踊る小児科医のblog

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2005年の青森県教委「プールは安全」回答はウソだった

2006年08月09日 | こども・小児科
今回のふじみ野市のプール事故に関して、
 絶対に起きてはならないプールの事故が再び…(2006年08月02日)
と書いた中で、昨年青森県教委に問い合わせた回答結果、
 青森県内の学校プールの排水口はすべて安全です(2005年07月26日)
(→『「青森県内のプールの排水口はすべて安全」はウソだった』に改題)
を紹介しました。

しかし、昨日から報道されている、
 吸排水口不備43カ所/県内プール(2006年8月9日東奥日報)
 プールの吸い込み防止不備1596か所…文科省調査(読売新聞)
といったニュースをみて、これが全く根拠のない回答だったことが判明しました。
(県内で事故が起きていても何ら不思議ではなかったのだ!)

子どもの命がかかっている問題に対するこのような回答は悪質な過失または虚偽といっても過言ではありません。
一番下に、県教委からの回答メール(その中に私からの質問の全文が引用されています)と添付文書(ワードのファイルなのでテキストの全文をコピーしました)を全文掲載します。これは正式な回答であり公的文書ですから、メールアドレス以外は氏名も含めて全て公開させていただきます。
この件については、青森県教育委員会および報道各社にも連絡して、どういう経緯によってこのような事態になったのか調査して回答していただかなくてはいけません。

吸排水口不備43カ所/県内プール(2006年8月9日東奥日報)
>ふたの固定をしていないプール
  小学校五校、中学校三校、県立高校一校、公営プール四カ所
>吸い込み防止金具を設置していないプールは
  小学校十七校、中学校三校、県立高校五校、公営プール八カ所
>両方とも不備なプールも小学校二つ、公営プール一つ
>特に早急な対応が必要なプールは二十二
  小学校が八戸市七校、西目屋村一校、田舎館村二校
  中学校は八戸市六校。県立高校はなし
  公営プールでは県教委一カ所、弘前市教委四カ所、新郷村教委一カ所

プールの吸い込み防止不備1596か所…文科省調査(読売新聞)
>吸水口のフタがきちんと固定されていないプールが38都道府県で305か所
  公立学校185か所、公営プール120か所
>吸い込み防止金具が設置されていないプールも、37都道府県で1596か所
  公立学校のうち1238か所、公営プールでは358か所
>文科省はこれまで、毎年夏前に、プールの安全管理を求める通知を出し、
>排水口などのフタをボルトなどできちんと固定するとともに、
>フタとは別に、丈夫で、簡単に取り外しできない構造の金具を設置する
>二重の防止策を講じるよう求めてきた。

(以下は、2005年7月の県教委からの回答メールです)
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Subject: 県教委ホームページへの投稿について(回答)
Date: Tue, 26 Jul 2005 12:41:52 +0900
From: 工藤 伸崇 <××××@education.pref.aomori.jp>
To: <××××@kuba.gr.jp>
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 6.00.2800.1437
X-Attachment-FileName: 投稿回答文書.doc

くば小児科クリニック  久芳康朗 殿

この度は、県教委ホームページへの投稿ありがとうございました。
以下の投稿内容について、添付ファイルにて回答いたしますので、
よろしくお願いします。

青森県教育庁スポーツ健康課総務G
主事 工藤 伸崇
TEL 017-734-9906(内線5222)
FAX 017-734-8275
MAIL ××××@education.pref.aomori.jp

【投稿内容】
既に学校のプールの季節となっております。
標題の件につきまして県教育委員会では既に状況を把握し対策もなされているものと思われますが、青森県内では全て(100%)の学校で対策済みかどうか、もし残っている場合には具体的にはどこの何という学校か確認したく、お忙しいところ恐縮ですがお返事をお願いいたします。
4月21日付けの報道によると、全国の国公立の小中高と高専、養護学校など約3万校のプールのうち、589校で排水口のふたが固定されておらず、児童や生徒が腕や足を吸い込まれておぼれる恐れがあることが日本体育施設協会(東京)の調査で分かったとのことです(2003年~2004年)。
協会によると、排水口に吸い込まれる事故は1966年以降、50件以上発生して、少なくとも50人が死亡。昨年7月にも新潟県で小6男児が死亡するなど後を絶たず、協会は安全対策の徹底を呼び掛けているとのことです。
既に対策が済んでいるのであれば、その旨県内の児童生徒や家族に広く知らせることも必要であり、また、もし対策が済んでいない学校が多数残っている場合は、その危険性をメディアなどを通じて広く知っていただき早急に対策を済ませていただく必要があると思います。
よろしくお願いいたします。

くば小児科クリニック
久芳康朗
八戸市湊高台1丁目12-26
××××@kuba.gr.jp
(お返事は簡単なものでも結構ですのでメールでお願いいたします)
jusho=八戸市湊高台1丁目12-26
mailadress=××××@kuba.gr.jp
nextpage=http://www.pref.aomori.jp/education/index.html
send=送信中…
shimei=久芳康朗
tel=
toaddr=e-webmaster@education.pref.aomori.jp

(以下は添付された「投稿回答文書.doc」の全文です)
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県教委ホームページに寄せられた投稿について

テーマ  学校のプールの排水口の蓋の固定および吸い込み防止金具の設置について

(回答)
 2003年から2004年にかけて日本体育施設協会が行った調査において、全国で589校が蓋の固定をしておらず、また本県においても、排水口の蓋を固定していない学校が7校、吸い込み防止金具を設置していない学校が3校あるということが明らかになりました。
県教育委員会では、毎年各市町村教育委員会に対し、学校水泳プールの拝(環)水口に係る事故を防止するため、安全管理を徹底するよう通知しているところですが、上記の調査結果を受け、再度学校プールの蓋の固定等の危険防止対策状況について、各市町村教育委員会を通じて調査を行いました。
その結果、平成17年6月までに、問題のあった学校すべてにおいて、蓋の固定や吸い込み防止金具を設置した、プールの使用そのものを停止した等、危険防止を図った旨の回答が得られました。
県教育委員会では、今後とも引き続き水泳等における事故防止及び学校水泳プール等安全確保に万全を期して参ります。
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