廃校利用 山里の美術館「共星の里」

福岡県朝倉市黒川の「共星の里」のイベント情報や楽しい体験記を掲載。
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終わってみるとやっぱりいつも感じること

2009-09-03 16:10:35 | 5.ワークショップ&アートキャンプ!
なおみです。

共星でのワークショップは、始まる前迄は「思いっきり楽しんでもらえるかな~?」と
不安を感じる事もしばしば。心配性なもんで。
しかし、人不足・時間不足がいつもつきまとう状況の中で、毎回スタッフは精一杯の努力をして準備を整え、参加者の方々をお迎えしています。
んで毎回、終わってみると始めの不安はどっかへ吹き飛んで、やっぱりこう思うのです....

「ん~!もっと沢山の方に体験していただきたかった!楽しかったな~!!」と、

見てるこっちも必ずメチャクチャ楽しく時間を過ごさせてもらえるくらいなんです。
今回も例に漏れず、参加者の方々の真剣な表情、そして楽しそうな表情はピカいちでした!

只今展示中の2009風倉匠作品展『醗酵』(9月23日迄予定)と
共星の里開館10周年を記念しての記念特別企画のワークショップ

「ときめきアートワークショップ 風倉匠の宝箱」が09年8月22日に行われました。

なんといっても今回のスペシャルは、風倉匠さんが生前ご自身の「作品用に」と集めてらっしゃった様々な部品を、実際に使用して、自分の作品をつくるというところ。
なんて贅沢なワークショップなんでしょう!ある意味そう思いませんか?
こんな機会はそうそうないのではないでしょうか。
貴重な貴重な材料たちを使って、参加者のみなさんがそれぞれ、更に貴重な価値有る「わたしの宝箱」に仕上げてゆく工程をご紹介します。

まずは「箱づくり」から!



ベースになる箱は、あらかじめ作って用意されたものを使うというよりも、ここはやはり共星らしく、そこから自らの手でつくるという事にこだわりました。
木の板を切るところから。

こんな小さなただの四角い箱.....と思いきや、意外に皆さん苦戦のもよう。
そうです「ただの箱」を作るのは意外と難しいのです。
なんという事なく作る事ができる人も、きっと世の中沢山いるだろうとは思いますが、
急に「箱作れ」なんて言われても「え~~~!?作った事無いヨ!」と言う人の方が多いのではないでしょうか?私ももちろんそうですが。
写真撮りながらそう話しかけたら、みなさんうなずくうなずく。
そんなもんですよね~実際。



斜めに飛び出た釘の先を見て「危ないからちょっとココどうにかしておきましょうかねー」と何か道具を探そうとする私に、「これも味のうちだから!」と、このままで良いとニコニコと満足げにおっしゃられたのがとても印象的でした。
本当に皆さん一生懸命作っておられて、出来上がりは完全に
「ただの箱」が「ちょっとだけ愛おしい箱」に変身していました。

次は色塗り。



普段の共星の里だったら、「何色を塗るかはもちろん自由!デス」なんですが、
今回は風倉匠さんの作品世界に少しでも近づくために、あえて青で統一。



残念ながらカラッと晴天では無かったので乾きが悪くここも少々苦戦。
晴れてたら外で塗っていただく予定だったのですが。
そしたらパーっと乾いてしまうんですがね~。
ドライヤーの順番が回ってくるまでの間、なんと手動で乾かしていただきました~。
資材不足でスミマセン

役に立ったのかどうかは少々疑問ですがみなさんワイワイと楽しそうに
うちわで扇いでくれてました。

さて箱の中身のほうですが、風倉匠さんの部品はお一人様3つくらい迄と、プラスその他の材料をそれぞれ好きに選んでもらいました。







まだまだこの段階ではどんな感じになるのか全然想像がつきませんね。
しか~し!
すでに作品タイトルが決まっている方もいたし、意外にもみなさんご自分の中では
この段階でかなりイメージが頭の中で出来上がっていたみたいです。すごいですねー。
私なんかどれ使うか悩んで決められなくて、そのうち何も思い浮かばなくなったりして、
自分は何がしたいのかどうしようかと悩んでるうちに時間いっぱいで終わってしまいそうだわ


そしていよいよ箱詰め?作業!!



ここから一気に皆さんの集中が更に高まってゆくのがハッキリとわかりましたよー!
頭の中のイメージを徐々に形にしていく作業。



足したり、引いたり、とり替えたり、動かしたり、
あーでもナイこーでもナイと考え直したり.....



これって日頃の「生活」や「日常」、そして「人生」でみんな普通にやってる事ですよね~。
んー。

アートって生活の一部だし生活の延長だし、人生そのものだって事。

これって共星で学んだ事で、ここではよくこういう事を感じさせてもらえる場面に遭遇します。
アートって特別なこと、だけど、
特別でもなんでもないこと。自然なこと。自由なこと。

アーティストでもなんでもないし知識も無い私ですが、いままでの共星の里で見てきたことから、
アートに対してそんな風なことを今、感じています。

共星の里10年の中で、無知な私が(もちろん今でも無知!)、
「アート」に対して偏見というか、敷居の高さみたいなものを勝手に知らず知らずの間に自分の中に感じていたんだなー、という事にだんだんと気づかされました。
「アート」・「アーティスト」と「自分」の間に少し線を引いてたような。
その線を取っ払う事ができれば、もっと自分の表現を外に出して
いわゆる「アート」を自身が楽しむようになる人がもっと増えるだろうし、
人のアートももっと
「わかる」とか「わからない」とかでは無いところで、
「自由に感じて楽しむ」事が出来るようになるんじゃあないかな~と私は思うんです。

もちろんこれはあくまでも無知な私の側面的な捉え方でしかないのかもしれません。
でも、少なくとも共星の里においては、
そんな風に、「アートに自然に近づくことができる貴重な場」だと思うので、
そういう方が一人でも増えて、ボーダーレスが良いかたちで進んだらいいな~
と思うのです。
そしてその先には、無限に広がる世界が.....

と、
そんな個人的な思いはどうでもイイですよね。スミマセン。
アートに対する考え方は人それぞれですから.....



でもホントこの日は一人ひとりがアーティストな時間を過ごせたんではないかナーと。
時間を追うごとに、全員が目の前の小さな青い箱の中に
シュうぅぅぅぅぅ~~~~~ッ と入り込んでいくのが目に見えるようで
なんだかとってもおもしろかったです。

そしてこれも
イベントやワークショップ時には良く感じることですが、
始まりの時と終わりの時の「顔が違う!」ということ。



おもしろいように、終わりの頃にはイキイキとした良い表情に変わっているんですよ!
始まりの表情が悪かったというワケでは決してありまセンが!
だから何だと言われればそれまでですが...とにかくうれしくなっちゃいます。
顔の印象が変わるほど、存分にみなさん楽しんでいただけたんだという事が。



教室中にキラキラと「アートって楽しい」の結晶が舞っているような。



そういうおいしい空気をいただいて、
スタッフはまた「がんばろー!」って思うんですよねー。
参加くださったみなさん本当にありがとうございました。

みなさんのお家でそれぞれの作品が、ずっと輝き続けますように。



あ、そうそう番外編も見て下さいネ!
子供の感性や発想力ってやっぱりオモシロイ。
「醗酵」の展示風景も少し写真をあげています。
風倉匠さんの青い箱の作品は、学校の机と椅子を使った展示で、とても楽しいですよ~。
※数日に分けてアップいたします。

風倉匠の宝箱番外編はこちら!共星の里「醗酵」ブログ
(番外編は09,9/4~7アップ分迄です)


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