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ジョージィのおとなりさんたち

【個人史】「人生って、とっても楽しいもの」
そんな風に感じている今日この頃。Blogでメモっておきたい。

回想: 償い旅行記③

2006年09月24日 23時48分47秒 | Weblog
牛乳屋のおじさん の家を後にすると、宿泊ホテルとして当時のアルバイト先 を選んだ。

宴会場は拡張されていたが、当時のたたずまいそのままで残っていた。
10年ぶりである。
チェックインを済ませ、館内を歩き回っても誰一人として知っている人物に会わなかった。当然私が「以前働いていた」と言っても興味を示してはもらえない。唯一、料理長は同じだったが私の事など覚えている風もない。

それにしてもおかしい。週末の午後4時だというのにどの宴会場も準備している様子がない。当時なら、全室おおわらわで準備していなければならない時間だ。
フロントからも見通せる大宴会場にも入ってみたが、テーブルは全部しまい込んである状態だ。

ようやく一人の宴会スタッフが姿を見せた。私とソリの合わない人物 だった。

宴会予約を聞いても 宴会は一つも入っていないと言う。私は耳を疑った。
他の人たちはどうしたのか聞くと、
当時の宴会主任は観光客が一番多い温泉地の大ホテルに引き抜かれ、他の二人の先輩社員達もそれぞれ別なホテルの宴会責任者として誘われて辞めて行ったと言う。
 (参照:嫌われ者ジョージィの困った性格 (職場編2)なに様!!(3)

「みんな居なくなったのなら、アンタはいま何(の役職)をやっているのか?」と尋ねると、「宴会主任をやっている」と答えが返ってきた。

悲しんでいいのか、喜んで良いのか、
ライバルホテルオープンを期に、優良ホテル乗っ取りを企んだ銀行の結末を見た。


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回想: 償い旅行記①
回想: 償い旅行記②
③ 回想: 償い旅行記③

回想: 償い旅行記②

2006年09月24日 22時51分58秒 | Weblog
人は誰でも『良心』を持っている。
自分が行おう(選択しよう)とする事柄に対して 正しい 方向を心の内に示してくれる。そしてまた、過去に犯した過ちにも悔いる気持ちを起させる。

私も社会人になってからずっと心に引っかかっている事が2つあった。
しかし相手は知らない自分の過ちをわざわざ露わにするのは恥ずかしく延び延びになっていた。
そして、30歳を目前にした頃ようやく勇気を出した。

一つ目は前年謝罪旅行を済ませていたが、
2つ目は、中3の10月~高校卒業まで住んだ地を訪れた。
ホテルでのアルバイト を始める以前、寝坊癖を克服するために「牛乳配達」をしていた。仕事であれば否が応でも布団から出なくてはならないからだ。

当時は牛乳パックなどは無く全てビン詰めであったから、500ccや1000ccの大瓶や普通の牛乳瓶を木箱ケースやハンドルに下げる大袋に入れ自転車に積んで一軒一軒配達していた。
なにせ瓶入りであるから、割れる可能性もある。割れたときの予備用に数本余計に持ち出していた。
早朝仕事で人通りは少ない。私はこの内の一本を配達途中で毎日勝手に飲んでいたのである。

成人してからというものこのことが思い出され悔やまれて仕方がなかった。
牛乳屋のおじさんを訪問したが、おじさんはとうに亡くなって牛乳屋もやめたとのことであった。対応してくれた娘さんに深く謝罪し当時の牛乳代として3万円を置いてきた。
ようやく胸のつかえが取れた気がした。

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回想: 償い旅行記①
② 回想: 償い旅行記②
回想: 償い旅行記③

回想: 償い旅行記①

2006年09月24日 15時49分23秒 | Weblog
そもそも私が 家を出た 理由でもあるが、多くの人と出会って話をし、『世の中の実情』を知りたかったのである。
アルバイト で高校を卒業した後、新聞奨学生 をしながら進学もした。
こんな風だから、
実は特段努力しなくとも、私が成人を迎えるまでには、仕事を通してたくさんの人々との出会いがあり、話を聞き、社会人になってからも同様に、仕事でもプライベートでも多くの人との繋がりが増えて行ったのである。

私が20代半ばになったとき、全く環境を変え(横浜を出て)精力的に人々と話し合った。
そのころ出会った人たちには、
突然、「いままでずっと黙っていたが、実はオレはヤクザなんだ!あんたと話していて決心がついた。オレは絶対ヤクザをやめる」と言い出す人や、
何回目かに会ったとき、
「自分の外見を見ただけで『アイツは不良だから』と、いままで誰もまともに話をしてくれる人は居なかった。○○さんは最初に声をかけてくれた時からずっと普通に話してくれた。嬉しかった。だからもう現在入っているグループから抜ける。間違いなく半殺しに会うけどそれでも良い。抜けて真面目に生活する』と話す若者。
そうとは知らなかった(思ってもいなかった)私の方が驚いた。

また、
リヤカーを引きながら古紙を集めて回っている中年の男性がいた。
「何度会っても、表情も態度も人格的に高く見えるのだが?」と伝えると正直にこう答えた。
「・・・
いまの自宅には、男に騙されたせいで錯乱状態になった女性と一緒に住んでいる。絶対に男を寄せ付けない。長く一人にしておくと自殺しかねないので会社勤めが出来ないのだ。
・・・」
私が「何の見返りも無いのに、頭がおかしくなった女性を引き取って、リヤカーを引きながら養っている?」
すると、
『自分は昔、名のある大手でいい役職にも就いていた。そのころは自分も大勢の女性たちを泣かせて来た。今の女性と出会った時、「まちがいなく自分の罪滅ぼしだ」と感じたからだ』と、静かにほほえんで、笑顔でリヤカーを引き帰って行った。

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① 回想: 償い旅行記①
回想: 償い旅行記②
回想: 償い旅行記③