万葉集ブログ・1 まんえふしふ 巻一~巻八

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1302 柿本人麻呂歌集

2009-07-26 | 巻七 比喩歌
海神 持在白玉 見欲 千遍告 潜為海子

海神の 持てる白玉 見まく欲り 千たびぞ告(の)りし 潜きする海人(あま)


「“海神の”持っている真珠を1、見てみたいと、千回も口に出して言ってから、潜水する漁師がいるよ」

(箱入り娘の、あのコに近づきたい、と何回も言ってから、海に潜るヤツがいるぜ。危ねえな)

1301 柿本人麻呂歌集

2009-07-25 | 巻七 比喩歌
海神 手纒持在 玉故 石浦廻 潜為鴨

海神(わたつみ)の 手に巻き持てる 玉故(たまゆゑ)に 礒(いそ)の浦廻(うらみ)に 潜(かづ)きするかも


「“海神の”手に巻き持っている、真珠ゆえに(どうしても欲しい)。波打ち際の湾曲した場所に、潜水して(真珠を採取したい)」

(頑固親父が、大事にしている娘を、俺はゲットしたい。そのために、目立たぬように、水面下で工作して、あの女を俺のモノにする)

1300 柿本人麻呂歌集

2009-07-24 | 巻七 比喩歌
遠近 礒中在 白玉 人不知 見依鴨

をちこちの 礒の中なる 白玉を 人に知らえず 見むよしもがも


「遠近の、石だらけの波打ち際から、白真珠だけを、ほかの人間に知られることなく、見る手段はないものか」

(あちらこちらから、若い娘だけを、他人に知られず、ゲットできる方法はないものか)

1299 柿本人麻呂歌集

2009-07-23 | 巻七 比喩歌
寄玉

安治村 十依海 船浮 白玉採 人所知勿

あぢ群(むら)の とをよる海に 舟浮けて 白玉採ると 人に知らゆな


玉に寄せる

「“あぢ群の”海に小舟を浮かべて、真珠を採取している。他の人に気づかれてはいけない」

(アジガモが騒ぐ海で、ボートを漕いでギャルをナンパする。彼女の父親にバレてはいけない)

●あぢ群の:アジガモが群がって鳴き騒ぐ

1298 柿本人麻呂歌集

2009-07-22 | 巻七 比喩歌
干各 人雖云 織次 我廿物 白麻衣

かにかくに 人は言ふとも 織り継がむ 我が機物(はたもの)の 白麻衣(しろあさごろも)


「あれこれと、世間の人はいうけれど、機織りは続けます。私の織物は、白い喪服なんです」

●当時の喪服は、白装束であったといわれる