朝は寒かった。とても寒くてストーブをつけた。やっと暖かい部屋で食事を終り会社に行こうと玄関を開けた。そしてあたりを見たら、1匹の小柄な狸が坂の途中で私の気配に逃げるでもなく、振り返ってじっと見ていた。去年か一昨年見た狸だった。違う狸かもしれないが、大きさといい、体格といい、その目つきといい全く同じだった。今ははくびしんが来るようになってからは餌は出していない。でも、この収穫の秋に出て来るとは山も不作なのだろう。確かに裏山は住宅地になり、栗の木や柿の木1本も生えていない。明日からは安いバナナでも買って出しておいてやろう。富士見が丘の方から下水溝を伝ってくると聞いている。何も無くては可哀そうな気がする。八百屋で棄てるようなバナナを1皿100円位で売っている。自分の食費を100円詰める事は出来る。明日から狸にも食事を出してやろう。