先日車内から撮った写真。
札幌からほんの一時間走れば、こんな風景が広がっている
台風が空気をきれいにしていったので、遠くまで本当にすっきりと見える
この日は遊びに出かけたわけではないので、とてもそんな気分ではなかったが
やけにはしゃいでシャッターを切り続けている妹につられてしまった。
こんな風に、兄弟揃ってどこかに行くなんて、これが最初で最後かもしれない
スクーター並の速度で北上してくる台風を気にしながら
私は湿度ですっかり狂ったスケジュールの帳尻合わせに必死になっていた。
ロクロを引いた生地は一向に乾かず、化粧がけする予定の生地もまだ黒い
私はとうとうストーブに点火して、ぬるい空気の中、作業を進めようとする
母は朝から電話を気にしてそわそわしている。
いつくるかもわからない報告の電話に、家中が敏感になっていた。
叔父の死を告げるいとこからの電話はやけに軽い調子だった
その日の夕方、嵐の上陸と合わせるように、父母は台風に向かっていくはめになった
兄弟は通夜に間に合うように仕事の休みを取り、私は窯詰めをなんとか終わらせた
ダメ元でストーブを一晩中焚きっぱなしにして化粧掛けをしてみたが
翌朝、出かける前に覗いた仕事場は悲惨なことになっていた。
晴れ女を豪語する妹のおかげか、私達が出かける頃には天気は回復していた。
天国が、文字通り天にあるのなら、叔父さんは嵐に乗って一体どこまでいったんだろう
峠を一つ越えただけなのに、葬儀のしきたりは結構違うものだ。
私達と叔父を乗せたバスは、生前ゆかりのあった場所を一通りまわっていく
警笛が鳴らされる度に、誰ともなくその場所について語られる
こんな風にゆっくりと親族の手で見送られるのもいいものだな、と思いながら
普段とは違う時間の流れ方に、私は少しだけ居心地の悪さを覚えていた。
札幌からほんの一時間走れば、こんな風景が広がっている
台風が空気をきれいにしていったので、遠くまで本当にすっきりと見える
この日は遊びに出かけたわけではないので、とてもそんな気分ではなかったが
やけにはしゃいでシャッターを切り続けている妹につられてしまった。
こんな風に、兄弟揃ってどこかに行くなんて、これが最初で最後かもしれない
スクーター並の速度で北上してくる台風を気にしながら
私は湿度ですっかり狂ったスケジュールの帳尻合わせに必死になっていた。
ロクロを引いた生地は一向に乾かず、化粧がけする予定の生地もまだ黒い
私はとうとうストーブに点火して、ぬるい空気の中、作業を進めようとする
母は朝から電話を気にしてそわそわしている。
いつくるかもわからない報告の電話に、家中が敏感になっていた。
叔父の死を告げるいとこからの電話はやけに軽い調子だった
その日の夕方、嵐の上陸と合わせるように、父母は台風に向かっていくはめになった
兄弟は通夜に間に合うように仕事の休みを取り、私は窯詰めをなんとか終わらせた
ダメ元でストーブを一晩中焚きっぱなしにして化粧掛けをしてみたが
翌朝、出かける前に覗いた仕事場は悲惨なことになっていた。
晴れ女を豪語する妹のおかげか、私達が出かける頃には天気は回復していた。
天国が、文字通り天にあるのなら、叔父さんは嵐に乗って一体どこまでいったんだろう
峠を一つ越えただけなのに、葬儀のしきたりは結構違うものだ。
私達と叔父を乗せたバスは、生前ゆかりのあった場所を一通りまわっていく
警笛が鳴らされる度に、誰ともなくその場所について語られる
こんな風にゆっくりと親族の手で見送られるのもいいものだな、と思いながら
普段とは違う時間の流れ方に、私は少しだけ居心地の悪さを覚えていた。