暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

向き合う

2022年07月09日 | 古民家
 土壁の仕上がりは風まかせ・・・その日の気温や湿度、季節で表情を変え・・・
水や骨材の配合で、益々表情も変わり・・・手間のかかる子供のように・・・
やさしく厳しく・・・気長に繰り返し手間を惜しまず向き合うと・・・
思ったような成長もすれば・・・大きく期待を越えて行く時もある・・・
誠に困った相手である・・・。

試行錯誤しながら先人が繋いで来た技術も・・・
革新的な素材や・・・科学的な根拠が現れると、人の感や経験が薄くなってしまい・・・
なんだか面白みの無い世界になってしまう気がする・・・。
既製品の住まい作りは・・・多くの人に住宅を提供したものの・・・
その寿命は短く・・・大切な資源も数10年で廃棄されてしまうと・・・
便利な暮らしは・・・豊かな暮らしとは言えないような気にもなります・・・。

光付けとは・・・礎石となる自然の石の上に柱を据える為、石の表面の凸凹に合わせ・・・
柱の底面を削る技術で・・・6寸・7寸ほどもある柱を光付けして石の上に建てると・・・
しっかりと自立するほど安定します・・・。
木と木が組み合う柱と梁は・・・建物全体で力を分散して、地震の揺れは建物全体の揺らぎで受け止めてくれる・・・。
数値化するには難しい伝統の工法も・・・今では簡単に出来るようですが・・・
それを具現化出来る技が受け繋がれなければ・・・本末転倒になってしまいます・・・
手間のかかる子ほど・・・その手で直接向き合わなければ、豊かな成長は無いような気がします。
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