お父さん、オリンピックは延期になりました。お父さんはそれどころじゃなかったろうし、「おもてなし」というプレゼンも、世の中の人はみんな喜んでたけど、当時の私たちは、何もおもしろくなかったのを思い出します。2013年でしたっけ。どうして世の中あんなに騒いでられるんだろうと、うちの家族は、みんなションボリしてました。そりゃ、当たり前でしたね。
でも、母はえらくて、「お父さん、オリンピックが東京に決まったよ」とフツーに話しかけてましたよね。そんな普通さ、ボクは持てなかったんでした。
お父さんの顔を見てたら、「そんなことどうでもいいのに！」「お父さんは、それどころじゃないのに！」と、少し悲しいような、怒ったような気分だったのを思い出します。
お父さんは、どんなふうにして聞いてたのかなぁ。
だから、ボクはこの7年間、オリンピックはあまり考えていませんでした。リオ・デジャネイロは、地球の裏側で、そんなとこでもオリンピックやれるんだと思って、いくつかは見たと思いますが、基本はどうでもよかったんです。アスリートの人たちには申し訳ないけど。
そのオリンピックが、まさか、延期になるなんて思ってもみませんでした。
お父さん、もし、今回みたいになったら、ガッカリしたかなあ？ たぶん、しなかったでしょ？ そんなに興味なかったですよね。マラソンくらいじゃなかった？
ボクは、2013年の気分を引きずって現在に至っていたので、全く心を閉ざしたままでした。だから、延期と聞いて、とりあえず、よかった。世界のみんながイヤがっていることを、わざわざ日本でやらなくてもいいし、みんなが移動したくないのだから、ぜひ、みんな大人しくして欲しいと思っています。
まだまだ、コロナの猛威は続くと思います。
お父さんなら、そんなにガッカリもしないで、まあ、仕方がないと思いますか。
ボクは、もう少し、世界中が落ち着いて、税金もいっぱい使うと思うけど、それこそ平和の祭典として、世界中の人がオリンピックに集中できる環境・状況で、それなりに盛り上がって、やってもらいたいです。
あと1年あるとしたら、余計なものはカットして、聖火リレーみたいな、企業とのタイアップはやめて、もう少しやりたい人たちの、みんなの大会にしてもらいたい。
それは理想かな。結局、何かにつけてお金がからんで、すべての関連行事はみんなパック化されてるんでしょう。だから、みんなのオリンピックじゃなくなって、限られた人の、お金に余裕のある人の、テレビで楽しみたい人の、限られたものになっていくんでしょう。
もう、お父さんも、息子のボクも、オリンピックどころではない年代でしたね。
それよりも、税金を使わないで、福祉やら、環境問題にお金を使って欲しい年代になってたんですね。
そうか、若い人は、やはりうれしいのかもしれない。そういうのは大事にしなくちゃいけないし、バランスかな。だったら、森さんも、若い人に譲って、お前に任せる、というふうにした方が、楽に生きていけるのにと思います。いや、あの人は渦中の人の方がいいのかな。わかりません。本人じゃないから。
とにかく、来年もＮＨＫさんはニュースのネタが確保されて、うれしいでしょうね。もっと伝えなきゃいけないことはあると思うけどなぁ。
