今日のいいこと。

あんまりいいことない日々かも?だけど・・・
1日ひとついいこと発見!しよーっ!

少年院見学記①

2009年10月30日 | 頑張りました!学生生活。
 せっかく堅い話が続いているので、いつか載せようと思っていたお話を書こうかと思います。

 それは、この大学生活中に見学で行った「少年院」の話です。
 なかなか少年院に行った人の感想を読むことも無いだろうと思いますので、ちょっとだけお付き合いください。

 
 私が見学をさせていただいた少年院は電車の駅からほど近い場所にありました。

 「こんなところに・・・?」と思うほどの住宅地のど真ん中です。

 住宅地の中を通り抜けて行くと、家庭菜園用の畑が広がった隣に金網が張り巡らされている場所に着きました。そこが少年院でした。
 道を知っていれば駅からは10分もかからない距離です。

 到着後すぐに少年達の教育や世話をする法務教官の方より、スライドにて少年院を中心とした少年更生全般の説明と、施設や更生プログラムに関する説明をしていただきました。

 1.全国に52ある少年院には・・・
 ①初等少年院(12歳~16歳)
 ②中等少年院(16歳~20歳)
 ③特別少年院(16歳~20歳の重大な犯罪をした少年)
 ④医療少年院(心に傷を負っている少年)
 の4つの少年院が区分されていて、私が見学した少年院は中等少年院に該当し、近郊のいくつかの県の少年が入院するという事でした。

 2.入院期間は裁判官からの要望(処遇勧告)によって決まり、
 ①短期処遇(一般)6ヶ月
 ②長期処遇1年
 の2種類が通常だが、ごくまれに1年を越えて1年半~2年の入院となる長期処遇となる事もあるそうです。

 3.中等少年院は年齢が高い少年が多いので、生活指導とともに、主に職業訓練が盛んであり、各種情報処理資格や簿記検定・小型建設機械免許等の取得に向けての勉強がされ、ここで試験も受けられるそうです。
 在日外国人の少年も最近多くなり、彼らに対しては生活訓練を行ったり、また、子供の生まれている少年に対しては子供のいる教官がお風呂の入れ方などの育児指導も行うなど、その少年個人個人へ向き合った指導をしているんですねー。

 4.その少年院への入院人数は162名(見学当日)で率としては93%で、平成12年から16年が全国的にも少年院へ入院する少年が多い時期だったそうで、平成16年には196名が入院しピークでしたと。(定員オーバー)言ってました。

 5.少年院へ入院する少年の犯罪傾向は・・・
 ①窃盗33%
 ②傷害10%
 ③強盗9%(万引きや引ったくりで怪我をさせた等で押し込み強盗ではない)
 ④性犯罪10%
 ⑤薬物11%。

 また、少年の入院前は・・・
 ①高校中退
 ②現役中学生
 ③現役高校生
 ④無職か建築業
 の順番で多いそうです。

 6.入院した少年の分析からわかったこととして・・・
 ①疎外感を持っている・愛情に飢えている(のけ者にされている・・・)と考える少年が1番多いという調査の数字があるそうです。
 ②自己イメージの低さ(どうせ俺なんか・・・)。
 ③刹那的な生き方を求める(金はあるだけパッと使い、明日は知らない・・・)。
 ④充実感・表現力・罪悪感・自制力が乏しい。
 という順番で入院する少年の心に抱える問題があるそうです。

 7.処遇の基本原則は・・・
 ①処遇の個別化と②集団生活を通じての社会復帰。
 これが第一の原則だそうです。やっぱり画一的な対応では無理なんですねー。
 個別化=その少年一人ひとりに向き合った対応ってことですもんね。

 8.入院後、生活指導として毎日日記を書き(退院まで毎日だそうです)、担当の教官へ提出しコミュニケーションをはかり(交換日記です)、心理学にある内観法の1部を用いた「内観」をし、自分が独りでないことを自分で認識確認できるようにしていくそうです。
 また、グループで話し合いをしたりして、人との『絆』の確認や醸成に力を注いでいるとの事でした。

 9.出院時には入院している少年を前に1分間のスピーチをし、更生を誓い出院するとの事。8割の少年が再犯せずに保護観察を終え、社会復帰の道へと進むが、数%の少年が途中で蒸発してしまうと残念がってらしたのがとても印象に残りました。

 やはり、最も私が関心があり感心したことは、教官の少年に対する接し方です。 テレビ等で見る少年院や刑務所では教官や刑務官がまるで猛獣を操る猛獣使いのように、規律正しく強面で指示をしています。しかし、少年院ではそのような対応はしておらず、担当教官が一人一人を個別に担当し、毎日交換日記をし、心情に気をつけ、杓子定規でない少年に最もふさわしい応対をしているというところでしょうか。
 そして、少年院に来ることとなってしまった原因であろう「絆」の醸成に力を注いでいるというところには深く感銘しました。


 と・・・
 長くなっちゃうので、続きは次回・・・
 次回は・・・
 「教官方のお話後、いよいよ施設の見学へ」の巻(少年院見学第2部です)。
 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (えったん)
2009-10-31 10:53:40
北海道には幾つかの大人の刑務所が見学できるようになってますが、少年院も見学できるとは知りませんでした。

今回の少年院は現在使われてるところなんですね。

少年犯罪を聞くにつれ「何故?どうして?」の思いがつきまといます。
大人には分からない子供たちの心を、少しでも助けを求めてることに築かなければ・という思いです。

今回の投稿を読んで、少年院の中(内)を知りえたことに感謝します。
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ありがとうございます。 (緑風)
2009-10-31 14:09:13
えったんさん。こんにちは。

少年犯罪のその理由には多種様々あるとは思います。
その中でも、周囲がどうにかしてあげていれば、そうはならなかった子もたくさんいるのです。
(中にはどうしようもない場合もありますが)
私はやさしい人権論者ではありませんが、
この場をお借りして、ブログのコンセプトからはズレましたがちょっと閲覧数の伸びている今を選んで1人でも多くの方に見てもらいたくて紹介いたしました。
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