ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

きっと頑張れる。

2013-02-12 22:39:01 | 親子
再度大学を目指して勉強していた息子に
やっと合格通知が届きました。
第一志望の発表はまだですが、
今のところ、第二志望の大学には合格しているので
一安心という感じです。

一度総理を辞任した人が再度チャレンジできたくらいですから、
25歳であらためて大学を目指すのも全然アリなのですが
やはり結構厳しい道のりではありました。

高校を卒業し、めでたく現役で大学に入ったものの
思わぬ挫折をしてからの7年。
何とか立ち直ってほしい、と無我夢中で過ごしてきた時間でした。
勿論、喧嘩もしたし、泣き叫びもしたし。
何度も彼の気持ちが全くわからないことに疲れ果て
投げ出そうと思い、実行したこともあります。
家族の誰のことも考えたくなくて、
すべてを捨てて、絶対の孤独で生きていくことの方がラクなのではないか、
といつも考えていました。

それでも棄てることができなかった。
どうしようもなくなった彼が家に戻り、
それを夫と私が迎え、そうして再生を目指して
息子と二人でカウンセリングに通ったのでした。
初めの一年間、息子はほとんど家を出ずに(出られなかったのでしょう)
本ばかり読んでいました。
ざっと200冊くらい。
カウンセリングの帰りに渋谷のブックオフに寄り、
山ほど抱えて帰宅したものでした。

二年目を迎えた昨年春、これからどうする?
と聞いた答えが、大学受験でした。
やってみたい仕事がある、と。
散々迷惑をかけてきたのだし、
一度は大学に入ったのにそれをムダにしたのは自分なのだから
もう一度・・・と思うのは甘えだ、という意見もあるでしょう。
事実、娘は否定的です、今でも。
でも、私は親だから、チャレンジできるならばさせてあげたい。
本人が甘えとわかってお願いをしているのならば、
それでいいじゃないか、と。

それでも、金銭的に余裕はないので
予備校には通わず、通信教育と苦手の英語だけ塾に通って勉強を始めました。
初めは、私、かなり不安でした。
つい、私ならば・・・と考えてしまうのです。
私ならばもっと悲壮感をもって、もっと必死になるのに、とか。
やっぱり、ただ甘えてるだけなんじゃないか、とか。
でもカウンセリングを受けるたびに、
表面には出てこない彼の焦りや不安、恐怖を感じられるようになって。
結果、彼は彼なりにやろうとしているんだ、と心の底から思えるようになり
ただ私は見守るだけでいいのだ、
それしかできないのだ、という境地になりました。

受験が迫ってきても、
何と表現すればいいのでしょうね・・・
受かっても落ちても、私じゃないし・・・という感覚。
突き放しているのではないのです。
彼を信用している、その感じが一番近いかもしれません。
彼は頑張るだろう。
私は私を頑張ろう、という感覚。
だって、私は他の誰の代りもできませんものね。
でも、これは全く初めての感覚でした。
今までの娘や息子の受験(中学受験も大学受験も)では
いつも一心同体の感覚でした。
だからつい、私ならば、と思ってしまう。
落ち着きのない、本当にダメな親だったと今回、初めて理解できました。

大学を中退して以来、いろんな人に迷惑をかけ
どんどん自分の居場所をなくしていった息子です。
人よりたくさん回り道をした結果、
やっと自分が恵まれていることに気が付き、感謝が素直にできるようになってきました。
親にすれば、合格の文字もうれしいけれど
そんな風に成長してくれた姿が本当にうれしい。

きっと、我が家は変わったのだと思います。
以前は、息苦しい家だったのだと思います。
大変さを口に出せない雰囲気。
それは、私自身そのままでした。
苦しいこと、マイナスなこと、頑張れないこと・・・それは口に出してはいけないと。
私が自分を解放することによって初めて
家族がいろんなことを口に出せるようになったのかもしれません。
彼にはこれからも、いろんな試練が人より多くあることでしょう。
覚悟していても辛くなるでしょう。
でも多分、今度からはその辛さを口に出せるはず。
そうして一休みして、また頑張ればいい。
長い時間でしたが、親子で沢山のことに気が付いた時間だったのでしょう。

きっと頑張れる。
彼も。私も。
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2 コメント

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おめでとうございます。 (りさこ)
2013-02-13 17:20:31
新しい道を切り拓いていかれる息子さんを見ることができて、良かったですね。

うちも三人兄弟の真ん中が 勤めていた会社を4年半でやめ 半年の受験勉強で大学に入りました。今 二年生です。私たち夫婦が知ったのは 借りるアパートの保証人になって というメールでした。

家から離れよう離れようとしている息子です。どうして彼がそういう風な気持ちになったのか わかる気がするのです。自分でいっぱいいっぱいの私でした。親からゆがんだ価値観をプレゼントされ 毎日の生活を 外ばかり見て ああだ こうだと言っては 問題を起こしてばかりの愚かな母親でした。

完璧な子育てなんてありません。
でも 今 いろんなことが分かってくると 悔いることの多い子育てでした。

子供は子供の力で生きていく と思えるようになりました。生きていって欲しいと思います。

第一志望に合格されますように(*^_^*)
返信する
ありがとうございます。 (くんくん。)
2013-02-16 18:03:32
りさこさん、ありがとうございます。
貴重な体験も教えてくださって嬉しいです。何よりの励みになります。

りさこさんの息子さんも頑張っていらっしゃるのですね。
すべてご自分で算段されたのだから、うちの息子よりもはるかにしっかりされておられます。
我が家は定年を控え、これからまた大学生を抱えるので正直、厳しいです。

でも、子供の力を信じられるようになった今の心は、何にも替えがたいです。
私も後悔の多い子育てで、外側ばかりを気にしていた母親でした。
あの頃は本当に不安ばかりで息苦しかったと、今、思います。
今は金銭面での苦しさはあるけれど、息苦しさはありません。
何とかなるかな~、と思うことにしています。

第一志望の発表は月曜日です。
ハテサテ、どうなりますやら・・・
返信する

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