新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

近代の理性主義の裏側を描く「オカルティズム 非理性のヨーロッパ」

2018年12月13日 | 新刊書
オカルティズム 非理性のヨーロッパ (講談社選書メチエ)
大野 英士 (著)


オカルティズムが社会にとって意味のあるものとして登場したのは近代になってからのようです。
近代という理性の時代の背後で、オカルト的なものが跳梁する場が開かれたのでしょう。
「理性の時代を貫く非理性の系譜」としてオカルティズムを捉える本書は
近代の理性主義を考えるためにも役立ちそうです。
これも読んでみたい一冊。

単行本(ソフトカバー): 320ページ
出版社: 講談社 (2018/12/12)
言語: 日本語
ISBN-10: 4065142601
ISBN-13: 978-4065142608
発売日: 2018/12/12

内容紹介
ヘルメス文書、グノーシス、カバラー、タロット、黒ミサ、フリーメーソンやイリュミナティなどの秘密結社、そしてナチ・オカルティズムとユダヤ陰謀論……古代から現代まで、オカルトは人間の歴史と共にある。一方、「魔女狩り」の終焉とともに近代が始まり、その意味合いは大きく変貌する――。理性の時代を貫く非理性の系譜とは何か。世界観の変遷を闇の側からたどる、濃密なオカルティズム思想史!

【目次】
序章 毒薬事件――悪魔の時代の終焉と近代のパラドクス
第一章 オカルティズムとは何か
第二章 オカルティズム・エゾテリスムの伝統
第三章 イリュミニズムとルソー――近代オカルティズム前史
第四章 ユートピア思想と左派オカルティズム
第五章 エリファス・レヴィ――近代オカルティズムの祖
第六章 聖母マリア出現と右派オカルティズム
第七章 メスマーの「動物磁気」とその影響
第八章 心霊術の時代
第九章 科学の時代のオカルティズム――心霊術と心霊科学
第十章 禍々しくも妖しく――陰謀論を超えて
終章 神なき時代のオカルティズム

著者について
大野 英士
1956年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒。早稲田大学大学院文学研究科仏文学専攻博士課程満期退学。パリ第七大学大学院でジュリア・クリステヴァに師事。2000年、文学博士号(ドクトル・エス・レットル)取得。専門はフランス文学。現在、早稲田大学ほか非常勤講師。著書に『ネオリベ現代生活批判序説』(新評論、白石嘉治ほかと共編著)、『ユイスマンスとオカルティズム』(新評論)など。訳書に『フランサフリック』(緑風出版、高橋武智との共訳)、『ピアニストのノート』(講談社選書メチエ)などがある。

脳についての話題作りに役立つ本かな「ヒトは7年で脱皮する 近未来を予測する脳科学」

2018年12月13日 | 新刊書
ヒトは7年で脱皮する 近未来を予測する脳科学 (朝日新書)
黒川伊保子 (著)


目次からも推測できるように、脳科学の本というよりは
脳科学をヒントにしたエンターテインメント系の本のようです。
著者は「株式会社 感性リサーチ 代表取締役社長、感性アナリスト、随筆家」を名乗る人です。
それでも楽しそうで、話のタネにはなるかもしれません。



新書: 192ページ
出版社: 朝日新聞出版 (2018/12/13)
言語: 日本語
ISBN-10: 4022950013
ISBN-13: 978-4022950017
発売日: 2018/12/13

内容紹介
世の流行の秘密を握る〝脳周期(ブレイン・サイクル)〟
「7年目の浮気」さえも理論づける、ブレを許さぬ脳の働きとは?

「一生この人と暮らすの?」
「定年まで、この会社で働くのか……」
誰もが抱く、こうした悩みは、7の倍数年という脳周期で生じていた!
それに呼応するかのように、
車の形、ウエディング・ドレスのデザインから店頭に並ぶお菓子まで、
世の中の流行も7の倍数年である56年周期で一巡りしている。
そんな脳が発する合図を見逃さずにとらえることで、思いも寄らない新たな未来がやって来る。
世界で起こるすべての事象を論理づける、ブレを許さぬ驚異の脳科学とは?


はじめに
第一章 脳には感性の周期がある
恋の賞味期限
脳の中の「7」
知恵の七柱
認知学者陶酔のテキスト
選択満足度なら「6」
ヒトは7日で暮らす
四十九日の奇跡
魂は存在する
幽霊も存在する
脳は満年齢を知っている
ヒトは7年で飽きる
7年目の浮気?
丸い車、四角い車
「四角い」で車を買う?
感性は28年で真逆に転じる
つけまVS .アイライン
マツダ ロードスターとマツコ・デラックスは似ている
大衆感性は56年で一巡する
脳というビュアー
人生の7年周期
6歳までは神の域
思春期の脳は誤作動する
阿吽の呼吸を知るとき
本質を知るとき
ブレインサイクルが人生を作る
「この世の謎」の正体、感性トレンド

第二章 感性トレンドで時代を読み解く
感性トレンドの可視化
自覚しなくても、ヒトは感性トレンドを遵守している
脳には、右脳派・左脳派なんてない
脳の二大気分
認識の仕組み
脳の中の「複雑」と「簡潔」
1999年のミステリー
日本語とイタリア語に共通するもの
日本語の音声認識が難しかった理由
世界の言語は二つに分かれる
イタリア人と日本人にしかわからないこと
母音派は歯触り、子音派は顎触り
子音派はクールで規則がお好き
母音派はエレガントな流線型が得意
日本語は世界にただ一つの完全二重言語
必要ないものを楽しむ
「カリ、パリ、サクっと軽い」から「まったり、もっちり、とろ〜り」へ
小悪魔アゲハとマリー・アントワネットの共通点
伊勢丹が教えてくれた、脳の秘密
女はなぜ、寄り道をするのか
2003年、なぜ、男たちまで寄り道を好むようになったのか
1999年は複雑期の始まりだった!

第三章 「今」を読み解く
「付加価値」の陳腐化
足し算の時代、引き算の時代
1985年のパラダイム・シフト
時計職人の悲劇
プロ受難の時代
時代に愛された男
時代は私を待っていた、私は生まれさえすればよかった
シャネル、逆風の時代
シャネル、再び時代の風に乗る
機能がなければスタイルじゃない
目的指向、機能性重視、普遍の定番
〝上から目線〞が時代の鍵
バラエティ、グループ、バリエーション
関西のおばちゃんがヒョウ柄を愛する理由
ウェディングシーンの複雑
静かに、トラディショナル
ウェディングドレスの感性トレンド
左右非対称、異素材ミックス
日本文化の台頭
自然派VS .人工的
らしさの時代
経過を楽しむVS .結果を急ぐ
トラディショナルの後、人々はどこへ行くか
夢から使命へ
複雑脳の「曲線」好き、簡潔脳の「直線」好き
曲線の中の尖り、チョコクランチブーム
複雑脳の「高さ」好き、簡潔脳の「横長」好き
「高みを目指す」と「高みにいる
だめなのがいい
オンリーワンにもならなくていい
時代の花道を行く世代
Hanakoが生きた時代
24時間戦えますか、は、マジだった
Hanakoがママになると
Hanako、失速す
Hanakoジュニアデビュー!
政治家たちの〝56年ぶり〞
宇宙計画、再び
ダラスのあの日から56年
「気持ちの温度差」が許せない時代
景気はどこまで持つ?
時代を楽しもう
おわりに 〜時代は私の前で裸になった?

プーチンの実相に迫る「ルポ プーチンの戦争」

2018年12月13日 | 新刊書
ルポ プーチンの戦争 (筑摩選書)
真野 森作 (著)


ロシアのプーチン大統領は、現代の政治家として傑出した人物だと思われます。
専制的な支配を支えるその政治的な手腕には驚かされることがあります。
本書は筑摩選書には珍しいルポとして
プーチンの実相に迫る書物のようです。
ぜひ読んでみたい。


単行本(ソフトカバー): 394ページ
出版社: 筑摩書房 (2018/12/13)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480016767
ISBN-13: 978-4480016768
発売日: 2018/12/13

内容紹介
戦争が続くウクライナの現実。訓練された謎の覆面部隊、撃墜された民間航空機、クリミア半島のロシア編入……。何が起こっているか。ロシアの狙いは何なのか。

序章 戦争がはじまった/
第一章 謎の覆面部隊/
第二章 親露派の武装占拠/
第三章 マレーシア航空機の墜落現場/
第四章 タタール、蹂躙された歴史/
第五章 親露派支配地域の人々/
第六章 裏切られた戦争/
終章 皇帝プーチンの戦略


著者について
一九七九年、東京都生まれ。一橋大学法学部第三課程(国際関係)卒業。二〇〇一年、毎日新聞入社。北海道報道部(札幌、苫小牧)、東京社会部、外信部、ロシアでの語学留学を経て、二〇一三年一〇月から一七年三月、モスクワ特派員として旧ソ連諸国を担当した。