年寄りの冷や水

定年退職者が感じることを書き残す

ライブドアの株式分割・株式交換による事業拡大はおかしくはないのだが??。

2006-01-18 06:09:12 | Weblog
・ライブドアグループが合併・買収に絡んだ証券取締法違反の容疑で捜索を受けている。「出る杭は打たれる」とか「不透明な事業規模拡大」等の変な評価がされたりして投資家の信用を悪くし、ライブドアだけでなく同様な戦略を取っている他のIT関連企業の株価までも下落した。土地とか工場とかの資産の少ないIT産業のようなサービス業では株式分割とか株式交換等で事業規模を拡大する事は普通の戦略であるはずだが。

・株式を2分割すると価値は二分の一となる。しかし、経営状況が良くて人気の高い株式はそのうちに株価が値上がりしてくる。その値上がりによって株式の時価総額が拡大されるので、それをもとにして金融機関から資金融通を受ける事も出来てM&Aも可能となる。また、時価の高い株式を多く持つことによって株式交換も容易となる。この戦略はおかしくない戦略である。

・株式分割をすればその時点で株式の価値はその分だけ低下するが、実際に新株が発行されるまでにはある程度の期間がかかる。新株発行までのその間に株価の下落を防ぐ為に、あるいは株価を分割前の価格までに上昇させようとして財務状況の虚偽の情報を報告したり、あることないことの新たなM&A等の新規施策情報等を流したりすると、投資家への詐欺行為を働くこととなり、それが証券取引法違反となる。もちろんこれは株式分割以外の時においても、あってはならないことである。

・株式交換でライブドアグループとした会社の株価は多分上昇するだろう。その株式を時期をみて売却して利益を得ることは普通の戦略であり間違いではない。その時にM&Aした会社の株価を上昇させるような虚偽の財務報告したり、あるいは、高くなった株式を売却しておいてから恣意的にその会社の財務状況が悪いと発表して配当を中止したり、破産させたりすればその行為は投資家への詐欺行為となり証券取締法違反となる。

・ライブドアは2000年4月に東証マザーズに上場してから2004年8月までに、×3、×10、×100、×10の四回の株式分割を行って当初に比べれば30,000倍の株式数となっている。当時の最高値が約550万円であったことから、3万倍分割した株価は単純に想定すると一株約200円程度となる。現状株価が500~600円とすれば特におかしい株価とは断定出来ないような気もする。

・私には証券取締法の詳細は分らないので東京地検特捜部の捜索結果を待つ事しか出来ない。しかし、ライブドアの査察開始に関して、政治家の発言が気に食わないのだ。堀江社長が前回の衆議院議員選挙で広島選挙区で刺客として立候補したことに関する発言である。自民党幹事長は、選挙時には応援し新しい風であると言っていたのだが査察開始によって「自民党としては公認もしていないし、推薦もしていない。」と全く子供のような逃げの発言である。査察中であって今では分らない事だが何故に「良い事はよい、悪い事は悪い」との毅然とした発言が出来ないのかと思われる。

・また、刺客と戦って勝利した広島選挙区の元自民党議員は「自民党からの刺客である堀江元候補が社長をつめるライブドアの捜索開始で、小泉総理の改革路線が間違いであった事が明確となった」との変な発言である。何の関係があるか、何の関係も無いではないか。もちろん捜索中の事でもある。それに、国会議員としてそんなに真面目な厳しい顔をしても、立候補時に虚偽の報告して議員辞職せざるを得ない人も多いし、国会議員になった後でももっと悪い事をして議員辞職させられたり、控訴されたり、裁判中の人も多くいるではないか。

・もちろんだからと言って捜索以前にライブドアの堀江社長を全面的に認める事は出来ないし、素人の私にもライブドアが今回の捜索を受けざるを得ない行為をした事によって投資家に大きな不安を与え、大きな不信感を与えた事は間違いないような気がする。株式取引は信用取引が中心となっている現在、ライブドアとその関連会社の株式の担保価値が低下するだろうし、悪くすれば同様な戦略を取っているIT関連会社の株式の担保価値も低下するかも知れないとすれば、株式市場に大きなマイナス影響を与える事になるかもしれないと心配する。大きく言えば日本のIT産業の発展が遅れる事になるかも知れないと心配する。

・私達は何事につけても、良きにつけ悪しきにつけ世間のムードに追従してしまいがちであるが、何とか自分の目で観て自分で判断したいものだ。





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