ＦＢＩ～失踪者を追え！ 第11話「思い出ビデオ」

【　失踪者　：　アニー・ミラー　】
通報者：母キャロル

中学二年生のアニー・ミラー（13歳）が、朝スクールバスを乗り損ねて、そのまま行方を絶った。
彼女は母キャロルと二人暮らし、同級生の親友シボーンと「アニー＆シボーンショー」というビデオ作品を作るのが好きで、学校ではちょっと浮いていたが特に問題がある子供ではなかった。
町長のバリー・ミッチェルは協力的ではあるが、「この町ではみんな家に鍵をかけないのだ」と平和な町であることを強調する。
アニーが落としたビデオカメラに映っていた最後の映像には、車の中でもみ合う様子が。彼女は誰かに車に乗せてもらったのだが、町民は互いに顔見知りであり警戒心なく乗るだろうと見られた。

サマンサは、手がかりを探すのとアニーという少女を理解するために、彼女らが作ったビデオライブラリを全部見ることにするが、その中で、キャロルの親友デレク・トレーナーと少女たちのじゃれあいに引っかかりを感じる。
デレクはレストランを経営していてアニーの父親代わり的存在。アニーはデレクの家に時々泊まっており、失踪の前の日もアニーがキャロルとケンカした愚痴を聞いてやっていたという。
デレクのアリバイにジャックは怪しいものを感じる。

ビデオには「ミスターくもりめがね男」という存在が出てきたものの、それに該当する人間が見当たらなかった。手がかりをつかめず、次第にサマンサは煮詰まり始める。
失踪からちょうど24時間が経過し事態が膠着して来たところで、シボーンの行方もわからなくなる。
苛立ったシボーンの父などのはけ口として、人々は次第にデレクへの疑いを口にするように。デレクの家の家宅捜索によって乾燥機からアニーの下着が発見されたため、デレクへの疑惑が一層深まるように。

一方町長の行動にも不審な点が発見され、事態が混沌としてきた頃、アニーの遺体が発見される・・・・

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アメリカにも「鍵をかけなくてもいいような平和な町」が、しかもＮＹ郊外にあるんだなー。
しかし、前の回の「理想的な夫・問題のない父親」が実は虚構でしたというように、このドラマは必ずそういう見せかけ・作り物を壊していく。表に積み上げた砂糖細工をベリベリとひっぺがして、無垢の状態になった時に失踪者へつながる鍵が見つかる、みたいな。
でも・・・・人間はそれが作り物であっても、騙されていたほうが幸せという場合もあるよなぁ。

今回の犯人の出し方はうまいなーと思った。ビビアンが話しを聞きに行った時点ではメガネかけてないし、でもちゃんとＤＶがらみでヒントは出してるし。その「隠し方」が推理小説を読んでいるような感じ。
キャラクターそれぞれの表情に、ストーリーとは別のキャラクター造形の意図を持たせてたりするので、画面から目が離せない。毎回３回くらいずつ見るようになってしまう。
今回は、サマンサがビデオに入れ込んでいく表情がいいなぁと思った。
それとマーティンがデレクについての情報を携帯で知らされた後、シボーンの両親に対して回り道なしに単刀直入に聞いてしまった時のビビアンの「おいおいもっとうまくやってよ」っていう表情をさせたところ。
その後台詞でビビアンがマーティンに注意するところは出てこないのだが、マーティンが不用意に点けた火がその後、シボーン父らのデレクへの不審となってどんどん広がっていき、結局落書きにいたるわけだ。
町長の「あなたたちのせいだ」もあながち言い逃れではない。マーティンまだまだやね。

しかしこの「思い出ビデオ」っていう邦題は・・・・イケてないつーか。
ＮＨＫはわかりやすくしようとするあまりネタバレするか、何これ？と考え込むような邦題を時々つけてしまうわけで・・・・。今回の邦題にしても、「思い出」ってつけてしまったことでちょっとネタバレぽくなってしまうような気が。
既放送分でネタバレしてないのは、第１、３、４、９話のかな。
見る前からオチがわかるようなのは勘弁してください・・・・

母キャロルの吹き替え、三原じゅん子がやってたのだな。彼女は他にも吹き替えの仕事をしてたっけ？と思ったら、アニメの「こち亀」でやってるのね。
でも、すごく抑えた情感というか、子供を失った母の行き場のない感情をうまくあてていて、感動してしまった。
もっと海外ドラマなどでのお仕事見てみたいっす。


【脇俳優チェック】

◆アニー・ミラー　....　Landry Allbright
「コン・エアー」でニコラス・ケイジ扮する主人公が出所して、初めて会う娘にどうしていいかわからないという、最後の場面で出てくる娘が彼女。
あの汚れたぬいぐるみを差し出したニコラスに怯えてた少女が、こんな思春期のきれいな娘さんに成長したとは。

◆町長バリー・ミッチェル　....　Robert Curtis-Brown
どこかで見たこと絶対あるよなぁ～と思って調べてみたら、ちょっと前に「ブルース・オールマイティ」を見たのだが、それにジム・キャリーのライバルのテレビのレポーター役で出ていたのだった。
それと、ＣＳＩ：マイアミの第２シーズン最終話「ＣＳＩの汚名」で、ラボに仕掛けをしてデルコをピンチに陥れる弁護士役もこのひと。
この俳優もちょっと造作にアクがあるので、「このひと犯人じゃないか？」という雰囲気を漂わせて画面に存在するという、イヤなタイプ。言うなれば「火サスチックな俳優」。
ほかに「Catch Me If You Can」「Bean」「Red Dragon」などに出演。

◆デレク・トレーナー　....　Tom Gallop
「ウィル＆グレイス」のロブでおなじみ。連想ゲームが一向にうまくならないウィルの友達役。
実はこの俳優さんはＣＳＩでもシーズンに１～２回、弁護士役で出てきている。ちょうど次回の放送（第９話）で登場の予定。

◆アニー母キャロル・ミラー　....　Judith Hoag
映画「ミュータント・タートルズ」で主役。見たはずなのに記憶が完全に飛んでいて、どんな風だったか思い出せないけど。
他にも出演作やゲストが多く、ＣＳＩには第４シーズンに、第１６話で登場予定。

◆音声技師　....　Ty Miller
ジャックと一緒に「ここの音は男性の声じゃないか？」「いや、違う」とかやってた人。気がついていなかったが、第１話と第２話にも出ていたらしい。どこに？？
で、実はこのひと、「ヤングライダーズ」のキッドじゃないですか・・・・なんでこんな（自粛）
これからもちょこちょこ顔を出す模様なので、ファンの方々はマニアックに探してください。

◆シボーン・アリンテロ　....　Alia Shawkat
2003年に教育テレビで放送されていた「マイ・スウィート・メモリーズ（原題State of Grace）」で主役のハンナをやっていた子。60年代を舞台にしたドラマで、ちょっとしか見てないが音楽とかにこだわってて実にかわいいドラマだった。
あの子がなぁ・・・・ぱっと見で気づかなかった。