新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

チャレンジングな漫画論「失われた娯楽を求めて -極西マンガ論-」

2018年12月19日 | 新刊書
失われた娯楽を求めて -極西マンガ論-
仲俣 暁生 (著)


タイトルの「極西」という概念がわかりにくいのだが、
「極西文学」―それは1960年代後半以降に生まれ、90年代に書き始めた現代日本文学の作家
という説明をみつけた。説明されても理解が深まるわけではないが
この時代の漫画を時代的な特性を軸に考察するということだろう。
たんなる漫画論ではなく、一つの焦点のもとで漫画を考察するのは好ましいことだ。
漫画を文章で論じるのは難しいし、チャレンジングなことであるだけに
それが成功しているのを期待したい。



単行本: 160ページ
出版社: 駒草出版 (2018/12/19)
言語: 日本語
ISBN-10: 4909646108
ISBN-13: 978-4909646101
発売日: 2018/12/19

内容紹介
文芸評論家・仲俣暁生がこれまで書きつづけてきた珠玉のマンガ論を1冊に!

岡崎京子論/楳図かずお論/安野モヨコ論/西原理恵子論/島本和彦論/藤田和日郎論/皆川亮二論/松本大洋論/「ピアニッシモ」連載「失われた娯楽を求めて 極西マンガ私論」ほか
カバー画を手掛けた今日マチ子との対談も収録!

出版社からのコメント
10代の頃、マンガ評論家になりたかったという文芸評論家にして編集者の仲俣暁生さんによる初のマンガ評論集です。ニューウェーブ以降のマンガ家たちとその作品の批評を中心に、マンガはなぜおもしろいのか! ?を読み解きます。また、カバー画を手掛けてくださった今日マチ子先生との対談も収録します。

著者について
仲俣 暁生(なかまた・あきお)
文芸評論家。「マガジン航」編集人。著書に『極西文学論』などがある。

老いと記憶の不思議な関係「老いと記憶-加齢で得るもの、失うもの」

2018年12月19日 | 新刊書
老いと記憶-加齢で得るもの、失うもの (中公新書)
増本 康平 (著)



人間の記憶というテーマは、さまざまな観点から考察できるものですが
この書物は老いと記憶という視点から考察するものです。
老年になると、若いころの記憶力は失われてしまうもののようですが
逆に、それまですっかり忘れていた幼いころの記憶が
まざまざと想起されることもあるようです。
このような老いと記憶の不思議な関係について考察するのは楽しいことでしょう。




新書: 216ページ
出版社: 中央公論新社 (2018/12/19)
言語: 日本語
ISBN-10: 4121025210
ISBN-13: 978-4121025210
発売日: 2018/12/19

内容紹介
屈指の高齢社会である日本では、老化への関心も高い。加齢に伴って人間の記憶や認知はどう変わるのか、それらを司る脳にどのような変化が生まれているのか、そして、変化する記憶機能といかに向き合うべきか。加齢をネガティブにばかり捉えず、正しい知識で向き合うための一冊。

著者について
増本康平
1977年生まれ.神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授.大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了(人間科学).日本学術振興会特別研究員,大阪大学大学院人間科学研究科助教,島根大学法文学部講師を経て,神戸大学に着任.スタンフォード大学長寿センター客員研究員.専門分野は,高齢者心理学,認知心理学,神経心理学. 著書『エピソード記憶と行為の認知神経心理学』(ナカニシヤ出版,2009年)

視野の広さが魅力的な「海と陸をつなぐ進化論 気候変動と微生物がもたらした驚きの共進化」

2018年12月19日 | 新刊書
海と陸をつなぐ進化論 気候変動と微生物がもたらした驚きの共進化 (ブルーバックス)
須藤 斎 (著)


気候の変動は地球の全体に影響するものですが、
とくに生物的な変化は重要です。
この書物では、そうした変化を、海から起きた変化や陸で起きた変化に分けながら
生物の進化を解明しようとするもののようです。
地球のスケールから微生物のスケールにまで及ぶ
著者の視野の広さが魅力的に思えます。
著書の『0・1ミリのタイムマシン』とかも読んでみたい。


新書: 282ページ
出版社: 講談社 (2018/12/19)
言語: 日本語
ISBN-10: 4065138507
ISBN-13: 978-4065138502
発売日: 2018/12/19

内容紹介
地球規模の環境変動から読み解く壮大な生命史!

大陸移動と海洋の変化が生物に与えた影響とは?
生物の飛躍的進化はいつ、どこで起こったか?

約3390万年前、南極の環境が激変したことを契機に、生存に不利な時期を「休眠」戦略で生き延びた微生物が大繁栄した。

やがてクジラやアシカ、ペンギンなど、海洋生物の体構造や種数の進化を促したその生物は、陸上で暮らす馬や植物とも共進化を遂げていた!?

「体の大小=サイズ」と「世代交代=リサイクルのスピード」から見えてくる、まったく新しい生命の進化史とは?

気鋭の若手研究者が描き出す、大陸と海洋の構造変化からみた進化のドラマ!


【もくじ】

プロローグ――海の時間、陸の時間

第1章 生物どうしの複層的なつながり――「鎖」から「網」へ

第2章 「海の生産者」はなぜ小さいのか?――サイズが小型化した理由

第3章 「生態系を進化させた」大事変の発見――陸が変わり、海が変わり、生物が変わった!

第4章 「進化のエンジン」を考える――「小」と「大」、「海」と「陸」の共進化が起こっていた!


【著者プロフィール】

須藤 斎(すとう・いつき)

1976年生まれ。筑波大学第一学群自然学類卒業。同大学大学院地球科学研究科博士課程修了。博士(理学)。
現在、名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻准教授。

微化石のひとつである珪藻化石の調査・分類によって、過去の地球環境の復元と未来予測に取り組む。
著書に、『0・1ミリのタイムマシン』(くもん出版。2009年産経児童出版文化賞大賞受賞)、『海底ごりごり 地球史発掘』(PHPサイエンス・ワールド新書)がある。

趣味は、動物園・水族館をめぐって生き物の写真を撮ること。
バイクに乗ることも好きだったが、本書で紹介する研究において重要な転機となった事故に遭って以来、乗っていない。

著者について
須藤 斎
須藤 斎(すとう・いつき)
1976年生まれ。筑波大学第一学群自然学類卒業。同大学大学院地球科学研究科博士課程修了。博士(理学)。現在、名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻准教授。微化石のひとつである珪藻化石の調査・分類によって、過去の地球環境の復元と未来予測に取り組む。著書に、『0・1ミリのタイムマシン』(くもん出版。2009年産経児童出版文化賞大賞受賞)、『海底ごりごり 地球史発掘』(PHPサイエンス・ワールド新書)がある。趣味は、動物園・水族館をめぐって生き物の写真を撮ること。バイクに乗ることも好きだったが、本書で紹介する研究において重要な転機となった事故に遭って以来、乗っていない。