よかったら、読んでみてね
昔々あるところに、優しくて勇敢な男の子が住んでいました。
いつも紫のベレー帽をかぶっていたので、「むらベレちゃん」と呼ばれていました。
今日は、大好きなママに頼まれて、おばあちゃん家におつかいに行く途中です。
梅雨に入ったせいか、くもり空がつづいて、うっとうしいので、景気づけに歌をうたいながら、てくてく歩いています。
「ウワバミお小夜はぁ~ 21♪ 100年経ったら生きていなぁ~い♪」
どこかの国の子守唄を歌っていたら、おばあちゃん家に着きました。軽いタッチでチャイムを押すと、ドアが開きました。
おばあ:よく来なすったねぇ~。むらベレちゃん!!さぁ、中へお入り。
むらベレ:え!?おばあちゃんどうしちゃったの~!!こ・わ・い。
おばあ:あっごめん、ごめん。あーんまり変わり映えのしない毎日なので、おとといから、上半身だけ、サメになったんじゃよ。どう!?かわいい?
むらベレ:どう!?っていきなり言われても・・・。とりあえず、おじゃましまーす。(もちろん、下半身は人間のままなので、すたすた歩きながら、冷蔵庫からぶどうジュースを出して、むらベレちゃんの前に置いてあげます)
むらベレ:まだびっくりして、ドキドキが止まらないけど、おばあちゃん、このかっこうで、外とかに出かけるの?
おばあ:もちろん。当たり前じゃよ。「只今 悪目立ち中」の看板を胸にぶら下げて、歩けば大丈夫。意外とみんな好意的に受け止めてくれて、助かってるさぁ~。それに、ぐふっぐふっ・・・。
むらベレ:おばあちゃん、鼻息荒いよ。なんかいいことあったの?
おばあ:散歩してるじゃろ。保育園の2~3歳児とか、リヤカーに載せられて・・・。
むらベレ:あー、ちょーかわいいよね。天気のいい日とか、ママと公園で遊んでて、みたことある!!
おばあ:たまに、人数が多すぎて、やんちゃな子供が3~4人、地面に負けて、出そうになるのを、口の中に、やさしく入れて、保育園まで、送っていくアルバイトしてる人じゃよ。
むらベレ:そうなんだぁ~。83歳になっても、世のため、子供たちのため、アルバイトなんて、すっごいよおばあちゃん。よっ!!上半身ジョーズ人のかがみ!!(パチパチ)
おばあ:そんなおだてても、なーんも出ないよ。さぁおばあ、特製堅焼きせんべいをお食べ。
むらベレ:あちちち・・・。うわぁ、いいお醤油の香り。いただきまぁ~す
おばあ:できたてなんで、熱いじゃろ。いっぱいあるでに、ママにも持っておいき。
むらベレ:うん。そうする。ねぇ、おばあちゃん、これあくまでも予想なんだけど・・・。
おばあ:なんじゃあ。
むらベレ:この堅焼きおせんべも、世のため、人のためだったりして。ジョーズならではの本能を抑え込むために、毎日堅焼きおせんべ、ばりばり食べてるんでしょ。本当はちがうものを、いただきたいんじゃあ・・・。
おばあ:これこれ、むらベレちゃん。人間、本心を言わなくても、いい日もあるんじゃよ。
むらベレ:はっ!そうだよね。じゃあそろそろおいとまするね。このお土産のマシュマロをたまに堅焼きおせんべに挟んで食べてね。違うものには、ない味わいになるんで・・・。おばあちゃん、ばいばい。またね!!
20分後、家でのんきにバンブーダンスをしていたママの元へ、むらベレちゃんは帰っていきました。(おしまい)
前回は山田涼介くん編でしたが、今回は髙木雄也くん編です。
寄る年波。堅いおせんべが食べられない(泣)ほうほうほでした
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