みなさま
最近出した「予防接種のえらび方とと病気にならない育児法」を書いたあとに得られた情報が前の記事です。訂正してください。
「はるか」さま
ご指摘ありがとうございます。言い訳になりますが、最近は情報を集めることが大変になりました。特に英文の論文は不得意です。
佐藤荘太郎医師は、子宮頸がんワクチンでもご協力頂いて、名刺交換もしています。水疱瘡の副反応について論考されていますが、検証していませんし、これからも今の仕事(診療所、子ども基金とこども基金、球美の里、医療事故訴訟支援、ワクチン批判など)と私事で追われ、若い時と違い、なかなかできません。
それで、その上の話として聞いて頂きたいと思います。だから、間違っているかもしれません。
水痘ワクチンの歴史は、白血病の子どもの救済でした。白血病は、先天的な病気を除くと、子どもの死亡の第一は事故と自殺と他殺で、病気による死亡の第一は悪性腫瘍で、その半分以上は白血病です。これは30年以上変わっていません。白血病の子どもが水痘にかかると、ほぼ100%死亡します。私も、そのような子どもを受け持ったことがあります。しかも、白血病にかかっても治ったと判定できる子どもも受け持ちました。その子は4歳で発病し20歳まで生存し、追跡をやめました。白血病の長期生存例の調査でも認定されました。
そんな経験もあり、水痘ワクチンを打つか、水痘にかかっていれば、水痘で亡くなる白血病の子がいなくなると考えていました。そこで水痘ワクチンが開発され、当初は水痘にかかった子どもの寛解(一時的に治った状態になること)の時期に接種していましたが、その後慢性疾患の子どもたちに接種し、10年間の経験を集積し、健康な子どもにも接種をするようになりました。それまでは、重症な副作用も死亡例もなく、しかも接種後の発病例もなく、比較的安全なワクチンとして健康な子どもにも接種が始まりました。
しかし、健康な子どもに接種を開始すると、免疫ができずに水痘にかかってしまう子どもが出てきました。それが、平均8%前後でした。その時期は前述のブログの内容です。それで、その時期はまだ年齢の高い子どもに接種することが多かったのです。ところが、その時は、アメリカ小児科学会は中学入学前までにと勧告をだしたのですが、いつの間にか低年齢化していました。そして日本も世界も低年齢化してしまったのです。それがグローバル化した製薬企業によるものかどうかは、どなたかジャーナリストの方にお願いしたいです。
水痘ワクチンは、開発は阪大微研で、日本の国内メーカーで当初はそれが世界的に使われていました。今は違うようですし、日本でも低年齢での定期接種で公費負担をし、それを過ぎると高額な自己負担になります。
それと、ワクチン事故を見ると、接種した医師が多くは予防接種の専門ではないようです。私の知っている開業小児科医の中には年間1,000人以上接種している医師が少なくありませんが、その人たちが接種事故の接種した医師にはでてきません。多分、接種前の診察で選別して、危なそうな子どもは排除して接種しているのではないでしょうか。
私の国立病院時代に、開業医で接種できない子どもへの接種を引き受け、心配な子どもは接種した当日は一晩入院してもらいました。その結果は、一人も問題なく退院しました。予防接種は、健康な時に接種することが必要です。それをしない医師がいます。予防接種の知識がなく、誰でもすればよいと思っている医師がいます。ですから接種する医師にも問題があると思うのですが、予防接種事故の時に、そのような調査がされていません。
それで接種するなら小児科専門医でして下さいと言うのですが、その人たちはワクチン村の人なので、ワクチンをしないと責められます。回答に困る時には、「宗教上の理由です」と答えるか、「私(黒部)の考えに賛同して、していません」と答えて下さい。
佐藤医師の紹介している論文について言及します。
ひとつは日本のワクチンでしょうか。「Varivax」は知りません。日本のメーカーは、昔の予防接種過誤訴訟での敗北以後、慎重になりアジュバントなどにも神経を払って、海外よりも少なくしています。海外製品よりも日本国内の製品の方が私は信頼性が高いと思います。
ワクチン導入で健康な子どもの死亡率が減るとは思いません。白血病の子どものほぼ100%死亡率の改善のためのワクチンと思っています。
接種後の、免疫ができずに水痘にかかる率も、前のブログに述べた通りで、できるだけ年齢が高い方が少なくなります。
接種後の帯状疱疹も、麻疹にかかったあとのSSPE(亜急性硬化性全脳炎)の発病者は、乳児期と1歳代に麻疹にかかった子どもがほとんどで、麻疹ワクチンの接種も1歳以後にしているのは、その発生を少なく(ゼロではない)するためにしていることですから、低年齢ですれば発病率は高くなると思います。私のつたない経験でも、帯状疱疹発病の子どもの水痘にかかった年齢はやはり乳児期か1歳代でした。
だから、水痘ワクチンは低年齢ですれば、ワクチンの抗体は時間の経過とともに消失しますが、免疫記憶は残りますから、かかっても重症化しないと思います。
ですから、すべての論文は、私の考えから言うと、当然のもの思います。
それで、やはり原点に戻って、中学入学前までに水痘にかからなければ、(その確率は、水痘の流行はなくなることが予想されますから高くなりますが)水痘ワクチンをすればよいのではないかと思います。それが、日本で水痘ワクチンを製造に成功した時のアメリカ小児科学会(カナダを含む)の見解でした。