自らの体験をもとに書いた、野坂昭如の同名小説をアニメ映画化。戦争によって両親を失った幼い兄妹がたどる過酷な運命を描く。高畑勲監督のリアルかつ繊細な演出により、兄妹の孤独な心情を見事に活写。ふたりの運命を予見するような、闇夜を照らす蛍の姿が痛烈に迫る。また、昭和20年代の日本の生活を克明に描写した美術・演出も秀逸。昭和20年の神戸。急な空襲で母が入院した、14歳の清太と4歳の節子兄妹は、叔母のもとを頼りに訪れる。だがふたりの母が亡くなったのを機に叔母は彼らを邪険にしはじめ、清太は節子を連れて誰もいない防空壕へ。ふたりだけの自炊生活をはじめるが。
テレビ録画視聴。観るのは二度目だが、ストーリーはすっかり忘れていた。戦時中、必死に生きた兄弟の運命がやるせなくて、涙を誘う。26年も経つが、全く色あせていない。
おすすめ度 ☆☆☆☆
原題: Grave of the Fireflies
製作年度: 1988年
監督: 高畑勲
上映時間: 88分
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます