Written by Toshiaki Kimura
2014年8月7日 10:00 沖縄本島 崎本部 -2m 26℃ 10cm Cirripectes perustus
水深2mのユビエダハマサンゴの中で真っ赤にうごめくカエルウオの仲間を見つけました。
今まで見たことのないような鮮明な赤いカエルウオ・・・色々と確認したところ
学名:Cirripectes perustus 英名:Flaming blenny (フレミング・ブレニー)という
そうです。 通常カエルウオの仲間は逃げてしまうと同じ場所には戻ってこないのですが
この赤い個体は、同じところを行ったりきたりしながら、せわしなく動いていました。
その行動は繁殖行動そのものだったので、周りを確認したところ・・・
黒い個体がユビエダハナサンゴの隙間に隠れていました。 手前と奥に写っている
のは卵だと思われます。 手前の卵はハッチアウト寸前の卵と思われます。
手前の赤い個体と、奥の黒い個体が一緒に写っている写真です。 奥の黒い個体
は、微動だにせず、産卵行動をしていたメスと考えられ、赤い個体は求愛中のオス
と思われます。
座間味島で確認されているCirripectes perustusの写真を見たところ、この個体
のように鮮やかな赤ではなく、レンガ色をしたものでした。 また目の虹彩部分が
上記の写真のように縦にスジは入っていませんでした。 推測ですが、今回の赤い
個体はオスで、求愛行動をしており、体色が鮮やかな赤になったり、目の虹彩に
縦にスジが入ったりするのは興奮色だと考えられます。
2014年8月8日 10:00 沖縄本島 崎本部 -2m 26℃ 10cm Cirripectes perustus
上記の写真は翌日撮影したものです。 左下の卵がハッチアウトして、そこに新しい
卵が産み付けられていました。また黒いメスはいなくなっており、赤いオスだけが
卵を守っていました。 このオスの色彩は昨日よりも落ち着いてレンガ色をしており
また虹彩にも縦のスジはなくなっていました。
これが生みたてと思われる卵のアップです。
生息環境は上記のような水深2m前後のユビエダハマサンゴの間です。
この上の環境、水深1m近辺はソフトコーラルに覆われた場所でした。
今回の観察でわかったこと、推測は
・メスは黒い体色をしているのではないか?
・オスは通常はレンガ色の体色、求愛時は鮮明な赤い色となり虹彩は縦にスジが入る
・繁殖場所は比較的浅い2-10mのユビエダハマサンゴの間などで行われる。
・ハッチアウトから産卵までは早く、2014年8月7日から8日にかけてハッチアウトし
すぐさま次の産卵にはいったと思われる。
・同じ場所で連続して産卵行動を行っている、オスは産卵床を持っている。
以上 リベルテ 木村俊明(トシ)
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