伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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所得の再分配 と 長期的な戦略の視点

2014-03-05 17:48:08 | 政治・政策・経済


(行政の役割 所得の再分配)

議会の一般質問二日目
所得の再分配について考えさせられました。

国や自治体などの行政の役割は、
法的な規制を行うことなども仕事ですが、
税金を集め、それを使って行政サービスを提供することで
「所得の再分配」を行っています。

社会の中には、
お金持ちもいれば、貧しい人もいます。
そのままでは生活に困る人が出ますので、
みんなで税金を出して支えあっているのです。

お金をたくさん持っている人には、
たくさん税金を納めてもらい、
貧しい人の税金は少なくしてあります。

行政のサービスは、
戸籍事務や消防など、だれでも平等に受けられるものもありますが、
生活保護など、一定の所得以下の人のみを対象にした
事業もたくさんあります。



このように国や自治体は税金を集め、
行政サービスを提供することで、
全ての人が生活できるように
社会全体の所得の再分配を行っているのです。
これが基本的な役割です。




(プレミアム商品券)

伊勢崎市が補助している
プレミアム商品券
について羽鳥議員が質問しました。

この商品券は市から10%分の補助金が出ます。
一人当たり5万円まで商品券を買えます。

いまどき(2014.3.5現在)、
銀行に100万円を1年間の定期で預けても
利率は0.025%、250円しか利息がつきません


しかし、この商品券を買った瞬間、
10%のプレミアがつくのですから、
金融業界の常識からみれば、想像を絶するお買い得です。

この商品券を買って使えた人は
たいへんお得だったわけですが、
問題点もあります。

羽鳥議員は、一人が5万円の上限まで買ったとすると
4千人くらいしか買えなかったのではないか、
と質問しました。
市の答弁では、4120人だったそうです。

伊勢崎市には21万人の市民がいますので、
そのうちこの商品券で得をしたのは約4千人。
それ以外の人は恩恵がありませんでした。

財源は税金なのに、
市民のごく一部の人だけが、
とても得をして、その他の人は何にもなし、
ということでは、公平感に問題があります。

市民の声として、
「5万円も商品券を買える人は、お金に余裕がある人だよね」
というのがあったそうです。
生活に困っている人は、
5万円の現金は用意できないかもしれません。

この商品券は先着順の販売でしたので、
所得の多い、少ないにはまったく関係なく
販売されています。

もし、本当にお金に困っている人は
わずかな額しか買えなくて、
お金持ちの人が満額買えているとしたら、
行政の役割である「所得の再分配」に
逆行してしまうのではないか、と心配になりました。

とにかく、
だれが買ったとしても地元の商店で
物が売れれば、それで良しとする事業なのか。
それとも、
所得の再分配を意識した役割を模索するのか。



(根本改善につながっているか)

プレミアム商品券のもう一つの問題点は「効果」。
伊勢崎市の商業振興が目的なので、
この商品券を発行したことで、その後の商業の振興につながったのか?

商品券を使い切れば終わりで、それ以降、
お客が地元のお店で買う習慣につながっていないならば、
その場限りで「商業振興」にはなっていません。

お客が来るきっかけになったとしたら、
それを上手く生かして、継続させるような
根本的な構造改善がなされなければ、
毎年数千万円の税金を投入しても、元の木阿弥です。

2012年の決算審査では、
 1 期間終了後も、売れる仕組みや習慣が残ったか?
 2 その場限りでなく長期的に売れる戦略を持っていたか?
このような質問をしました


長期的な戦略の視点が欠けていたとの答弁がありました。

明日から来年度予算の審議なので、
どのように改善されたのか確認したいと思います。



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