BCGはもうやめましょう
1.BCGの有効性
BCGは、結核の発病を予防することはできません。BCGの効果は、乳児期の全身結核(粟粒結核)や結核性髄膜炎を減らす効果だけで、それもたったひとつのデータだけです。3ヶ月以前がよいです。6カ月過ぎたらする意味がなくなります。
世界では、アメリカ、カナダ、オランダ、アイスランドは、BCGを採用せずに結核を減らしています。また、BCGを廃止したのは、スウェーデン、スイス、ベルギー、ドイツ、オーストリア、デンマーク、イギリス、オーストラリアなどで、廃止後に小児の結核が増えたと言いますが、どの国も再開していません。その後の廃止国は、把握していませんが増えていると思います。
ただし、EU諸国や北欧では、移民や難民を受け入れていて、その人たちは、母国の結核発病率を持ってきますから、どうなっているか判りません。
残りの国も、多くは新生児期(生後0~1カ月)に接種しています。日本は、結核対策を、社会経済政策でせずに、BCGだけですませようとし、発病者の感染源対策もおざなりで、世界では結核中進国とされ、そのためBCG廃止に踏み切らないのです。それは10の大都市(特に大阪市)と60歳以上の人の結核発病が7割を占めて多く、結核の大人から子どもに結核が感染して、乳幼児の結核性髄膜炎がなくならないからです。でも、BCGをしても結核は予防できません。
2. 私のしてきた事は、結核予防政策をただすことです。
私は、以前に日本消費者連盟、日教組養護教員部、全国ワクチントークなどの人たちと、BCGの再接種(小1、中1)を廃止させ、また小1のレントゲンを廃止させる運動をして実現してきました。私は、結核治療ではなく、結核予防の専門医です。どうしたら予防でき、どうしたら早期発見ができるかが、私の専門です。というより、すべての病気の予防が、私の専門で、その中に結核が入ります。
3. 私はBCGが必要とは思いません。私の病原環境論の師匠のルネ・デュボスは、ロックフェラー大学の結核研究所所長で、「白い疫病」の著書の中で、BCGの効果については、なくても結核性髄膜炎を減らした国や州があると言い、BCGの効果には懐疑的でした。
また、私の国立病院時代の上司の上島三郎医師は、戦前にBCGが日本に持ち込まれた時に分けてもらい、試したが効果は無かったと言い、その後BCGを接種していません。上島医師は、日本の子どもの結核医療の草分けで、最初に子どもの結核療養所の所長になり、その後子どもの結核病棟を作り、結核療養所の所長も10年以上勤めて来られた方でした。その先生と、BCGは効果が無いとの声明を共同で出す約束をしていたのですが、出す前に亡くなられてしまいました。
日本の結核対策の貧しさから、未だに結核の発病者が高齢者を中心に出ています。皆さんの周囲の60歳以上の、咳の2週間以上続く人および3日以上37.5度以上の熱が続く人は、検診を受けて結核を否定することを勧めて下さい。結核は大人から子どもへうつる病気で、子どもの間で流行しません。大人の結核をなくすことが、子どもの結核をなくすことなのです。
簡単に仕事を休めないことや、生活費に事欠く人がいること、医療費が払えない人が増えていることが、結核の根を絶やさないのです。
4.BCGを接種してしまったら
BCGは、ウシ型結核菌を弱毒化して作った生きた菌のワクチンですから、健康な皮膚にはつきません。それで管針でスタンプ式に刺して傷をつくり、そこに菌がつきます。
湿疹ができている場所には接種できません。健康な皮膚に接種します。接種する場所は、上腕の外側のほぼ中央部です。管針で2回押します。
1)BCGを接種した後の経過
接種後10日頃から接種した針跡の所に赤いポツポツができ、一部にうみができることがあります。赤くなってからだんだん進み、接種してから4週間後ころに最も強くなりますが、その後、うみはかさぶたになってなおり、乾燥してきずあとが残るだけとなります。普通3ヶ月くらいでかさぶたがとれてなおりますが、3カ月過ぎてもじくじくしているようなら、診察を受けてください。じくじくしている間は、プールには入れないで下さい。
2)BCGの副反応
① じくじくすることが長引くことがありますが、清潔にしていれば、それだけでは心配はありませんし、通常の入浴も差し支えありません。3カ月過ぎてもじくじくが続く場合や下記の項目にあてはまる場合には診察を受けて下さい。
まれに(0.9%くらい)、はれがひどく、針跡のはれがくっついたり、うんではれたり(膿瘍)、びらんや潰瘍になったりすることがありますし、ひどいとケロイドになることがありますから。
針跡は最大18カ所です。また一旦なおってから、再び赤くなることがあります。
②接種した腕の、わきの下のリンパ節がはれる(リンパ節炎)ことがあります。(0.8~1%)接種後4~6週間後が多く、ほとんどが化膿しません。4カ月で70%が縮小、消失し、長いと2年かかりますが消失します。心配になったり、大きく(1cm以上)はれたら、診察を受けて下さい。まれに化膿して、ただれたり、破れてうみが出たりすることがありますが、その時も診察を受けて下さい。1万人に4人くらいです。
③ 接種後10日以内に、赤くはれだすことがあります。これをコッホ現象といい、既に結核菌に感染している疑いがあります。家族検診などの感染源の調査が必要になります。発病を予防する治療が必要になりますから、必ず診察を受けて下さい。場合によっては、小児結核の専門医に診てもらうこともあります。普通は、軽く、2~4週間後におさまります。
④100万人に1~2人というまれに、全身のBCG炎(全身播種性BCG感染)や、他の場所のただれや化膿(皮膚結核様病変)、骨炎や骨髄炎、骨膜炎、さらに腎臓、泌尿器、肺、腹膜、肝臓、脾臓に病変が出ることがあります。必ず、体調の良い時に受けて下さい。
重症の副反応の場合には、補償が出ますが、軽いものには補償はありません。予防接種被害救済制度で、市区町村へ届けて下さい。
4)副反応報告では、平成25年4月から平成26年12月までの164万回接種で、医療機関からの報告は308人、うち重篤61人でした。そのうちに心肺停止1人、ウシ結核症(BCGはウシの結核菌から作るため)4人、骨結核12人、結核疹4人でした。
1.BCGの有効性
BCGは、結核の発病を予防することはできません。BCGの効果は、乳児期の全身結核(粟粒結核)や結核性髄膜炎を減らす効果だけで、それもたったひとつのデータだけです。3ヶ月以前がよいです。6カ月過ぎたらする意味がなくなります。
世界では、アメリカ、カナダ、オランダ、アイスランドは、BCGを採用せずに結核を減らしています。また、BCGを廃止したのは、スウェーデン、スイス、ベルギー、ドイツ、オーストリア、デンマーク、イギリス、オーストラリアなどで、廃止後に小児の結核が増えたと言いますが、どの国も再開していません。その後の廃止国は、把握していませんが増えていると思います。
ただし、EU諸国や北欧では、移民や難民を受け入れていて、その人たちは、母国の結核発病率を持ってきますから、どうなっているか判りません。
残りの国も、多くは新生児期(生後0~1カ月)に接種しています。日本は、結核対策を、社会経済政策でせずに、BCGだけですませようとし、発病者の感染源対策もおざなりで、世界では結核中進国とされ、そのためBCG廃止に踏み切らないのです。それは10の大都市(特に大阪市)と60歳以上の人の結核発病が7割を占めて多く、結核の大人から子どもに結核が感染して、乳幼児の結核性髄膜炎がなくならないからです。でも、BCGをしても結核は予防できません。
2. 私のしてきた事は、結核予防政策をただすことです。
私は、以前に日本消費者連盟、日教組養護教員部、全国ワクチントークなどの人たちと、BCGの再接種(小1、中1)を廃止させ、また小1のレントゲンを廃止させる運動をして実現してきました。私は、結核治療ではなく、結核予防の専門医です。どうしたら予防でき、どうしたら早期発見ができるかが、私の専門です。というより、すべての病気の予防が、私の専門で、その中に結核が入ります。
3. 私はBCGが必要とは思いません。私の病原環境論の師匠のルネ・デュボスは、ロックフェラー大学の結核研究所所長で、「白い疫病」の著書の中で、BCGの効果については、なくても結核性髄膜炎を減らした国や州があると言い、BCGの効果には懐疑的でした。
また、私の国立病院時代の上司の上島三郎医師は、戦前にBCGが日本に持ち込まれた時に分けてもらい、試したが効果は無かったと言い、その後BCGを接種していません。上島医師は、日本の子どもの結核医療の草分けで、最初に子どもの結核療養所の所長になり、その後子どもの結核病棟を作り、結核療養所の所長も10年以上勤めて来られた方でした。その先生と、BCGは効果が無いとの声明を共同で出す約束をしていたのですが、出す前に亡くなられてしまいました。
日本の結核対策の貧しさから、未だに結核の発病者が高齢者を中心に出ています。皆さんの周囲の60歳以上の、咳の2週間以上続く人および3日以上37.5度以上の熱が続く人は、検診を受けて結核を否定することを勧めて下さい。結核は大人から子どもへうつる病気で、子どもの間で流行しません。大人の結核をなくすことが、子どもの結核をなくすことなのです。
簡単に仕事を休めないことや、生活費に事欠く人がいること、医療費が払えない人が増えていることが、結核の根を絶やさないのです。
4.BCGを接種してしまったら
BCGは、ウシ型結核菌を弱毒化して作った生きた菌のワクチンですから、健康な皮膚にはつきません。それで管針でスタンプ式に刺して傷をつくり、そこに菌がつきます。
湿疹ができている場所には接種できません。健康な皮膚に接種します。接種する場所は、上腕の外側のほぼ中央部です。管針で2回押します。
1)BCGを接種した後の経過
接種後10日頃から接種した針跡の所に赤いポツポツができ、一部にうみができることがあります。赤くなってからだんだん進み、接種してから4週間後ころに最も強くなりますが、その後、うみはかさぶたになってなおり、乾燥してきずあとが残るだけとなります。普通3ヶ月くらいでかさぶたがとれてなおりますが、3カ月過ぎてもじくじくしているようなら、診察を受けてください。じくじくしている間は、プールには入れないで下さい。
2)BCGの副反応
① じくじくすることが長引くことがありますが、清潔にしていれば、それだけでは心配はありませんし、通常の入浴も差し支えありません。3カ月過ぎてもじくじくが続く場合や下記の項目にあてはまる場合には診察を受けて下さい。
まれに(0.9%くらい)、はれがひどく、針跡のはれがくっついたり、うんではれたり(膿瘍)、びらんや潰瘍になったりすることがありますし、ひどいとケロイドになることがありますから。
針跡は最大18カ所です。また一旦なおってから、再び赤くなることがあります。
②接種した腕の、わきの下のリンパ節がはれる(リンパ節炎)ことがあります。(0.8~1%)接種後4~6週間後が多く、ほとんどが化膿しません。4カ月で70%が縮小、消失し、長いと2年かかりますが消失します。心配になったり、大きく(1cm以上)はれたら、診察を受けて下さい。まれに化膿して、ただれたり、破れてうみが出たりすることがありますが、その時も診察を受けて下さい。1万人に4人くらいです。
③ 接種後10日以内に、赤くはれだすことがあります。これをコッホ現象といい、既に結核菌に感染している疑いがあります。家族検診などの感染源の調査が必要になります。発病を予防する治療が必要になりますから、必ず診察を受けて下さい。場合によっては、小児結核の専門医に診てもらうこともあります。普通は、軽く、2~4週間後におさまります。
④100万人に1~2人というまれに、全身のBCG炎(全身播種性BCG感染)や、他の場所のただれや化膿(皮膚結核様病変)、骨炎や骨髄炎、骨膜炎、さらに腎臓、泌尿器、肺、腹膜、肝臓、脾臓に病変が出ることがあります。必ず、体調の良い時に受けて下さい。
重症の副反応の場合には、補償が出ますが、軽いものには補償はありません。予防接種被害救済制度で、市区町村へ届けて下さい。
4)副反応報告では、平成25年4月から平成26年12月までの164万回接種で、医療機関からの報告は308人、うち重篤61人でした。そのうちに心肺停止1人、ウシ結核症(BCGはウシの結核菌から作るため)4人、骨結核12人、結核疹4人でした。