やさしい芸術論

冬が来たなら、春はそう遠くない

不幸せになった時に”幸せだった”とわかるもんなんです

2024年08月09日 | やなせたかし

幸せの中にいる時は「幸せ」はわかりません。

不幸せになった時、

「幸せだった」とわかるもんなんです。

             やなせたかし

肉体的に疲れると、出来るだけ早く寝るようにしています。

精神的に疲れた時は、寝たり、音楽を聴いたりしますが、

それでもしっくりこない時は

こころの処方箋を求めて、

各方面の偉大な先人達の言葉を見たりします。

 

人生の険しく長い道のりを歩いていると

自分はなんて無力で幼稚で不器用なんだと悲観し

失見当識気味になります。

 

そんな自分にアンパンマンの作者であるやなせさんの言葉は

すっと、自然に、

こころの奥に入ってきます。

そして最初の言葉。

 

幸せの中にいる時は「幸せ」はわかりません。

不幸せになった時、

「幸せだった」とわかるもんなんです。

 

最近になって少しこの意味が分かるような気がします。

 

幸せは自分のこころが決める。

幸せとは他人が持っているものではない。

自分がまだ手に入れていないものでもない。

他人や神様から与えられるものでもない。

 

自分には過去も未来もない。

過去は過ぎ去って、未来はいつまで経っても訪れない。

今。

今この瞬間を客観的に、ありのまま観る。

目をつぶって深呼吸する。

脱力、脱執着。

すると、

心臓が動いて、目が見えて、耳が聴こえて……そこに感謝……

そんな話じゃない!

何気ない日常の中に、その見落としがちな部分に幸せはある。

目を開けると、きっと見つかる。

大切な家族。

メーテルリンクの「青い鳥」。

今、この瞬間に感謝する。。。

↑ぼくの演奏↑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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そっくりのくりのき

2024年03月15日 | やなせたかし

アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんは、

良い詩や良いお話などを多数創作されています。

 

やなせさんのお話は、子供でも分かりやすい簡単な内容が多いですが、

深い意味も込められており、大人でも感動する内容のものがあります。

 

やなせさんが書かれた絵本「そっくりのくりのき」という本があります。

 

 

ある山の頂上に年寄りの栗の木が一本生えていて、

その根元の穴にはキツネの子が住んでいました。

 

キツネの子は一人ぼっちの子でしたが、

栗の木と仲良しなので、寂しくありませんでした。

 

しかし、ある晩の事、大きな雷が栗の木に落ちてきて、

栗の木は消えて無くなってしまいました。

 

キツネの子は、大好きな栗の木が消えてしまいショックを受けます。

 

そこら中を探し周りますがどこにも見つかりません。

 

とうとう山のふもとまで、降りた時、

誰かがキツネの子を呼びます。

 

声がした方を見てみると、周りがすべて栗の木林となっていました。

 

頂上に生えていた栗の木からふもとに落ちた栗の実が、

ふもとで栗の木に成長していたのです。

なので、頂上にいた栗の木とそっくりな栗の木がたくさん生えていた、というお話です。

 

 

人生には、必ず愛する人との別れがあります。

 

お釈迦様の言われた愛別離苦という事です。

 

しかし、この物語に書いてあるように、

命は無くなったように見えるけれど、

次世代に命のバトンを繫いでいて、

その命もまた次の世代にバトンを渡します。

 

「生生流転」(せいせいるてん)

 

世の中のすべての物は、次々と生まれては時間の経過とともに

いつまでも変化し続けていくという意味です。

 

この世の中には、

男もいて、女もいる。

子供から、大人になって、お年寄りになる。

健康の日もあれば、病気の日もある。

善い事をしたり、悪い事をしたりする。

冬が過ぎれば、春になる。

生もあれば、死もある。

 

相反する二つの物事が、常に変化して、

バランスが保たれています。

 

「平家物語」で有名な言葉は、

この人生観の情緒を見事に表しています。

 

「諸行無常の響きあり」

 

↓ぼくのYouTubeチャンネルです。↓

 

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やなせたかしさん特集 その1

2024年02月28日 | やなせたかし

尊敬している人、影響を受けている人はたくさんいますが、

ぼくの中の二大好きな人は、ショパンとやなせたかしさんになります。

 

尊敬しているということは、シンパシーを感じているという事になります。

やなせさんの言葉、生き方、人生、もちろん詩やアンパンマンなどの作品すべてに

深くシンパシーを感じており、

まだやなせさんの事をあまり知らない人にすこしでも伝えられたらと、

やなせたかしさん特集を勝手に始めた次第です。

 

とはいいつつも、自分自身アンパンマンを軽視しており、

アニメをあまり見ていませんでしたが、

大人でも感動すると評判の「映画 それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ」

を見て涙を流して感動し、これは幼児向けのアニメではなく、

大人も楽しめる哲学的、芸術的映画だ!と胸が熱くなりました。

詳しい内容は伏せますが、

ドーリィ(上記の女の子)が”なんのために生まれてきたのか?”という

哲学的問いを考えながら、ドーリィの人間的成長が描かれております。

 

アンパンマンがドーリィに、

「アンパンマンはなんのために生まれてきたの?」

と言われると

「ぼくは困っている人を助けるために生まれてきたんじゃないかな。

 最初は分からなかったけど、

 困っている人を助けた時に、胸の奥が温かくなって、

 その時に分かったんだ。

 何のために生まれたのか

 何をして生きるのか

 何がぼくの幸せなのか」

ドーリィは人に恰好良く思われたいから

そう言っているんだ、となかなか理解出来ませんでしたが、

言葉ではなく、アンパンマンが本当に朝から晩まで

毎日、困っている人のために助けてあげたり、

飢えている人にパンをあげている行動、姿勢を見て、

次第にこころが変化していきます。

 

作者やなせさんはよく「人生はよろこばせごっこ」と言っています。

やなせさんの善のこころ、良心がアンパンマンとなって、

多くの子供や大人をよろこばせています。

 

改めて、アンパンマンの器の大きさに圧倒されました。

お釈迦様、キリスト様、神様、仏様のような有難い存在に思えてなりません。

ぜひ、映画をご覧ください!

↓ぼくが作曲したピアノ曲です。良かったら聴いてください↓

 

 

 

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やなせたかしさん特集 その9

2024年02月28日 | やなせたかし

本日2月6日は尊敬するやなせたかしさんの誕生日であります。

 

 

「絶望せずにですね、まず一歩進むことです。

 まだまだ希望はあると思う。

 それを信じないと生きていかれない。」

 

NHKのTVに出演された際、上記の言葉を力強く仰っていました。

短い言葉の中にも、やなせさんの哲学が込められています。

 

ではやなせさんの詩を2つ、以下記載させて頂きます。

私のお気に入りの詩であります。

 

人生の一瞬が大切
とても大切
なぜなら明日がわからない
明日はおわかれかもしれない
今眼の前にいる人を
よろこばせることが
とても大切
なぜなら
明日がわからない
もしも
今がどん底なら
絶望しないことが
とても大切
なぜなら
明日がわからない
明日は希望にあえるかもしれない
ところで あなたは……。

 

なにも知らない
なにもできない
なにもない
なのになにかを求めている
自分の微力はよく承知している
とるに足りない才能についても自覚している
でもせっかく生まれてきたのだから
感動したい 共鳴したい
おなじ心のひとにあいたい
それがせめてみじかい生命の軌跡の中で
ぼくらが望むものではないか
ところで あなたは……。

 

↓今日の一曲↓

 

 

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やなせたかしさん特集 その8

2022年01月30日 | やなせたかし

やなせさんの人生についての詩を2つご紹介致します。

 

 

人生は山あり谷あり、

いい事もあれば悪い時もある。

 

隣の芝生は青く見えて、

自分自身は相変わらず井の中の蛙で、

この先の見えないご時世を五里霧中に生きていく。

 

確かな事なんてない。

答えなんてない。

信じるものなんかない。

 

ただ、前を向いて、

自分が正しいと思う事をやっていくのさ。

やなせさんの言葉があなたに届くように。

 

まだほんのちいさな子どもだった頃
大きなガラス瓶いっぱいの
コンペイトウをもらった
毎日すこしずつ食べたけれど
瓶の中の
コンペイトウは
昨日も今日もおんなじように
ガラス瓶の中に
ぎっしりつまっていた
少しもへっていないようにみえた
でもそのうちに
はじめは無限におもえたコンペイトウは
ある日急にどんどんへりはじめて
残り少なくなってしまった
ぼくの人生は
あとどのくらい残っているのだろう
そう思う時がある
たっぷりあるような気もするし
ほんの少しのような気もする
ところで あなたは……。

 

今日いちにち生きた
よろこびながら生きた
かなしみながら生きた
くるしみながら生きた
三つのうちぼくはどれだったのだろう
それとも何もしなかった
何も感じなかったのだろうか
何もせずよろこびもせずかなしみもせずに
生きられるだろうか
それで生きているっていえるだろうか
明日も生きたい
明日も何かにめぐりあいたい
たとえ悲しみがやってきたとしても
決して眼をそらさない
きっちりとたしかめたい
ところで あなたは……。

 

↓今日の一曲↓

 

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やなせたかしさん特集 その7

2022年01月09日 | やなせたかし

今も昔も人の世は世知辛いものです。

 

夏目漱石は小説「草枕」の中で、

人の世は住みにくいと語っています。

 

やなせたかしさんも社会の理不尽な部分に疑問を呈しながらも、

それでも一歩前に進む事を伝えています。

 

 

やなせさんの詩を二つ紹介します。

 

【人生のレース】

小学一年生のとき
鉢巻きして
スタートラインに並んだ
ピストルの音で
夢中でかけた

人生のレースに参加してみると
みんな
ずるいことばかりしている
だれかピストルをうってください
並んでください
私はフェアにたたかいたい

 

【ところであなたは…より】

なぜ ほくはここにいて
なぜ ぼくは生きていて
なぜ ぼくはこんなことをしているのか
なぜ こんなにもひたむきに
仕事を続けているのだろう?
なぜだかぼくはわからない
しかし今の仕事をやめるとして
ぼくは何をすればいいのか
そいつもぼくにはわからない
本当に自分のしていることがよくわかり
目的と生き甲斐をちゃんともって
みんな生きているのだろうか
ぼくは時々不安になる
回転する地球のある地域では
火薬の焦げる匂いがする土に血が流れ
ある地域では子供が飢えて泣き叫んでいる
そしてそれを解説することを職業にして
家族をやしなっている人もいる
ところで あなたは……。

↓今日の一曲(自作曲)↓

 

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やなせたかしさん特集 その6

2021年08月21日 | やなせたかし

やなせたかしさんの詩をご紹介します。

これは「詩とメルヘン」というやなせさんが編集長として発刊していた雑誌の

最初のページに載っていた詩です。(恐らく…)

人生はなかなか思うように生きられません。

時間やお金や仕事や人間関係などを含め、

理想と現実のギャップはどうしようもありません。

やなせさんのモットーである「人生はよろこばせごっこ」

の精神がよく表れた詩だと思い、

ますますやなせさんを人間的に尊敬しています。

詩の後に私の作曲したピアノ曲を載せておきます。

興味がある方はぜひお聴きください!

↓やなせさんの詩です↓

 

疲れたひとをやすませたい
さびしいひとをなぐさめたい
悲しいひとをほほえませたい
でも
どうやって
どうすれば
そんな大それたことが出来るだろう
じぶんでさえもボロボロで
もうくじけそうと思うのに
まして他人のことにまで
お節介ができるはずがない
しかし 私はなにかしたい
ひとの心をよろこばせたい
なぜなら 打ち沈みがちな人生で
それが 私のよろこびだから
ところで あなたは…

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やなせたかしさん特集 その5

2021年08月21日 | やなせたかし

やなせたかしさんの詩になります。

やなせさんはみんな大好きアンパンマンの生みの親として

広く認知されていますが、

その人生は苦難の連続でした。

やなせさんが小さい頃、父は死に、母はやなせさんと弟を捨て再婚、

弟は成人してから戦死して、やなせさんは天涯孤独となります。

そして69歳でアンパンマンがヒットするまで、

「何のために生まれて、何をして生きるのか」

というアンパンマンマーチの歌詞の言葉を自問自答しながら

生きてこられました。

若くして成功する人もいますが、

やなせさんのように苦労が続いた人生だからこそ分かる事もある。

何よりそんな壮絶な人生からあの

朗らかなアンパンマンが生まれたかと思うと

何か感慨深いものがあります。

詩の最後の神様へのお願いのところの部分は

何故か共感出来ますね。

無理だと分かっていても、無神論者であっても

神様に泣きつきたい時もある。

人生は過ぎさってから分かることの方が多いような気がします。

やなせさんの詩です。

 

【人生は砂糖入りのコーヒーじゃない】

かなしみがあり
よろこびがあり
くるしみがあり
それがいりまじってほろにがい


人生は砂糖入りのコーヒーじゃない
この苦さもまた人生の味と
それは承知しているのですが
やはりにがすぎる
つらすぎる
涙の味が強すぎる
がまんしなくてはいけない
こらえるのが本当だ


いまはつめたい氷雨の夜でも
明日はおもいがけない晴天かもしれない
でも、すこしながすぎる
このコーヒーはにがすぎる
くるしみがながくつづきすぎる
このままおしまいのような気がする


無神論者のくせに
図々しくて申し訳ないのですが
恥をしのんでいいます
「神さま
ぼくは
疲れました
せめて
もういちど…
でもやっぱりやめておこう」

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やなせたかしさん特集 その4

2021年08月20日 | やなせたかし

やなせさんの詩です。

命について、人生について考えさせられます。

やさしさって何だろう。

うまく生きるって何だろう。

正しさってなんだろう。

時に人は、簡単なことさえも分からなくなって、

小さい子供のように泣きながら、

それでも大人の仮面をかぶって生きていくものなんですね…

 

【高速道路の鳩】

私が
あなたを愛したのは
あなたの胸のそこにある
だれよりやさしい心です

でも
やさしい心とは
なんでしょう
あなたは高速道路で
あそんでいた鳩をよけそこない
ガードレールにぶつかって
死んでしまった

鳩を殺せばよかったのよ
鳩をころして
あなたが
生きればよかった

いったい
のこされた私は
どうなるの
これから
私はどうすればいいの
私は
とても泣きながら
鳩に石をぶっつける

私が
あなたをにくむのは
生まれながらに
もっていた
だれより
やさしい心です

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やなせたかしさん特集 その3

2021年08月19日 | やなせたかし

やなせさんの詩の紹介です。

この詩はやなせさん自身を投影しているかのような内容で、

69歳でアンパンマンのアニメがヒットするまで

苦労されたやなせさんの思いがあるような気がします。

最後の言葉がだんだん少なくなっていって、

~なのさ、という感じはどことなく太宰治のような感じを受けました。

味わい深い詩で、とても好きな詩です。


【老眼のおたまじゃくし】

山のうえの古い池に
おじいさんのおたまじゃくしが
住んでいた
もうとてもとしをとっていて
ひどい老眼になっていた
なにもかもみんなぼやけて見えた
さざ波もすいれんも散る花も
なにもかも

山のうえの古い池の
おじいさんのおたまじゃくしの
ひとりごと
ずいぶんながく生きてきた
ひどい老眼になったけど
おでこにしわがよってきたけど
いつまでもかえるにはなれないで
このままさ

山のうえの古い池に
おじいさんのおたまじゃくしが
住んでいる
子どもの心そのままで
ひどい老眼なんだけど
かえるになれないおたまじゃくしは
ふなの子や水すましなにもかも
なかよしさ

かえるに
なれない
おたまじゃくしは
それでも
しあわせだったのさ

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