La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

新築の家でキャンプ

2016年11月27日 | 新築

<11月2日>

 

犬の大群の吠える声がうるさく、風の音が意外と大きかったものの、疲れていたのでよく眠れた。

 夜明けの綺麗なことといったら!

 そして、コーヒーを淹れる。

コーヒーメーカーだけはすぐ出るように引越し荷物を作っておいた。マキタだったか、機械用の充電器で充電できるコーヒーメーカー(あのマキタのドリルや何やと同じテイストのデザイン!)があるが、欲しい気持ちがよくわかる。

 庭はこんな感じ。

 今度は浄水槽の蓋を作る。

 

<11月3日>

  電柱を立てる。

例によって人力で穴を掘って、1本残しておいた屋根の小梁を突っ込む。周りをコンクリで固めて、砂で埋めて地面をならして、電柱にする。

水道もそうだが電気も来てない土地なので、ドアノブに袋がぶら下がっていて電話一本入れればいいだけの引越とはわけが違う。日本での手続きがどうなのか知らないが、ここでは配線や器具など敷地内の設備を全て完成させた時点で電気公社に連絡し、公社の人間が来てすべてチェックしてよしとなると、電柱に取り付けたスイッチをON!にしてくれる。

9日に日本から家族が来るからそれまでには絶対開通させよと言ってあって、この時点では何の問題もないと聞かされていた。

 2階寝室の天井。

この天井の仕上げはなぜかずっと放ってあって、Lさんにも何度も尋ねたんだが答えが二転三転していた。ここが終われば、1階の細かい工事が残っていてもここで寝られるんだが、いつまでたっても終わらない。後からわかったのは、なぜかLさんが色気を出して高いプラスタボードを使うことにし、そうなると親方たちでなく窓屋(アルミ屋)の工事になるんだが、これがトントンと進まない。Lさんがプラスタボードを買いに行った日に雨が降って屋根のないトラックでは持って帰ってこられなかったとか、予定していた日にアルミ屋が来なかったとかで、いつまでたっても屋根のまま。

4日以降も、明日だ明日だと言われ続けて、結局、出来上がったのは8日の夜。それも、8時頃「明日、早く来る」と言って帰ろうとするのを「ノーモア明日!」と止めて、なんとか。疲れた疲れたと言って帰っていったが、だったらもう少し工程通りに物事を(以下略)。

 

<11月4日〜8日>

この頃にはもう「毎日の進捗」などと言って写真を撮っている余裕はない。9日には日本から母が来る。ところが1日の晩にはキャンプ状態で寝泊まりする我々を心配していたメキシコ人たちは、「意外と大丈夫じゃん」とでも思ったのか緊張を解きやがった。そこを「我々はともかく、日本から来る人間に水道電気は必須!」とハッパをかけるのに疲れた。

絵に描いたような「アスタ・マニャーナ」。直訳は「明日に」だが、ここでの意味は「今じゃない、つまりいつになるかわからない」である。要は前日に言っていたとおりにならないってことなんだが、そういうことが続くんで「よく考えたら1週間前にはできていたはずでは…?」なんてことになる。

 浄水槽のポンプの配線をするコビーさん。

上水道の水圧が低く、かつホリデーシーズンには急に人口密度が上がるため、タンク1個では水が足りなくなる。そこで、浄水槽を常に一杯にしておいて、2階の屋根の上に乗っているタンクにポンプで上げる。

 

そして8日。母の到着を翌日に控えて、電気公社が来るのは来週の水曜日というのを「ふざけんな!」と一蹴。普段ヘラヘラと彼らの冗談に付き合っているので、こうやって態度を一変させるとよく効く。Lさんは慌ててあちこちに電話しまくって、水道と同じく、公社との手続きの前に開通工事だけしてくれる人(袖の下で動く公社の人)を探し出し、なんとか電気が来た。

公社が開通工事に来るのは申し込みの3週間後というのが相場だそうだが、申し込みを早めに済ませておくわけにはいかない。公社の来る日に全部できあがっていないと、「ヘソを曲げて、次に来てくれるのは半年くらい先になる」という。で、その「来る日までに完成させておく」というのが、この国では不可能に近い。誰か何か遅れても、遅れを取り戻すという観念がないどころか、遅れの幅が拡大していく。

メキシコの「アスタ・マニャーナ」を理解してここへ来たつもりだったが、工程管理/時間厳守の感覚は、日本人として身に染み付いた本能と言ってもいい。「これからの人生は急ぐことなんか何にもないし、待てばいいだけだよね〜」などとヘラヘラ考えていたが、母到着という動かしようのないタイムリミットを前に、哀れニホンジンはストレスを溜めまくったのであった。

結局、水道電気はどうにか通じたものの、ドアがついたのはトイレのみ。他にも細かい工事が残り、「きれいな新居」には程遠い状態で、母到着。



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