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ジョージィのおとなりさんたち

【個人史】「人生って、とっても楽しいもの」
そんな風に感じている今日この頃。Blogでメモっておきたい。

嫌われ者ジョージィの困った性格 (職場編2)なに様!!(4)

2006年09月12日 20時57分01秒 | Weblog
近隣都市にも新たなホテルが建築中とのことで、そこで中核となる社員達が自分たちの目標とすべきホテルとして研修にもやってきた。
私の働くホテルは、地域のコアとして不動のものだと感じていた時である。

ある日気がつくと、結婚披露宴を始めとする種々の宴会予約がぜんぜん入っていない。

同僚大学生らの出勤日が削減され始めた。一種のリストラである。
私の単価は大学生の2/3(時給120円)であったのと、両親からは金銭を受けていないとのことで毎日の出勤が許された。
出勤して、昼食時、夕食時が勤務中であれば学生アルバイトには社員食をタダで食べさせて貰っていたので、出勤できないと私にとっても大変な痛手となった。

【 ライバルホテルの出現 】
宴会が激減した理由は、街の中心地にオープンした大型ホテルである。
駅やバスターミナルに近く、かつ、繁華街の中心に建てられた大型の宴会場を持つホテルにお客が一斉に流れた。
何ヶ月も大きな宴会も無く、ホテルの倒産を覚悟し勤務先の雰囲気は一変。
働くだれもが新しい職場を探した方が良いかとの心配が渦巻いていた。

経営陣の一人、直属の宴会課長らとも「もうダメだ...」と話していたときだった。
予約の電話が鳴り出した。

久々に、
大きな披露宴や宴会が催されるたびに、お客様たちが私たちスタッフのところにやってきた。
「いやいや、ここのホテルのほうが感動的な披露宴だよ。またよろしく頼みます」
「こっちのホテルのサービスのほうがまちがいなく良いことがはっきり分った」と、
かつての常連のお客様達が、他の別なホテルを利用していたお客様達をも連れて帰って来てくれた奇跡の瞬間だった。
私が高校を卒業する頃には、宴会場建て増し計画も進んでいた。


こんなに沸き立った職場だったが、どうしても気の合わない社員が居た。
ライバルホテル出現の数ヶ月前に入社してきた社員である。
ホテルが経営困難になった時期でも平気な顔をしていた。
そして私に「オレが主任になったらお前なんかクビにしてやる!」と云ったが、
私ははっきり「アンタが主任になったらこのホテルはつぶれるよ」とイヤミたっぷりに言い返した。

このときは彼が 銀行から送り込まれてきた人間 だとは知る由もなかった。

(終)

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嫌われ者ジョージィの困った性格 (職場編2)なに様!!(3)

2006年09月12日 19時09分41秒 | Weblog
「そんなサービスでお客様が『満足』出来るか!!」
私の怒鳴り声が職場に響きだしたのは、私が高校3年になった春の事である。

アルバイト先のホテルは順調に業績を伸ばし始め、会社(ホテル)は中途・新卒等何人かの新人社員を迎え入れていた。

新たな社員が増えるに連れ、社員達のお客様に対するサービス態度(接遇)だけは私も絶対に妥協ができなかった。
改善して欲しいところを指摘し、それでも努力しなければ社員らを怒鳴りつけていたのである。

これは会社(ホテル)にとっては苦笑ものである。
高校生のアルバイト学生が、社員らを叱りつけるのだ。
やがて、
「まぁ云っている内容もあながち間違ってはいない」と考慮してくれる社員が現れた。
職場の上長、宴会主任である。
宴会主任は、
結婚披露宴での司会の時、地元と主要都市を結ぶ国鉄本線の60近くの駅名を順番に間違えることなく一気に言い通す隠し芸を考え、宴会の度に披露して客の大喝采を浴びた。
私が働き始めた頃からの、もう二人の先輩社員らもそれぞれお客の喜びそうなネタを考え、自分が責任者となった小規模な宴会で披露するチャンスを見計らった。

宴会主任のチャレンジは続く。
ときどき宴会主任がやってきて
「○○君、今日ギターを持ってきているか?持って来たなら一緒に来てくれ」と呼び出された。

「例の唄を歌ってくれ」と連れて行かれるのは、さっぱり盛り上がらない客が集まった小さな宴会場である。
歌う曲は、大学生アルバイト諸兄が作詞・作曲し、私がギターで歌いやすいように編曲した地元ソングだ。
しかも詩も曲もかなり無理があるのだ。
しかし、歌い終わると客は「良かった。良かった。」と拍手してくれる。
すると宴会主任は、
「ご静聴ありがとうございました。『歌が終わって本当に良かった』ということで私たちは失礼いたします。」と宴会場から廊下に出る時には、部屋の中からお客様たちの笑い声が聞こえてくるのだ。

こんなに皆で一丸となって頑張った職場なのに、やがて予想もしない事態が起こった。


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2006年09月12日 16時43分26秒 | Weblog
地方ホテルの主要な収益は「結婚式」から得られるだろう。
当時の私の職場(ホテル宴会係)でも 連日のように結婚披露宴が入っていた。

結婚披露と云っても ジョージィの地方は 出席者が300人以上はごく普通。
会場一杯のテーブルの間を歩くのも困難になる400名近くの宴会も決して珍しくは無い。
この人数を、ホテル社員、大学生アルバイトと私(高校生)の7~9名でこなすのだ。
(時給も安かったので大学生が集まらず私が高校生でも目をつぶって雇ってくれたに違いない。)

私にとって都合が良かったのは、
私が勤務を始めた頃は宴会における客数も少なめで、余裕で仕事をこなせる量だったのが、徐々にだが(客数は増え)確実に忙しくなってきた。
おかげで、
会場係に用を伝えようとする客のわずかな動作を見逃さない訓練にはちょうど良かった。
すなわち、
大勢の中での個人の小さな行動にも心を配る訓練がこのとき出来たのだと思う。

結婚披露宴での重要なポイント、
すなわち入場や花束贈呈などでのスポットライトの充て方次第で会場内に広がる「感動」が違う事に気がついた。
同様に、
接し方一つでお客様の反応(満足度)が違うことに気がついた。

同僚達は、”一番下っ端の仕事みたいだ”と嫌がったが、
お客様に喜んでもらえるらしいと気づいた私は 進んで「スポットライト係」を引き受けていた。


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嫌われ者ジョージィの困った性格 (職場編2)なに様!!(1)

2006年09月12日 15時09分32秒 | Weblog
職場に限らず多くの場所で私に投げつけられる言葉が、
『お前!なに様のつもりだ!!!』である。彼らの怒りを表すならば「!」の数はとうてい足りない。

もう一つ、似た言葉で、「あなた一体何者??」がある。
今回は同僚・上司らにとって「怒り心頭の『!』」の始まりについて記す。

私が高校2年で家を出てからは、地方ホテルでのアルバイトが収入源となった。
少し説明を加えるなら、
高校2年の夏に移る時期「テーブルマナーを身につけたい」との単純な理由で「宴会係募集」の新聞広告に飛びついたのだ。
この収入が有ったからこそ、親父との喧嘩でも「なんとかなるだろう」と家を飛び出した。

家族とのしがらみを取り払い開放感を得、また、自分の生活を自分の労働で支えるという緊張感は職場での仕事に取り組む姿勢にも現れた。


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