馬とトラという、変な組み合わせになりました。
39【塞翁が馬】……人生の幸、不幸は予測ができないこと。「人間万事――」
*この「塞翁が馬」のよみは? →[ がうま]
砦(要塞)に住む老人の馬が逃げ、周囲の人が同情すると、老人はこれで幸せになるかもしれないと答えました。やがて馬は伴侶を連れて帰ってきて、不幸転じてラッキーになりました。周囲の人がそれを祝福しました。世の中って、表面的なことでとりあえず反応するわけです。
さて、老人は「これが災いとならねばよいが……」と答えました。二頭の馬に子どもが生まれ、老人の子(お孫さんでしょうか?)はその馬から落ちて足を折ってしまいます。
そのお見舞いにきてくれた人に、老人は「これが幸運となるかもしれない」と答えました。老人は、先見性があるというのか、先が見えるというのか、ただのひねくれ者だったのか、素直にウンとは言わないのです。
やがて戦争が起こります。若者の十中八九は戦死しましたが、骨折した息子は戦いを免れ、親子とも無事だったという話がもとになっています。〈淮南子〉
人の運命って、どう転ぶか先が読めない。この不思議さを伝えるエピソードです。
40【馬耳( )風】……人の意見などを右から左と心にとめない。馬の耳に念仏。
お馬さんに失礼なことばですけど、わりと無関心な生き物らしい。それがずっと付き合っていると、こちらに寄り添ってくれる時があって、大きな喜びにつながるみたいです。
41【馬(ば)( )馬(うま)のように】……脇目もふらずにがむしゃらに突進するもの。
今の世の中では流行らなくなったことばです。そんなにガムシャラな人なんていないと思います。
42【馬( )を重ねる】……自分が年をとったのに、たいしたこともしていないと謙遜するときに使う言葉。
→馬に対して失礼な言葉ですが、その速さから? 人間に近しい生き物なのに、寿命が短いし、立って寝たりする、駆け抜けるようにして一生が終わってしまうのをふまえてのことばなんでしょう。
43【虎( )に入らずんば虎子を得ず】……危険を冒さなければ、大きな利益を手 に入れることはできない。〈後漢書〉 →虎のすみかを漢字一字で何という?
タイガーマスクだって、そちらで鍛えられました。私なんかが行くと、簡単にやられてしまう!
44【虎視眈眈】……[獲物などを襲う]機会をねらっている様子。〈易経〉
さて、「虎視眈眈」のよみは? →[ ]
意味は分からなくても、眼へんに沈没の「沈」みたいな字だから、とにかくじっと見るという意味は伝わる気がする。
45【虎の( )を借る狐】……有力者の権勢・権力をかさに着て威張る小人物のたとえ。〈戦国策〉 →いかめしさ・勢い・畏(おそ)れなどを示す漢字一字は?
なるべくそうなりたくないのです。でも、そばに大権力があれば、みんながそうなってしまう。人のあさましさを伝えることばなんでしょうね。
46【虎の( )を踏む】……きわめて危険なことをするたとえ。〈易経〉
別のことわざで、「虎の口へ手を入れる」「剃刀(かみそり)の刃(は)を渡る」などがあるようです。人間って、危ないことが好きだから困ったものです。
47【虎の( )】大切にして手元から放さないもの。秘蔵の金品。「――のへそくり」
虎の○に対する愛情は深く、大切にすることから。
★ 解答 39・さいおう 40・東 41・車 42・齢
43・穴(けつ) 44・こしたんたん 45・威 46・尾
47・子