場面もありましたけども、でも、基本的に笑いが9割以上のステージ。観終わった後は笑い倒した感で、爽快な気分になります。
でも、休憩をはさむことなく、ノンストップで約1時間50分くらいかな?の舞台を、一人でやるというのは、すごい力量だと思います。
あれだよね、イッセー緒方さんの一人芝居みたいに、この「イフオア」がヒナちゃんのライフワークになるといいなあって思いながら、観てた。

舞台後のMCコーナーは、マッチさんがゲストで仕分けに来た時の話。
てか、なんで私が来た時にその話になるんだか・・・
横山さんがヘタレやったのは十分わかってるから、もうええって(苦笑)

ところで今回、初めて3階席から観劇したんだけど、あらためてグローブ座ってちっさい劇場だなあって思った。
3階席でも十分よくステージが見えるし、まあ、今回はステージに近い一番端っこだったこともあるかもだけど、それでも帝劇とかと比べたら、ぜんぜん近いもんね。
まあ箱が小さい分、人気の舞台はチケットが取れない!という事態も起こるわけだけど・・・

マルちゃんの舞台「BOB」の話。
まわりはほぼ壊滅状態だし、私が申し込んだ分も全滅だったので、これはアカン、一般発売で頑張らんと…と思ってたら、一緒に入るマル担の友人から、「2公演取れたよ!」という連絡が。
いやあ、よかった!
おかげで、おーぱーつの初回を気持ちよく見ることが出来ました(笑)
内容は、けっして気持ちいいものじゃなかったけど。

同じ日の1部と2部でそれぞれ取れたこともあって、友人とも相談して、取れなかった方にお譲りすることにしたんだけど、今回激戦だったこともあったからか、お譲り先はすぐに決まりました。
それにしても、今回、チケット取れた人と取れなかった人の差が激しすぎる。って思いません?


はい!はい!はい!

そしてついに、この話題ですよ!
舞台の話とはまったくもって関係ありませんが、まあ∞関連ということで・・・

http://news.goo.ne.jp/article/nikkansports/entertainment/p-et-tp0-120228-0011.html" target="_blank">錦戸亮が4月TBSドラマで本人役主演(日刊スポーツ) - goo ニュース

なんと懐かしの「ママはアイドル」のパパバージョンということで、亮ちゃんが本人そのままの役ということですけども、錦戸担の方はどうなんでしょう。楽しみですか?そんなん見たくあらへん、ですか?

私やったら、そうだなあ。楽しみでもあり、でも、そういう「妄想」は自分の中だけで楽しみたいという感じもある。うん(笑)
なんか映像化されちゃうと、妙にリアルな感じがしてなあ。
それに、下手したら、こういうのってたぶんeighterさんしか楽しめない可能性もあるからさ・・・
めちゃめちゃリスキーなドラマっすよ。

ちなみに、これって、長女役の海荷ちゃんは高校生くらいの役という設定なのかな。で、優香ちゃんは16歳とかで、長女を産んだという感じ?
2人の出会いをどういう風にするんだろ?今回は恩師という設定はかなり無理があるもんね(笑)

あとはメンバーがどれくらいの頻度で出てくるのか、ストーリーにどこまで絡んでくるのか、めちゃくちゃ楽しみですわー
というか、メンバーが「結婚!」ってなった時に、どんな反応するのか・・・ドラマだから多少実際の本人との差はあるかもだけど、そういうところが楽しみかな!

あとは∞の人気だけに頼らんと、eighter以外の人が見ても楽しめるドラマにしていただけたらと思います。


「金閣寺」

2012-02-07 | 観たものレビュー

今日は朝からなんだかあったかいですね。

といっても、夜にはまた寒さが戻るようですけども。


日曜日は赤坂ACTシアターへ「金閣寺」を観に行ってきました。
しかも、前から2列目という神席ですよ。

いや・・・

何もここで席運使わなくても・・・

まあ、私の名義じゃないからいいんだけど・・・(リョーコちゃん、ゴメン!)

でも、久しぶりにコンタクトなしで裸眼で舞台を見ました。
普段、コンタクトしないので、たまにすると、なんだか慣れないんですよね。
なので、裸眼で見られるというのは気持ちがいいもんなんです。

さて、舞台の原作は三島由紀夫の名作。
有名な著書ですから、私も昔、学生の頃に読んだ記憶はあるんだけど、三島の世界観に共鳴できなかったのか、主人公が僧侶を目指していて、吃音で、最後に金閣寺を燃やしちゃったこと以外はあんまり覚えていないんですよね。

でも、作品への固定概念がなかった分、逆に素直に舞台の世界に入ることができたみたいです。

ストレートプレイとコンテンポラリーダンスが融合したかのような、斬新な演出が面白い。
机や椅子、ロッカーや壁、といったものが、場面転換に合わせて、寺への階段や土手、京都の路地、といった様々なものにくるくると変化するスピーディーな舞台。
でも、時に、咳払いすることすら憚れるほどの静謐な空間が舞台を支配し、時に、男と女の猥雑で淫靡な世界へといざなわれる。。
その激しい緩急の差に、ふと眩暈を覚えながら、これが狂気をはらんだ三島の世界なのかと思う。

主人公の溝口を演じる森田剛は、その小柄な体に圧倒的な存在感をまとって舞台に立っている。彼の新感線の舞台を始めて観たときの、思いがけない感動とはまた異なる、これがあのV6の森田剛なのかと凝視してしまうほどの静かな感動が私の心をよぎった。
特に金閣寺に火をつけた後の、それまでとはまったく違う溝口の大人びた表情に、ドキッとさせられた。
溝口に影響を与える2人の友人、鶴川、柏木を演じるのが大東駿介と高岡蒼佑。
大東君演じる鶴川の爽やかさは、その死の真実が明かされる最後まで、溝口だけでなく、私たち観客さえ騙される。
そして、高岡さん演じる柏木が放つ色気と悪徳の香りは、鶴川より魅力的だ。柏木が溝口に向ける言葉はつねに辛辣、どこか見下したような侮蔑を含む。でも、その皮肉な言葉は痛烈な真実でもある。
うーん・・・高岡さん、やっぱり素敵な役者さんだよね。

今回、驚いたのは、金閣寺という建物、この小説における「圧倒的な美」をあらわすアイコン、その金閣寺を生身の人が演じているということ。
でも、それがかえって、溝口が金閣寺に対して抱く憧憬や劣等感、といったヒューマンな感情を観る側に納得させる効果を生んでいる。
そして、金閣寺は女ではなく、男でなくてはならない。なぜなら、溝口は吃音という障害ゆえに、女性に対して激しい劣等感を抱いているから。
ただ、その姿はまるで女性のようで、現実世界において、中性的な美しさを溝口の前にさらしている。
やがて、友情への不信、崩壊した自分の未来、現世への絶望が、溝口を、現世の美として目の前に存在する金閣寺への放火へと向かわせる。
炎上する金閣寺、が目の前にあるわけではないのに、なぜかその光景を肌で感じられる、素晴らしい演出に圧倒された。

うん。こういう演出、ニューヨーカー好みだよね(笑)

でも、こういうすごい舞台を観てしまうと、しげさんや横山さんにもこういう舞台に立ってほしいと思ってしまうのです。

本当に素晴らしい舞台でした。最後が上手くまとまらなくてスミマセン。