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ルイスと映画泥棒

中国・韓国映画を中心に毎日観た映画の感想を記録。おすすめ度を☆で採点、☆四つ以上は必見の映画。

「めぐみ」

2007年09月03日 | 映画
北朝鮮による拉致問題を、横田めぐみさんの拉致事件と残された家族の視点から描いた衝撃のドキュメンタリー。『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオン監督が製作総指揮を務め、めぐみさん拉致疑惑の真相を究明するために闘い続けた横田夫妻らの姿を追う。日朝間の政治的な問題にも触れながら、拉致という非人道的な行為によって傷つけられた親子間の愛を浮き彫りにする。30年以上にも渡って、娘の生存を信じながら活動を続ける横田夫妻の姿が胸を打つ。

現在進行形の衝撃のドキュメンタリーだ。一向に進展しない拉致問題。めぐみさんの生死もはっきりしない。当事者の苦悩は押してしるべしだ。映画の出来というより、せめて知っておくべき問題である。

おすすめ度  ★★★★☆

原題 ABDUCTION: THE MEGUMI YOKOTA STORY
製作年度 2006年
上映時間 90分
監督 クリス・シェリダン 、パティ・キム
出演 横田滋 、横田早紀江 、増元照明 、横田哲也

「ブラックカーテン」

2007年09月03日 | 映画
小説家の版権を管理する会社を成功させ、大金持ちになった主人公がニューヨークの一等地に家を買う。しかし、その場所は昔、殺人事件の現場だった。自分の家だと言う若い男に付きまとわれたり、それで知り合った得体のしれない刑事。3階に住む美人。恨みをかう小説家。そして秘書。そして、次々に死んでゆく展開だ。最後に、種明かしされて、納得。犯人は・・・

途中、死体を農場に運び、ミンチにしてブタに食べさせるってのはパクリ?ハンニバルだったっけ?ちょっと、すっきりしないサスペンス映画だ。

おすすめ度  ★★★☆☆  

原題 THE KILLING FLOOR
製作年度 2006年
上映時間 94分
監督 ギデオン・ラフ
出演 レイコ・エイルスワース 、マーク・ブルカス 、シリ・アップルビー 、ジョン・ベッドフォード・ロイド 、デレク・セシル 、ロバータ・マクスウェル

「蒼き狼・地果て海尽きるまで」

2007年09月03日 | 映画
モンゴル帝国を統一した、英雄チンギス・ハーンの生涯を描いた歴史超大作。総製作費30億円をかけオールモンゴルロケを敢行。製作は角川春樹が務め、“蒼き狼”と呼ばれたチンギス・ハーン役を『男たちの大和/YAMATO』の反町隆史が熱演。共演者には菊川怜や松山ケンイチら若手のほか、津川雅彦や松方弘樹といったベテラン俳優が勢ぞろいした。モンゴルの大地の壮大な映像美も圧巻だが、チンギス・ハーンの人柄に触れる人間ドラマも見ごたえがある。

この映画は、スケールの壮大なところが見どころ。戦闘シーンのエキストラの多さだ。同名のモンゴル映画を観たが、これほどの迫力がなく、小さな部族間の戦争のようだった記憶がある。不思議と日本語での会話も思ったほど違和感が無く観られた。チンギス・ハーンの生涯が勉強になる歴史映画としては秀作。

おすすめ度  ★★★★☆

製作年度 2006年
上映時間 136分
監督 澤井信一郎
出演 反町隆史 、菊川怜 、若村麻由美 、Ara 、袴田吉彦 、松山ケンイチ

「どろろ」

2007年08月31日 | 映画
昭和42年「週刊少年サンデー」で発表された手塚治虫の最高傑作とも言われている怪奇漫画を実写映画化したアクション時代劇。体の48か所を魔物に奪われた百鬼丸が、体を取り戻すために男装した泥棒“どろろ”とともに魔物退治の旅に出る。主演の百鬼丸役に『涙そうそう』の妻夫木聡、どろろ役に『県庁の星』の柴咲コウを迎え、初の本格的なアクションを披露する。男女間の微妙な心情を強調したドラマや総製作費20億円以上を投入した驚異の映像が見もの。

マンガを読んでいたのでストーリーは見当がついた。妻夫木聡がかっこいい。『涙そうそう』ではベタな感じであまりかっこいいとは思わなかった。しかいこの百鬼丸は良かった。柴咲コウはちょっと浮いてた感じ。数々の魔物には笑ったが、何といっても手足はもちろん目も耳も無い百鬼丸の体をどう表現するのかがポイントだ。10年前だったら、きっとおもちゃのような表現しかできなかっただろう。今のCG技術があってこその映画だ。

おすすめ度  ★★★☆☆

製作年度 2007年
上映時間 138分
監督 塩田明彦
出演 妻夫木聡 、柴咲コウ 、瑛太 、杉本哲太 、土屋アンナ 、麻生久美子

「ゴーストライダー」

2007年08月31日 | 映画
同名のマーベル・コミックの人気キャラクターを実写化したアクション娯楽大作。悪魔に魂を売り渡し、苦悩する男の戦いの日々をつづる。自称コミックファンのオスカー俳優ニコラス・ケイジが人間臭いダークヒーローを熱演。最高のバイクアクションと、個性的な登場人物たちが魅力的。

コミックを実写化した娯楽映画だから「スーパーマン」や「スパイーダーマン」のようなものだ。ストーリーも分かりやすくて、単純に楽しい。悪魔役の『イージー・ライダー』のピーター・フォンダも年を取ったが我々世代には、とても憎い演出だが、事前に知っていないと解らないだろう。

おすすめ度  ★★★☆☆

原題 GHOST RIDER
製作年度 2007年
上映時間 110分
監督 マーク・スティーヴン・ジョンソン
出演 ニコラス・ケイジ 、エヴァ・メンデス 、ウェス・ベントリー 、サム・エリオット 、ドナル・ローグ 、ピーター・フォンダ

「孔雀」

2007年08月30日 | 映画
『さらば、わが愛/覇王別姫』『紅いコーリャンの』カメラマンとして名高いクー・チャンウェイの初監督作にして、第55回ベルリン映画祭審査員特別賞・銀熊賞受賞作。文化大革命が終わり時代が激変する中、田舎町に暮らすある家族の年代記を描く。奔放で感性豊かな長女役に、中国ではポスト“チャン・ツィイー”の呼び声も高いチャン・チンチュー。待ち望んでも開かない孔雀の羽のように、皮肉な運命に揺れる一家の姿がやるせない。

両親と3人の兄弟が暮らす日常を描く。デブで知能発達障害の兄、奔放な長女、ちょっとずるい弟の3人3様の生きざまが面白い。家族揃って廊下で食事する風景が随所にあり、興味深い。チャン・チンチューがポスト“チャン・ツィイー”だって・・・それは無い。

おすすめ度  ★★★★☆

原題 PEACOCK/孔雀
製作年度 2005年
上映時間 136分
監督 クー・チャンウェイ
出演 チャン・チンチュー 、ファン・リー 、ルゥ・ユウライ 、フォアン・メイイン 、チャオ・イーウェイ

「レオポルド・ブルームへの手紙」

2007年08月30日 | 映画
アイルランドの文豪、ジェイムズ・ジョイスの最高傑作「ユリシーズ」を基に英国の新鋭、メヒディ・ノロウジアン監督が舞台を米国に移して撮った感動作。『恋に落ちたシェイクスピア』のジョセフ・ファインズや『リービング・ラスベガス』のエリザベス・シューが罪を背負って生きる息子と母親に扮し、秀逸な演技を見せる。人間は弱くて非力だが、時には素晴らしい奇跡を起こすこともできるという希望を与えてくれる一本。

レオポルド・ブルームが主人公に送る手紙と実際の主人公の過去が交錯して???もう一度観ないとよく理解できない映画だ。

おすすめ度  ★★★☆☆

原題 LEO
製作年度 2002年
上映時間 103分
監督 メヒディ・ノロウジアン
出演 ジョセフ・ファインズ 、エリザベス・シュー 、ジャスティン・チャンバース 、デボラ・カーラ・アンガー 、メアリー・スチュアート・マスターソン 、ジェイク・ウェバー

「ウォ・アイ・ニー」

2007年08月28日 | 映画
前作『ただいま』でベネチア国際映画祭銀獅子賞と監督賞に輝いた中国第六世代の奇才、チャン・ユアン監督によるドキュメンタリー・ドラマ。1組の若い夫婦の結婚生活を通して、その理想と現実、男女の愛し方の違いを激しくリアルに描き出す。中国四大女優の1人である『最後の恋,初めての恋』のシュー・ジンレイが、夫に執拗(しつよう)なほど愛情表現を求めるヒロインを熱演。俳優たちのアドリブで演じられた夫婦喧嘩の迫力に圧倒される。

ほとんどが夫婦喧嘩の映画である。なぜ、喧嘩になるのか・・・が客観的に見られて参考?になるかも。

おすすめ度  ★★★☆☆

原題 I LOVE YOU/我愛[イ尓]
製作年度 2003年
上映時間 98分
監督 チャン・ユアン
出演 シュー・ジンレイ 、トン・ダウェイ

「ユア・マイ・サンシャイン」

2007年08月28日 | 映画
実話を基に作られた、純朴な青年と愛を信じられない女性が起こす愛の奇跡を描いた感動作。暗い過去から逃げ回り、最終的にはHIVに冒される女性と、彼女を愛し抜く男の純情を優しく見つめる。難しいヒロイン役に挑んだのは『スキャンダル』のチョン・ドヨン。その夫を演じた『甘い人生』のファン・ジョンミンは、本作のために15キロも体重を増やして臨んだ。劇中で2人が歌う「ユア・マイ・サンシャイン」の曲に、無償の愛の尊さが込められている。

ちょっと、ちょっと。チョン・ドヨンがエロい。こんな演技もするのねん。後半、エイズの暗い話でお涙ちょうだい・・・だと思っていたら、結構暗くなくて救われた。

おすすめ度  ★★★★☆

原題 YOU ARE MY SUNSHINE
製作年度 2005年
上映時間 122分
監督 パク・チンピョ
出演 チョン・ドヨン 、ファン・ジョンミン 、ナ・ムニ 、ソ・ジュヒ 、ユン・ジェムン 、リュ・スンス

「紙屋悦子の青春」

2007年08月27日 | 映画
『美しい夏キリシマ』『父と暮らせば』などで知られる黒木和雄監督の遺作となる人間ドラマ。現代演劇の旗手・松田正隆の同名戯曲を原作に戦争に引き裂かれる恋と、庶民の日常を淡々と描く。主演は『サヨナラCOLOR』の原田知世。共演の永瀬正敏、松岡俊介、小林薫、本上まなみらが戦時下の青春、庶民の心情を体現する。食卓での団欒(だんらん)や夫婦げんか、お見合いの不器用な会話など何気ない日常描写を通し、戦争の不条理、無意味さを訴えかける。

この映画ってお金かかってないよ。だって、舞台はどこかの屋上での老夫婦の会話シーンと兄夫婦と暮らす家だけだもん。たんたんと会話するシーンがえんえんと続く・・・かえって新鮮かも。微妙~。

おすすめ度  ★★★★☆

製作年度 2006年
上映時間 111分
監督 黒木和雄
出演 原田知世 、永瀬正敏 、松岡俊介 、本上まなみ 、小林薫

「世界最速のインデイアン」

2007年08月27日 | 映画
60歳を超えてもライダーとしての夢を追い続けた実在の人物、バート・マンローをモデルに作られた感動の人間ドラマ。誰にも期待されていなかった年老いたライダーが、世界最速記録を更新するまでの紆余曲折をユーモアたっぷりに見せる。『ハンニバル』などの名優アンソニー・ホプキンスが、風変わりだが愛すべき老人を含蓄のある演技で堂々と演じている。夢を追い続けることの素晴らしさや、人生を楽しむコツが随所に散りばめられている。

はじめ、この映画は「足の速いインデイアン」の映画だと思っていた。実際は、オートバイの名前。しかも、アンソニー・ホプキンスだ。かっこいい。心臓が悪い、よれよれの主人公が、明るく夢を追い続ける姿に感動する。回りの人達も自然に彼を支える様も心暖まる。

おすすめ度  ★★★★★

原題 THE WORLD'S FASTEST INDIAN
製作年度 2005年
上映時間 127分
監督 ロジャー・ドナルドソン
出演 アンソニー・ホプキンス 、クリス・ローフォード 、アーロン・マーフィ 、クリス・ウィリアムズ 、ダイアン・ラッド 、パトリック・フリューガー

「恋人たちの食卓」

2007年08月25日 | 映画
台湾の大都会、台北。チュ氏は適齢期の3姉妹の父親で、彼女たちと一緒に暮らしている。妻は娘たちが幼い頃に亡くなっており、家事全般は父であるチュ氏が行っていた。日曜日の晩餐は、5つ星ホテルのシェフで中国料理の鉄人だった父の手料理を前に円卓に座るのがこの一家の習わしだ。敬虔なクリスチャンである教師の長女、才色兼備で航空会社勤務のキャリア・ウーマンの次女、女子大生で無邪気な三女--映画は、彼女たちの初恋に不倫、セックスに妊娠、結婚を通し、父と娘、家族などを描いてゆく。

面白かった。3姉妹の個性も興味深いが、最後の父の・・・(ネタバレになるので言えない)・・の行動に仰天。やられた~って感じ。

おすすめ度   ★★★★★

原題 飲食男女/EAT DRINK MAN WOMAN
製作年度 1994年
上映時間 125分
監督 アン・リー
出演 ロン・ション 、ヤン・クイメイ 、ワン・ユーウェン 、シルヴィア・チャン 、ウィンストン・チャオ 、ン・シンリン

「あなたになら言える秘密のこと」

2007年08月25日 | 映画
心に深い傷を負い、誰にも言えない秘密を抱えて生きる孤独な女性の再生のドラマ。『死ぬまでにしたい10のこと』(2003)で演技に開眼したサラ・ポーリーとイサベル・コイシェ監督が再び手を組み、ただ黙々と生きていた女性が少しずつ生きる喜びを思い出していくまでを丁寧につづる。ほとんどをベッドに寝たきり状態のキャラクターを演じた、オスカー俳優ティム・ロビンスによる迫真の演技は一見の価値あり。過酷な現実の中に見える一条の光に胸を揺さぶられる。

ほとんどが海上に浮かぶ油田の掘削所での物語り。無口な看護士の主人公(サラ・ポーリー)と火傷と骨折状態のティム・ロビンスの会話が中心だ。少しづつ、打ち解けてお互いの秘密を話し出す二人。その秘密は、凄まじい内容だった。

不思議な雰囲気を持っている映画だ。言葉少ない会話にどんどん引き込まれていく。アクションもスピード感もスリルもないが、強烈だ。そこがすごいと思う。

映画の日本語タイトルが悪い・・・ルイスなら「秘密」だけにする。
この映画、おすすめです。

おすすめ度  ★★★★★

原題 LA VIDA SECRETA DE LAS PALABRAS/THE SECRET LIFE OF WORDS
製作年度 2005年
上映時間 114分
監督 イザベル・コイシェ
出演 サラ・ポーリー 、ティム・ロビンス 、ハビエル・カマラ 、エディ・マーサン 、スティーヴン・マッキントッシュ 、ジュリー・クリスティ

「パープル・バタフライ」

2007年08月24日 | 映画
『ふたりの人魚』のロウ・イエ監督がアジアの宝石、チャン・ツィイーを主演に迎えて描くスペクタクルロマン。相手役には『ロスト・メモリーズ』などへの出演で、アジアで人気の高い仲村トオル。1930年代という激動の時代を生きた宿命の恋人たちの悲しみを、日中を代表する俳優2人が確かな演技で見せてくれる。愛と大儀の狭間で揺れ動く彼らの人間的な感情が観る者の琴線にふれ、生きることの意義を問いかける。

チャン・ツィイーファンとしては、全ての映画を観たと思っていたのに、この映画を見逃していた。しかし、良く解らない映画だ。1930年代という激動の時代というのは、理解できるが、その先がない。チャン・ツィイーの演技が見られただけ、幸せだが・・・

おすすめ度  ★★★☆☆

原題 PURPLE BUTTERFLY/紫胡蝶
製作年度 2003年
上映時間 128分
監督 ロウ・イエ
出演 チャン・ツィイー 、仲村トオル 、リィウ・イエ 、フェン・ヤンチェン 、リー・ビンビン

「デア・ピョンヤン」

2007年08月22日 | 映画
大阪育ちで在日二世の梁英姫が、10年に渡り自身の家族にカメラを向けたドキュメンタリー。さまざまな苦難を乗り越えてきた両親や、北朝鮮に渡った兄たちの日常を通して、それぞれの抱える問題を浮き彫りにしていく。世代間の考え方の違いや、いまだ国交のない日本と北朝鮮の関係、そして在日問題。山積みの難問を前にしながらも、ひたすら明るく元気に生きるヤン家の人々の姿に励まされる。

印象的なのは、在日の主人公が若くして、帰国事業で北に渡った3人の兄の家族に、両親と共にマンギョンボン号に乗ってで逢いに行く。その、北朝鮮の映像だ。マスコミの取材映像と違い、公安の監視がないためか、北朝鮮の現状がとても良くわかる。平壌は、豊かでは無いが、餓死者が出るほど飢えた世界ではなかった。(平壌だけかも知れないが)3人の兄達夫婦に、悲愴感はあまりなかった。一人の孫は、ピアノを習いとても上手かった。ニュース等では、コッチョビ(孤児)等の最貧層の映像等、印象深いが、この映画からは、平壌で暮らす中間層の生活が伺える。

救われるのは、明るく元気な父の生き様だ。在日朝鮮人として、キム・イルソンを信じ、総連幹部として一生懸命に生きた父の人生と、北朝鮮に批判的な主人公との考え方がぶつかる。

北朝鮮を批判するのは簡単だが、この父のような人を私達は説得できるのだろうか・・・

おすすめ度  ★★★★☆

原題 DEAR PYONGYANG
製作年度 2005年
上映時間 107分
監督 ヤン・ヨンヒ