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建築の記憶とその周辺

久々にほぼ書き終えた記事を飛ばしてしまいました(泣)。
さて、気を取り直して・・・。

本日最終日の「建築の記憶」@東京都庭園美術館に行ってきました。
知人がみないい展覧会だというのでようやく重い腰を上げていったら
これが確かにいい展覧会、が、図録が売り切れ・・・いかんですね。
今回のびっくりは、戦前に木村伊兵衛が堀口捨巳の住宅の写真を撮っていること。
堀口から人物を入れた写真が欲しい、という話が出て木村が呼ばれることになったらしい。
新興写真と初期モダニズムの交差を焦点とした展覧会、どこかでやらないかなぁ。

展覧会終了後蕎麦でも食べようと思って「利庵」に向かうも定休日で開いていない。
がっかりしつつ白金周辺を蛇行しつつ渋谷から帰ったのですが、
渋谷でも目的のお店は昼は違う形態で営業していて目的を達せず。無念。

で、今日の「その周辺」ですが
 
左:旧渡辺邸。今はスリランカ大使館の施設ではないらしく、よくロケに使われています。
右:煉瓦擁壁発見!


公衆衛生院。何とか残ってましたが、このままじゃ廃墟になっちゃうよぉ~!

 
左:きえんきらん。ますます健在?
右:本屋で見かけたアメリカ版廃墟本「Ellis Island: Ghosts of Freedom」。
 NYのエリス島の写真集で、とても美しいです。

携帯なんで画像が悪くてすみません~。
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女性アーチスト三枚

先日久々にCDを買いました。
しばらくなんだかあんまり買いたいものが無いような気がして
CDショップ自体にもあまり近づかないという珍しい日々だったのですが、
まあ、買ってしまいましたよ、なんとなく。
李香蘭(山口淑子)全曲集李香蘭(山口淑子)全曲集
李香蘭 山口淑子 西條八十
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ようやく購入。ちょっと少年っぽい写真が意外ですね。
国内版にありがちな冗長な解説類は一切付いていませんが、
歌詞と共に簡潔ながら録音年、レコード番号などのデータが付記してあるのがGOOD。

草木の如く草木の如く
エミリー・シモン

ユニバーサル インターナショナル 2006-07-05
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昨年買ったライブ盤↓が気に入って愛聴したので、スタジオ盤にも手を出してみました。
・・・でもヌードに赤いプツプツが一杯ついているジャケットの奴は苦手で買えない。
L'OlympiaL'Olympia
Emilie Simon

Wrasse 2007-04-03
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弦とエレクトロの不思議なまぜこぜ具合が気持いいです。
エミリーのメロディは案外王道フレンチポップで馴染みやすいし。
不思議な楽器が駆使されているらしいので、
DVDがセットになっている国内版を買うべきだったと反省することしきり。

GraceGrace
Rachel Z

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レイチェルZは3枚目。
先ほどポチッと4枚目を買ったのでいずれ合わせて感想などを書く予定っす。

で、ポチッとしちゃったのはカーキ・キングの新譜が出ていたからなんですけど、
輸入盤は同じH○Vでも店頭で買うよりネットショップの方が安いのねぇ。
(あ、つまり輸入盤3枚買うと25%オフだったんでつい一緒に、、)
まあ、新宿のお店は品揃えの趣味が合わないので別のCDショップで買う訳ですが。
ところが李香蘭までネットの方が安くなっていたのにはがっかり。
もう店頭で買う時代じゃないのかなぁ。
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辛い。。

毎年春は体調が悪い。

某職能団体の小さな集まりで司会をする。
某大学の建築史家の先生から、その大学の他学部校舎の建築の解体について
意思決定の背景や、建築学科のコミットメントの状況、
先生のお考え(状況認識・設計者の建築への評価)など、かなり踏み込んだ内容をお話頂く。

某大学は建築界でも有数の大学であり、また、解体される建築の設計者は
その大学のみならず、建築界の巨人であったはずの建築家。
大学関係者から声が上がらないのは、私のような外の人間から見れば不甲斐ない気もするが、
しかし実際の話を伺えばやはりそんな簡単な話ではなく、
複雑な思いを抱えながら、出来うる限り(と判断した)コミットメントをしてきている事が伝わってくる。
大学と言う組織の有り様から見れば、他学部の有り様についてコミットすることは
例え建築のこととは言え、相当なストレスであることは想像に難くない。

では、それを伝えられた側としてではその問題をどう受け止めるのか。
出来うる限り、の判断の正当性をどう評価するのか。
その困難性は会を開く前から予想されていたものではあるのだけれども、
やはり実際に伺うとなかなかキツイ。
今日の宿題の答えを出すことが出来るのか。

たいして飲んだわけでもないのに疲れ切って事務所でダウン。
ようやく起き上がってこれから家に寝に帰ります。

進まなきゃ。
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ステンド三昧

野暮用で西川口に行ったついでに川口の旧鍋平別邸に寄って来ました。

よっこらせっ、と鍋平邸に接近する猫。

現在は川口市母子福祉センターとして使用中、申し込めば見学も可、ですが、
30日までイベント会場として開放中。
ここのステンドグラスが凄い、というのを先日の「美の壺」で察知し、
川口リベンジとなった訳です。


独立した洋風仕様のトイレ棟(他は和館なんですが)。
丸窓が女子トイレ、出窓風は男子トイレ。


このトイレ、床の間もついてます。


小用を たしつつ眺める ステンドかな

近くで同時開催中の「まちかどの近代建築」写真展にも寄ってみました。

会場は蔵を改造したギャラリー(なのか?だし汁と素材のうまみにこだわっているらしいが)。


密かにプラナリアの写真も混ざっています。

旧鍋平邸は小さいながら道楽な造りで、洗面所にも品の良いステンドがあるし、
座敷の縁側には色ガラスなんかも嵌っています。
しかしステンドはこんなに品が良いのに造作の趣味は完全に田舎のオジサン・・・(笑)
楽しかったんだろうなぁ。
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偏屈明治男は超ダンディ

西村伊作関係纏め。

田中修司著「西村伊作の楽しき住家―大正デモクラシーの住い
によると、伊作は居間を中心とした住宅の先駆者とのこと。
プロテスタンティズムや(ユートピア的)社会主義からの展開としての必然として
伊作の建築に対する姿勢を読み解いた好著。

では、建築史家の一般的な見方は?ということで新版が出たばかりの住宅史の本を購入。
図説・近代日本住宅史 新版図説・近代日本住宅史 新版
内田 青蔵

鹿島出版会 2008-02
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編・著は内田先生の他、大川三雄先生と藤谷陽悦先生の連名という豪華な布陣。
で、この本で伊作は二箇所に登場。
一箇所はバンガローという住宅スタイルの先駆者として。
「28|バンガロー式住宅の導入」で詳しく紹介されています。
もう一箇所は「20|文化住宅の出現」なのですが・・・
著書の住宅様式の分類を図示したページが「大正期の住宅様式」の説明として掲載されているだけ。
まあ、たまたま伊作が適当な絵を描いていたというだけとも言える。
この本では当然居間中心の住宅の成立に向けての流れについても
いろいろなトコロで詳しく触れられているのだけれども、この流れの中には伊作は登場しない。
むむ~ん。
一昔前であればこのような在野の士はアカデミーからは無視されてしまうのさ、
ということで「しょうがねーなー」とか言っていれば良かったのですが、
本書では同じように無視されがちだった
ヴォーリズやアメリカ屋などについてはきちんと位置づけられているし、
そもそもそういう柔軟性のないスタンスの編著者陣ではないと思うので、ちょっと謎。
あるいは「受容」の面で大きな働きをした伊作の業績を評価するのは
建築史的な方法論ではなく、文化史的な方法論でなくては難しいのかも知れない。

と書くと伊作は著作が主だったように思われちゃうし、実は私もそう思っていたのけど、
じつは実作もかなりの数(田中氏の把握しているだけで60棟近く)だったらしい。
ただ、現存する住宅のリサーチ状況は氏の著作でも若干紹介されていたけれども、
作品の建築学的分析という面ではまだまだこれからという印象もあり、
この辺が深化すれば少しずつ反映されていくのかもしれない。

で、個人的には伊作の「楽しき住家」を是非読んでみたくなったのだけど、
とりあえず図書館にある評伝を集めた本(「ドキュメント日本人〈第2〉悲劇の先駆者 (1969年)」)に
自伝「われに益あり」が収録されているというので読んでみた。
(実は自伝じゃなくて終戦間際のいろいろについて赤裸々かつ飄々とひねくれて書いたもの)
今読んでも、というよりは今の時代、また叩かれる方向になっているような内容かも(笑)
でも叩きたい人は自分が半年留置場や拘置所に放り込まれる覚悟を持ってからにするように。
やっぱり伊作は本物の偏屈×ダンディ男ですわ。

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