やさしい芸術論

冬が来たなら、春はそう遠くない

バラの花とジョー

2021年06月14日 | やなせたかし

「バラの花とジョー」はやなせたかしさんが書かれた短編のお話です。

 

バラの花と、ジョーという名の犬の恋の話です。

 

 

ジョーはひとりぼっちの犬で、

美しい良い香りがするバラの事が好きになります。

 

バラの花もジョーをとても気に入りますが、

ある日、バラの花がカラス達に襲われ、

ジョーがバラをかばった際に怪我をして、失明してしまいます。

 

バラの花は悲しみ、自分のために目が見えなくなった事を謝ると、

ジョーはやさしさから、「美しい君の姿が見えるよ」と冗談を言います。

 

ジョーは失明をした状態で過ごしますが、

いつもバラの花のそばで過ごし、

毎年、バラに「今年もきれいだろうね?」と確認をします。

バラの花は「今年もきれいに咲いたわ」と返事をします。

 

ジョーは死ぬ直前までバラの花の美しい姿を思い浮かべ、

幸せそうに笑ってしにました。

 

 

ジョーは失明してから、バラの花の姿を直接見ていませんが、

実は、バラの花は、工場からの煙によって黒くみじめな姿になっていました。

 

バラの花はやさしさから、ジョーに「今年もきれいに咲いたわ」とウソをつきました。

 

ジョーが亡くなった後、バラの花も一緒に散ってゆきます。

 

 

バラの花とジョーは、花と犬で全く種類が違う生き物ですが、

こころとこころで通じ合って、

お互いのやさしさにより幸せな一生を送ることが出来ました。

 

やさしさは愛だと思います。

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