やさしい芸術論

冬が来たなら、春はそう遠くない

「だれのための幸福」

2021年01月13日 | 

ぼくはやなせたかしさんが大好きで、本を何冊か持っています。

 

古い本で1981年に発売された「幸福の詩集」の表紙は、

かわいい天使が描かれたメルヘン調のイラストが描かれています。

 

 

やなせさんが好きな「星の王子様」の作者サン・テグジュペリさんの

影響がとても出ています。

 

今の時代、絵を描いたり、詩を作ったり、音楽を演奏したりして、

つまり芸術によってお金を稼ぐのはとても難しいです。

 

生活に追われ、生活を優先するあまり、

仕事中心となり、絵や詩や歌などの芸術活動は

生活の隅に追いやられてしまいます。

 

芸術に触れ、芸術を楽しむ事はこころを豊かにし、

人生をより楽しむことが出来ます。

 

プロとしての芸術家でない人はお金にもならないし、

特に人から必要もされない自らの芸術活動に迷いを感じ、

芸術活動は何のためになるのだろうかと、ふと思ったりします。

 

でも本当に必要な事は、自分のこころの底にある気持ちです。

 

自分がやりたければ、やったほうがいい。

人生は出来るだけ楽しんだ方がいい。

 

「だれのための幸福」という詩はお金にならない、

必要とされない芸術活動を行う人が共感する詩となっています。

 

単純な内容ですが、ぼくはとても共感しました。

 

 

「だれのための幸福」

 

絵をかきたい

詩をかきたい

 

だれのために

なんのために

 

だれのためでもない

なんのためでもない

 

私の心がのぞむから

 

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「人間なんてさみしいね」

2021年01月11日 | 

やなせたかしさんの詩を紹介します。

 

この詩はまだアンパンマンが世に出る前の頃の作品です。

 

やなせさんの人生は苦難の連続でした。

親と別れ、弟は戦死し、天涯孤独となります。

様々な病気をしながら過ごして、

漫画家として売れない日々を過ごしながら、

アンパンマンが売れたのは、69歳の時です。

 

アンパンマンがやなせさんの光の部分だとしたら、

この詩はやなせさんの「影」の部分と言えます。

 

影、すなわち苦労や痛みを知っているからこそ、

アンパンマンのような博愛的な人を助ける光のキャラクターを

生み出せたのかもしれません。

 

この詩の

たったひとりで生まれてきて

たったひとりで死んでいく

人間なんてさみしいね

人間なんておかしいね という部分は

恐らく、戦死した弟さんの事だと思います。

 

弟さんは生まれてすぐ、両親がいなくなり、

特攻隊として戦争へ赴き、二十二歳の若さで、

戦地へ向かう途中の海の中へ沈んでいきました。

 

やなせさんは終戦後、弟さんの死を告げられ、

渡されたのは、ただ、骨壺の中に一片の木片が入っているのみでした。

 

何で弟が死んで、何で自分が生きているのか。

答えの無い自問自答を何度も繰り返したのかもしれません。

 

この詩には、辛い人生を一生懸命生きてきて

真剣に人生について考えたやなせさんの

こころの声が聴こえてきます。

 

 

「人間なんてさみしいね」(一部抜粋)

 

 

とにかくこうして

何となく

諸行無常と生きている

このたよりない存在を

誰かがみとめてくれること

心と心がふれあって

何にもいわずにわかること

ただそれだけのよろこびが

人生至上の幸福さ

 

どうせこの世はまともじゃない

オレもオマエもみなさんも

ほんとはマチガイかもしれない

信ずるものはあるもんか

大群衆のまっただなか

石やきいもをかじりつつ

孤独のおもいに胸せまる

 

たったひとりで生まれてきて

たったひとりで死んでいく

人間なんてさみしいね

人間なんておかしいね

 

マチガイだったらよかったね

 

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「ひとが生まれるとき」

2021年01月11日 | 

やなせさんの作詞された「アンパンマンのマーチ」

の中で、

 

「なんのために生まれて なにをして生きるのか

 答えられないなんて そんなのはいやだ!」

 

という歌詞があります。

 

人は生きていると、時に、ふと、

何のためにうまれてきたのか分からなくなる時があります。

人が嫌いになったり、生きている事が辛くなる時もあります。

 

そんな時の為に覚えていて欲しい詩が

やなせたかしさんの詩「ひとが生まれるとき」です。

 

命はみんな尊い。

みんな誰しも赤ちゃんの時があって、

誰でもみんな天使だった。

 

原点回帰、命の始まりの神秘さ、

家族という関係性、

生まれてきた事の喜びを改めて

思い出させてくれるような詩になっています。

 

 

「ひとが生まれるとき」

ひとがうまれるとき
おかあさんはくるしい
涙こぼしてひとが生まれる
ひとは生まれるとき
泣きながら生まれる
涙こぼしてひとが生まれる
涙こぼしてひとは生まれる

ひとは生まれたとき
だれでもみんな天使
ひとつのいのちひとつのたましい
ひとは生まれるとき
かなしみはしらない
涙こぼしてひとが生まれる
涙こぼしてひとは生まれる

ああ
このいのちは
なんのためにある
なんのために
ひとは生きる
ああ
このいのちは
なにをして生きる


人生ばんざい!

生きているからには
つらいときもある
てる日もくもる日もいろいろさ
ぼく・きみ・あなた
ウマ・ヒツジ
サル・トリ・イヌ・イ
みなおなじ
みなおなじ
人生ばんざい!
フレー フレー フレー

生きているんだもの
涙もこぼれる
あめの日かぜの日いろいろさ
ぼく・きみ・あなた
ウシ・ネズミ
トラ・ウ・タツ・ミ
みなおなじ
みなおなじ
人生ばんざい!
フレー フレー フレー

生きているぼくたち
すてきなともだち
昨日も・今日も・また明日も
ぼく・きみ・あなた
みんなして
生きるしあわせ
うたおうよ
うたおうよ
人生ばんざい!
フレー フレー フレー

 

 

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