今、残されている古民家は、当時の豪商・豪農・・・経済界など・・・
比較的裕福な方々が、伝統的な職人の技術と、当時でも希少な材料を効果的に使って・・・
100年・200年世代を超えて暮らせる建物としてきました。
それでも、地方に行くと、農家造りの建物などが残されていますが・・・
文化財に指定されるような、派手な歴史的背景があるようなものではありません・・・
以前「民藝」というお話をしましたが・・・
ごく一般的な生活の中に、普段使いにしか表せない美しさがあります・・・
立派な建物や材料・・・工芸品や技術品は確かに良いものです・・・
それでも素朴さ・暖かさ・和み・・・・・多くの人が必要として使い、重宝されてきたものほど・・・
その大切さが伝わってくると思います。
保存活動される中には、地域で大切に守られてきた物もたくさんあると思いますが・・・
表には出てこない事のほうが多いです。(国指定の文化財が荒れ果てているいるような現状もありますが・・・)
萱葺きの合掌造りは、40年ほど前ゴミのように扱われて、叩き売りされていたような現状もありました・・・
骨董品が高価になる理由は・・・残されている数が少ない事もありますが・・・
欲しい・・・!と 思う人がどれだけいるかで、オークションのように値が釣り上がってしまいます・・・
古民家は飾って眺める骨董品ではありません・・・
そこで暮らして・生活して・・・本当に環境に寄り添った生活をして・・・
家族と暮らす事で自然と感じられる、安心感・安らぎ・・・
地に根付いた暮らしと環境があって・・・それをやさしく受け止める、住まいがあったからだと思います。
地方・地域が元気を取り戻すにもいろんな取り組み方がありますが・・・
立派でなくても良いです・・・
歴史を紡いできた住まいが、生き生きとする姿に戻れば良いのかな・・と 想います。